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吉田修一著「路(ルウ)」読了

毎日10分読書で読んでいった読書の感想をこちらで書いていってます。マガジンでもまとめています。

今回は台湾と日本を舞台にした小説「路(ルウ)」。

中国語が好きで中国や台湾にも興味があるので読んでみました。

ちなみに読書感想文は中国語で「読後感(读后感…どぅうほうぐわん)」と言います。

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最近NHKで小説原作のドラマが2話構成で放送されていたのだけど、そちらは見損ねてしまい、原作を読みました。

主人公である多田春香は台湾新幹線誘致のため奔走する会社員。

仕事で台湾に赴任することとなった彼女の心に浮かんだのは、過去、台湾旅行の時たった一度会ったものの、その後一度も接点のない青年のこと。

しかし春香本人も、すでに遠い過去の出来事であり、淡い記憶として心の片隅にしまっていた。

慣れない海外赴任と仕事に奮闘するかたわら、ふとしたきっかけから、すでに遠い思い出と思っていたその青年との時間が動き出し…。

と、主人公のストーリーをメインに進むけれど、他の登場人物の人生模様も随所に織り交ぜられ、初めは接点のなかった彼らがところどころで出会い、交錯するオムニバス小説。

世代も国籍も住む場所も違う登場人物だが、それぞれに気持ちを重ねることができ、やがてふと出会い、あるものは知り合い、ある者は通り過ぎる。

人生の巡り合わせや縁の不思議さも感じる爽やかな読後感でした。



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