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早速、京都『香雪軒』へ筆を買いに・・・

今年の目標のひとつとして「毛筆で自分の名前を上手く書く」を掲げたからには、まずは筆を買わなくてはと、昨日、買ってきました。それもかの有名な『香雪軒』で。書道関係者はもちろん、関係ない人でも、武者小路実篤や富岡鉄斎、谷崎潤一郎などが通ったという筆の専門店としてご存知の方も多いはずです。
創業160年、江戸時代後期に筆職人だった初代が創業したという老舗です。
鴨川に近い二条通に面して佇むこのお店の存在は東京に住んでいた頃から知ってはいましたが、書道に無縁な一観光客としては素通りのお店でした。入ってみたい気持ちはありましたが、何となく敷居も高かったですし。
そのお店が今や私にとってはなくてはならないお店になりつつあります!

今回、京都にある筆を専門に扱うお店を調べていく中で、出てきたのが「御題筆」という筆の毛色が何色にも染められた美しい筆でした。その筆を販売していたのが
『香雪軒』でした。「御題筆」は、毎年1月に宮中で開催される歌会始めのお題からイメージした色で毛の部分を染め付けた筆で、毎年11月末からお正月にかけて限定発売されているとのこと。ひと目で気に入ってしまい、お店へ電話するとまだ在庫があるとのことだったので、取り置きしていただき、昨日早速買いに行ったというワケです。

お店に入ってお話を伺うと、毎年この「御題筆」を購入するコレクターの人もいる人気商品とのこと。今年のお題は「和」。私が真っ先に連想したのが平和の和でした。
その和の色はイエローにピンクと水色がアクセントの優しい色目。1本1本色の出る場所も配色具合も違うので結構迷いましたが、軸に書かれた店名の上にピンクが来るものを選びました。可愛らしいです。
昨年のお題は「友」だったので、友人にプレゼントする人も多く、早くに売り切れたとお聞きしました。
何だかこれでいきなり名前を書く練習をするのは勿体ない気がしたので、お店の方(恐らく店主の息子さん?)に初心者でもなるべく扱いやすい小筆を選んでいただき、数本試し書きもさせていただいた結果、芯(中心部)がイタチとタヌキの毛で、回りが羊という1本に決定。これでもうすっかり上手く書けるようになった気になりました。何事も道具は大切ですよね。

そして・・・これは本当に偶然なのですが、このお店が今、騒動になっています。今回、色々と調べている中で、年末に『香雪軒』のお店の前に吊されていた木製の大きな筆形の看板が盗難にあったことを知りました。各紙の記事に掲載された盗難以前の写真を見て、以前見た記憶が蘇ってきました。確かに店頭には大きな筆がありました!
率直な感想としては、盗まれるようなものではないのに、というか、盗んでどうするのだろう?という思いです。しかし、手がかりがあるとすれば、昨年7月、江戸前期から続く木版印刷の老舗「貝葉書院」の店頭に約130年前からあった看板が盗まれる被害もあったので、一部のマニアの仕業か?

盗難事件の最中であるにも関わらず、私のような初心者にもとても優しく、大変丁寧に接していただいたことは感動しました。こちらのお店の筆にはこれからも末永くお世話になりたいという気持ちにさせられました。
早く看板が戻ってきて元通りに吊されることを祈るばかりです。


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