「良い楽器」は2秒で決まる

noteを始めてもうすぐ1年になります。われながら記事の少なさにびっくりしてしまいました…実はnoteを始めたころはホームページをリニューアルして文章を書く時間が長かったせいか、もっといろいろな文章を書いてみたくなった時期で、このnote以外のプラットフォームでも文章を書いていました。

ブログもSNSも長くやっていますが、せっかく書くなら最近書いていなかったタイプの文章にしようと、2020年の夏にこの「note」を立ち上げ、さらに別の趣味的なブログを2つ開設しました。

SNS(FacebookTwitter告知やライブ報告などの速報的な内容
ブログ”spac”活動報告がメインですがもう少し具体的な内容
note(このページ)レポート的にいつ読んでも大丈夫と思われる内容
趣味のブログ1過去の食レポ
趣味のブログ2機材紹介のブログ

機材紹介のブログへのリンクはホームページにこっそり貼っているのですが、食レポに関しては身内以外には誰にもリンクを教えていなかったので、自分で読んで勝手に懐かしむための文章です。ここにだけリンクを貼っておきますのでご興味がありましたら…
(上のリストをクリック/タップするとそれぞれのページに行きます)

ただ書いてみるとそれなりにアウトプットできるもので、過去の食レポのブログを書くと「またその地域で演奏したい」というモチベーションにつながり、実際にその後演奏で訪れる機会にも恵まれました。

もう1つの機材のブログも専門的な知識はないものの、自分なりに調べながら書いていくので、「もし誰かにすすめるとしたらどの機材か」あるいは「今の自分に必要なものは何か」を知るのにとても役立ちました。実際に記事に書いた機材のいくつかはその後導入して、自分のYouTubeチャンネルなどでも使用しています。


さて、ここからが(ようやく)表題の内容です。「機材紹介のブログ」ではネットで買えるお店のページのリンクなどを貼っています。ただこれまで「楽器」のことについてはまったく紹介記事を書いていませんでした。配信やオンラインレッスンの機材のことで頭がいっぱいだったというのもありますが、どうしても「楽器」についてはネットで買うというのには抵抗があったのと、時期によっては「お店に行って」と言いづらい状況であっても、楽器だけはお店で直接見て欲しい、という気持ちがありました。

先日もオンラインレッスンの生徒さんから某サイトで売っているギターが安そうなので買った方がいいか、と聞かれました。こちらからは、やはりご近所のギターショップで実際に触ってみることをおすすめしました。その方は(その時点では)ご購入はされていませんが、出会いはきっと近いうちにやってくると思っています。

さて、私はガットギター(ナイロン弦)の指弾き専門で、ピック弾きの経験はほぼゼロです。エレキギターやアコースティックギター(スチール弦)は持っておらず、ちょっと弾かせてもらったくらいの経験しかありません。エフェクターやアンプを使う機会も限られています。「ギタリスト」と一言でいってもそれぞれの得意分野は本当に千差万別ですし、私の活動範囲にいたっては「フォルクローレ」「タンゴ」「フラメンコ」。クラシックギターやボサノバの心得もほとんどなく独学で表現できる範囲で演奏しています。ただでさえ人口の少ないガットギタリストの中でもかなりニッチというかマイノリティーだという自覚があります。

ただ、どのタイプのギター、いや楽器であっても、それぞれの演奏者にとっての”良い楽器”の基準は1つである、とはっきり言える自信があります。それは有名ブランドでも価格でもなく、弾きやすいかどうかでもなく、

楽器を手にした瞬間の肌感覚

これに尽きると思います。持った時に、ぴったり自分におさまって「あ…これ私の楽器かも」と思う瞬間があります。それはきっと、初めて乗った車でハンドルを握った時、乗ったことはないけど馬に乗った時の感覚に近いかもしれません。思えばお気に入りの文房具や食器などの道具も、初めて手にした時の感覚が良かったものをずっと使っています。

楽器を手にしてから

思った通りに弾きたいものが弾ける
まったく思い通りに弾けないけど、とにかく気持ちがあがった

一見 両極端のようですが、この状態になるまでには3秒、いや2秒もかからないかもしれません。いわゆる「一目惚れ」です。私が現在弾いている楽器はすべてそうして出会うことができました。

ひどい時には東京でギターの生徒さんの楽器を探して事前に楽器店巡りをしていた際、あるギターと出会ってしまい、その気持ちを抑えつつ生徒さんと待ち合わせて生徒さん用のギターを(別の店で)買ったのですが、その後近くの飲食店で購入お祝いの食事をしていたところ、どうしても衝動を抑えられず「(目当てのギターがある)楽器店がもうすぐ閉まる時間なのですみませんちょっと行ってきます」と中座して自分が買いに行ってしまい、新品のギターと一緒に戻ってそのまま生徒さんと飲み続けたという思い出もあります。

楽器を紹介したりする際、ある程度は自分で音や価格のバランスをみてある程度の「おすすめ」はします。でも最終的にはその方が気に入るかどうかが大事です。楽器の上達の秘訣は「弾きたくなる」気持ちが継続できるか、または繰り返しやってくるかどうかにあると思うので、またいつかそんな瞬間に立ち会えたらうれしいですね。

最近はなかなか楽器店に足を運んでいませんが、もし触れて「また出会ってしまったら」というこわさもあり、今は持っている楽器を存分に鳴らせることに意識を向けたいと思います。

(追記)
ちなみに「生徒さんのを探すはずが自分でも買ってしまったギター」はこの10年間で最も多く旅をともにしているギターの1つです。「2秒で決まった」ギターはおかげさまですべて長く(5年~22年ほど)愛用していて、これからも大事に使っていきたいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?