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バイオガスの活用事例【地域デザインの目線#19】

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 畜産の盛んなヨーロッパや日本のバイオガス事業の先進地である北海道では、消化液の農業利用が広がっています。
 バイオガス事業の導入は、ふん尿処理の主流となっている堆肥化に伴って起きているさまざまな問題を解決する手段となっています。

 まず、熟成が不十分になりがちな堆肥で問題となっている大腸菌などの有害菌や牧草の種がバイオガスプラントでの発酵によって消滅します。
 このほか、消化液については小麦やジャガイモなどの農作物の病害を抑える効果も報告されています。

 また、バイオガス事業の導入は、堆肥化で問題となっている悪臭が大幅に改善されるので、畜産業の課題となっている規模拡大や新規就農の道を開く手段になると思います。

 さらに、液体肥料である消化液は固形の肥料よりも慣れれば使いやすいので、農業の働き方改革につながります。
 例えば、水田の稲作だと、これまで人力や農業機械で数十分、数時間かかっていた肥料の散布作業が、消化液だと水といっしょに流せばいいので数分で済みます。

(つづく)


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