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先人の地域デザイン5【地域デザインの目線#14】


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 次は、播磨、淡路の「ため池」から地域のデザインを見てみましょう。兵庫県は全国一ため池が多い県で、県内に2万4千のため池があります。その多くが東播磨と淡路にあります。
  雨が少ない典型的な瀬戸内式気候で、先人たちは慢性的な水不足に悩まされていました。ため池は、地域の小さな川の水を最大限に生かすための手段でした。
  「大地を潤すためには、どこに水を貯めればいいか」。ため池を回ると、太陽の光に恵まれた土地を実り豊かな農地に変えるために考え抜いた先人たちの地域デザインが見えてきます。

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 そんなため池に、太陽光発電パネルを浮かべて電気をつくる「ため池ソーラー」がいま増えています。太陽光発電は温度が上がりすぎると発電効率が落ちます。水面は陸上に比べて涼しいので、発電量が下がりにくいメリットがあります。収益はため池の維持にも充てられますし、ルールを守って設置していけば、この地域における電力の地産地消の中心的な役割を果たせると思います。

(つづく)

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