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推しの周年ライブで夏を送り、秋を迎えた9月

月の周期とともに浮かんで隠れてまた上る、大体月2回の低空飛行日記です。

9月29日。暦では十五夜で、中秋の名月だったらしい。
この日は雲もなく空もスッキリ秋晴れ。
空には明るい満月がバッチリ浮かんでいた。

月見団子を食べるつもりでお店で団子を探したが売り切れており、代わりにスフレを見つけた。
スフレて何だ?
そもそも月見は中国伝来とは言え日本の行事なんだし団子では?
そんな自分ツッコミもなくはなかったが、クリーム色の丸い形が満月みたいだし生地がフワフワ美味しそうだしクリームもサンドされてるし。
月だけでも充分きれいだし風流だけど、花より団子。
団子なしの月見より、スフレありの月見。
せっかくなので今年は月見スフレを食べた。

今日は30日。

とうとう9月最終日。明日からは10月。秋もそろそろ本格的に深まっていくんだろうな。10月がきて、残りは11月、12月ともなってくるとこの一年の総決算みたいな時期だ。

一年の総決算はまた今度ということにして。
この9月は推しの周年ツアー千秋楽もあって、ライブ総決算みたいな気持ちだった。個人的に。

私の推し、B'zは、今年活動35周年になる。大体5年ごとの周年に、Plesureと銘打ったツアーを展開する。
今年は6月から9月24日の最終日に向けて全国を回っていた。
チケット激戦の中、私は9月21日参戦が決まっていた。
(補足:B'zの公演を観に行くことをファンの間では「参戦する」という)

年々暑くなる酷暑に加えて、今回は何かと山あり谷ありなツアーだった。
ツアー中、ボーカル稲葉さんの体調や台風直撃で中止を余儀なくされた公演があっただけでなく、ライブ開催地に伴走するかのように次々と発生する台風たち。
なぜか自分の行かない公演地でも、無事開催されますように…と天気予報図を見ながらハラハラしていた。

さらに参戦予定の9月21日直前、愛知公演終了後、ステージ設備の解体中に作業スタッフが怪我をする事故が起きる。
事故を受け、行われる協議。大阪公演は開催できるのか?
固唾を飲んで結果通知を待つ時間も、私には大きな試練だった。

9月21日の結成記念日、できればライブやってほしい。
でも、B'zはじめ運営の人たちが安全であってほしい。
開催できたとして公演中事故ともなれば観客の私たちも危険だし、そんなことになればB'zの2人が一番悲しむ…。
それは何より避けたい。

相反する感情と葛藤のなか、大阪公演の開催が通知された。
大きな安堵とともに、この結論を出すために舞台設置からそれに合わせた演出の調整から、たくさんの人が知恵と力を出し合ってくれたんだろうと思うと泣けてきた。

そんな山あり谷ありを乗り越えて参戦した9.21。
運営がGOサインを出したからには、私もライブを楽しみ尽くすと同時に、円満に最終日へと繋げられるよう協力しよう。
微力ながらマナーや安全に気をつけて参戦しよう。

そんな期待と興奮と緊張を胸にライブ開始を迎えた。

ライブ始まってすぐ、ボーカルの稲葉さんから挨拶があった。
先日の事故について、多くの人に心配と不安をかけたことへの謝罪と今日来てくれたことへの感謝。
おぼろな記憶ながら、
「ライブ一つ一つの成功には多くの人の時間、労力があって、そうして一つのステージができあがるんです。今回あらためてそのことを胸に刻んで、来てくれた皆さんにとって素敵な思い出になるような最高の演奏、音楽ができるよう、腹を括って、がんばりますのでどうぞ楽しんでいってください」
こんなニュアンスのことを話してくれた。

ライブのたび、来場したファンの人たち、バンドメンバーへの感謝だけでなく、「ツアーを支えてくれているスタッフやクルーの皆さんに感謝を!」の言葉を欠かさないB'z。

いつもと変わらない真摯な態度に、こんな時でもなのか、こんな時だからなのか、また涙が込み上げた。

感動🥺的なMCから始まった9.21ライブ。これだけでも、充分に伝説的な気がするのだが、そうではない。

35周年目の結成日ライブ、伝説はこんなもんじゃなかった。

もともとその日の天気では線状降水帯が予測され、ライブの時間にドンピシャしていたのだ。
でも会場へ着いてみれば、雲こそあるものの穏やかな空。
ライブ前の1ヶ月あまりが、台風だ線状降水帯だと日本各地で雨祭りだっただけに、もう空にもそんなに雨粒ないんじゃね?
なんなら雨もうまいことライブ時間を避けてくれるのでは?
そんな甘い期待もあった。

甘かった。

ライブも1時間を過ぎた頃。雨が途切れ途切れに降り始めた。
会場端、屋根下の席にいた私からはハッキリ分からないものの、はじめは霧雨ですむのかななんて思ってた雨量がみるみる増していく。
ステージから放たれる、色鮮やかな照明はひっきりなしに降りしきる雨粒に乱反射。
ここは水中ステージか?みたいな今まで見たことのない光と音楽のイリュージョンが繰り広げられている。

びしょ濡れでえらいことなってるはずのステージでは、ひるまない松本さんのギター。稲葉さんのボーカル。バンド演奏。
これはこれですごい。音と光の効果もあいまって綺麗な眺め…。
などと言ってる場合ではなかった。
時間と共に、雨は止まないどころか滝のように降り注ぎ、屋根のないステージとアリーナが心配になるほどの雨量。
気がつけば空では雷鳴が鳴り響き、稲光まで目に見えるほどハッキリと光り始めた。

ついに安全確保のためステージは一時中断。屋根のないアリーナ席の観客は会場の誘導のもと避難。

屋根のある私たちの席までも、降り込むしずくで席下の足場がずぶ濡れになるほど。

果たしてライブは再開されるのか?
できれば再開してほしい。
でもこんな天候で、B'zサイドや観客の安全確保を考えたら無理にとは言えない。
とにかくどんな結果でも受け止めようと心の準備をすることしかできなかった。

「龍がついてる人には、節目節目で雨が降るんやで」
テレビ番組で言ってた小籔先生の言葉を反芻する。
35年だもんなぁ…。稲葉さん辰年だし。
これまたでっかい龍が来たもんだ。来てくれるのはいいんだけど、これほどの豪雨は勘弁だなぁ。

Yahoo天気の雨雲レーダーを分刻みでチェックしながら祈る気持ちでただひたすら待った。

やがて雷雨が弱まった20時頃。
ライブ再開のアナウンスに、歓喜で沸く会場。ふたたびの誘導でアリーナに速やかに戻る観客。

ステージに戻って開口一番、
「大丈夫ですか?」
「出たり入ったりごめんなさいね!」
これまた観客を気遣う稲葉さん。和む会場。
会場使用可能な刻限に間に合うよう短縮されたセットリスト。
それでも1時間にも満たない残り時間を思う存分盛り上げて楽しませてくれた、最高のライブだった。

終わって会場を出てみれば、あの豪雨と雷はどこへ?と言うくらい穏やかな天候に戻っていた。
夢でも見てたのかなというくらい、楽しさと不安と心配、その後の感動が凝縮された3時間半だった。

翌朝には昨日のライブがニュースになってたくらいだから、豪雨で一時中断なんてやはりなかなかない出来事だったのだろう。

聞けばあの晩の雨は季節を分ける秋雨だったらしく、あの雨を境に夏が終わり秋が来る、そんな気象現象だったらしい。

季節の節目と、推しの新たな周年スタートの日とが重なる、そんなミラクルな瞬間だったのかもしれない。

それにしても、ライブ一つ一つを無事成功させるということはやっぱり当たり前のことではなくて、ステージ裏の人たちの支えであったり、来場者一人一人のマナーある行動だったり、そんなものが集まってこそ生まれる奇跡のように思える。

今回、ツアー名になっていたSTARS。
私たちファン一人一人を星になぞらえて作られたB'zの新曲だ。
私はそんな星なんてほど煌めいちゃいないけど、稲葉さん松本さんからそんなこと言われちゃったら、そりゃあ嬉しいに決まってるテレテレ(*´꒳`*)。
日常生活、またがんばってみようかなテレテレ(〃´-`〃)。
ライブの余韻で自己肯定感を上げてもらいつつ、秋を迎えたのだった。

ちなみに大阪公演残りの23日のライブは稲葉さんの誕生日でもあり、24日最終日は最終日で、SNSの感想も盛り上がってて、すごく楽しそうだった。
次のツアーがあるならば、最終日にもぜひ行きたい。

ではまた次の新月で。
長文、読んでくれてありがとう。

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