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Online AgilePBL in Autumn 2020

筑波大学でのAgilePBL、秋学期に入って1ヶ月の所感です。

毎年のスケジュールとか今年の夏合宿の話はまた今度かくとして、今年は秋学期新たな試みを3つとりいれました。

1. 秋学期に全チームリセット

2. 1コマ(150分)スプリント

3. 1ヶ月に1度の対面ロングレビュー

どれもとても良い感じに回っているのでメモ的な記録です。

(教員視点なので、受講生からしたら見方は違うかもしれません。また割と自己満足的なところもあるかも。その辺はご了承ください。)

1. 秋学期に全チームリセット

例年だとチームと開発内容を7月に作り、夏合宿に1週間スタードダッシュ。夏休みを挟んで10月から続きのスプリントを回します。ただ、そうすると長い夏休みにいろいろ忘れてしまうので、今年は思い切って全チームリセットしました。もちろん同じネタでもいいのですが、問題の掘り下げから全部一通りやり直し。

夏合宿後に通知をした時には「なんというメテオフォール。。。」と言われたものでしたが、始めてみると2周目を経験する効果絶大。

リーンキャンバスやプロダクトバックログのフォーマット、前は言われるがままにやってみた感じだったのが、夏合宿での開発スプリントを経てこの先どうなるかが分かった上での設計プロセスは側から見ていても全然違いました。すごい。

2. 1コマ(150分)スプリント

これまで、夏合宿では1日スプリント(450分)、秋学期からは1週間(水曜150分+金曜150分)でやってたんですが、どうにも2日間にわたる(しかも間が開く)のが効率が悪い(2日目をあてにする)気がして、思い切って1コマ(150分)スプリントを実施しました。

これを取り入れたのは、東工大PBLの1コマスプリントの話を聞いたのと産技大でも合宿で90分スプリントやっててこれは行けそうだと思ったため。

こちらの方は受講生はそういうもんだと思って受け入れていた感じでした。すごい(小並感)。

実際やってみて、特にスタートアップの数スプリントは効果絶大であることがわかりました。

アイデアを具体化したり、MVPを出すフェーズでは時間があればあるほど話し合ってしまうけど、100分でプロダクトを作るとなるととにかくやるしかない。結果最小の手でMVPを出すのがどのチームも物凄くうまかった。

そして、2スプリント目にはもう実機MVPができたチームも。
5スプリントおえて、大体のチームが実機MVPが動かせていてユーザテストやドッグフーディングができる状態になっている。

これは決して今年の受講生の実装力が特別高いわけではなくて、プロダクトとプロダクトバックログをコンパクトに作るのにたけているから。これは本当に素晴らしくて脱帽している。

3. 月に1回のロングレビュー

1ヶ月(5スプリント)を経て10月末、初めてのロングレビューをしました。今年は基本オンラインPBLなんですが、秋学期は月に1回対面でやることに。そして3部屋に分かれ、2〜3チームずつじっくりレビュー(30分/1チーム)とプロダクトバックログのリファイメントをします。

これがまた対面の良さがものすごく出た。

フェーズ的にどのチームもユーザ相手の検証ができる状態のプロダクトができていて、それを実際対面で試す。私のいた部屋では対面でしかできないレビュー方法を実験してみたりもした。デモをしたあとは、プロダクトのアーリーアダプタである自分たちが、本当に欲しいものは何なのか、そこから見て今の状態からどう向かっていけばいいか、みんなでじっくり話し合う。

毎回のスプリントレビューはどちらかといえば機能面がメインであるだけに、この2種類目のレビュー(ロングレビュー)は受講生としてもかなり良かったようだ。

というわけで、この先どうなるかはわかりませんが、最終年度にして最高のPBLが実践できているのでちょっとした報告でした。



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