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モーレツスペイン家族

タイトルはヤマザキマリさんの漫画「モーレツイタリア家族」にちなんでみました。(写真は家族の食卓)モーレツって他に代替え効かないいい表現だと思います。さて本日は私の義スペイン家族のモーレツ具合について語ってみたいと思います。

先日84歳の義祖母と腕相撲をしたら数秒で完敗しました。義母、義妹も彼女にあっけなく敗退、恐る恐る勝負を挑んだ義弟(33歳、ジムインストラクター)がギリ勝てたのが幸いでした。

義祖母は若い頃から小麦畑の農作業で鍛えまくられたスーパーおばあちゃん。84歳とは思えない怪力で、最近まで毎朝縄跳び150回(50セット×3回)飛んでいました。60kgくらいある大人でもひょいと抱き上げます。その昔ごちそうを振る舞う日は、家で飼ってた食用ウサギを数羽、素手一撃で秒殺してぽんぽん捌いていたそう。

西洋人は肉を多く食すせいか、体格も体力も日本人より勝っていると日々感じることが多いのですが(例えば60歳超えの方々でもオールナイトのパーティもへっちゃら)この家族はちょっと平均を超えてる気がする。去年までスタスタ歩いて雄弁だった94歳の義祖父は最近体力が落ちて来て、今では歩行器を使っているけれど、そんな義祖父と上記の義祖母の腕相撲勝負は互角。つまり94歳のおじいちゃんにも私、義母、義妹は腕力で負けてる訳です。

かといって私や義母、義妹の体力がないかというとそうではありません。なにしろ彼女達は上記おばあちゃんの娘と孫。義妹はスポーツ大好きで腹筋割れてるし、義母も人生で腰痛を感じたことがないと言う程健康で働き者。

また男性陣も総じて体育会系。義父は柔道黒帯初段、腕の太さが私の二倍。義弟はジムインストラクター(専門エアロビ)。夫も研究者という文科系な職業ながら柔道歴25年黒帯二段。高校時代全国大会で二位(その時の一位はこないだのオリンピックスペイン代表のキヨシ•ウエマツ)になったこともある体育会系で、得意技はガチ一本背負い。ここ数年は副鼻腔炎にやられて体調崩してますが。

こんな家族の中で完全文化系でひ弱な私、、クリスマスなど家族の集い(という名の祭)があった日には真っ先にダウンします。だって60歳超えの親世代も午前様まで飲み語らっているんだから体力が追いつきません。

スペイン人は日本人より総じてお喋りだけれど、彼等はこれまたスペインの平均を少し上回っています(←少しだ、と夫は強調)。おじおば従兄弟まで、家族の集いで長テーブルに15~20数名集まるとそれはすごい。4、5人が一度に声を張り上げて会話してるのが常で、ボリュームがすごく、普通にぜんっぜん何言ってるか聞こえません。しかもスペインに人の話を最後まで聞くという習慣はほぼないと言ってもよく、大勢での会話はカットインが基本。日本の習慣そのままに相手が話し終わるのを待っていると永遠に声を発することもできません。

これが友人の集まりだと結構人数いても私も会話に入れるのですが、家族間は遠慮がない分、カットインの勢いと声のボリュームがすごいし、テーマも内輪すぎて食卓10人超えると私はもはやハニワ状態。友人間、日本ではおしゃべりな夫ですら、家族間では無口の部類。日本は飲み会で10人以上人が居る場合「遠くの席の人とあまり話せなかった」ということがよくありますが、ここでは長テーブルの端から端に叫んででも全員で「会話」するのでそれがない。

とはいえ、義家族は皆優しい人ばかり。私も10人以内の場合は最近カットインすることにもだんだん慣れて来ました、、基本おとなしい日本人を気取って(というか彼等にしてみれば大抵の日本人が大人しい部類に入ると思います)料理に醤油かけたくなったらバンバンかけてよく食べよく寝て気楽に過ごしております。

いつの日かネイティブのように15人、20人超えカットインができるようになりますように。そしてこの日西の異文化環境で子供がどう育つのか楽しみです。体力面では義家族に似て欲しいな。

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