ピティナ「特級」セミファイナルをYouTubeで視聴した感想♪(前編)
(トップ画像提供:ピティナ)
こんにちは!
ピティナ2023特級公式レポーターの山本です。
昨日第一生命ホールにてピティナ特級のセミファイナルが開催され、ファイナリストの4名が決定しました。嘉屋 翔太さん、神原 雅治さん、鈴木 愛美さん、三井 柚乃さん、ファイナル進出おめでとうございます!
7名の方が熱演を繰り広げたセミファイナル、残念ながら私は会場での視聴が難しかったためYouTubeにて視聴させていただきました。今回はその様子を演奏順にレポートいたします♪
※皆さますばらしい演奏だったので思わず長くなってしまいました。そのため今回の前編では午前の部、後編で午後の部についてお伝えいたします。
1.山田 ありあ さん(東京音楽大学大学院1年)
トップバッターは山田さん。二次予選や三次予選で奏でられた情熱的な音色が記憶に新しいところですが、繊細な音色のベートーヴェンでセミファイナルをスタートさせました。演奏者のお顔がよく見えるのはYouTube視聴の醍醐味と言えますが、ここでは優しい表情にも心を掴まれました。
山田さんの演奏で初公開となる『内なる眼 -ピアノのための- Innervisions for Piano』では、打って変わって「鬼気迫る」といってもいいような迫力のある演奏。山田さんの情熱的な一面が垣間見え聴衆を魅了しました。厳かな曲調のデュティユーに続き、最後に演奏されたシマノフスキでは次々に変わる4曲それぞれの曲調を多彩に表現してくださいました。
2.小野田 有紗 さん(ニューイングランド音楽院)
小野田さんは邦人新曲課題のほかに大曲を二つというプログラム構成。『内なる眼 -ピアノのための- Innervisions for Piano』をはじめに演奏されました。小野田さんの演奏はなんとなく何かを探し求めているような内省的にも感じられるような表現。今回は一つの曲に対する演奏者それぞれの表現に触れられるのが面白いところだなと、あらためて感じました。
ベートーヴェンではどこまでもまっすぐ心に届く明るい調べを披露。事前のインタビューで思い入れがあるとおっしゃっていたショパンに関しては、まさに小野田さんの本領発揮とも言えます。ショパンの内に秘めた情熱が燃え上がる様子を表現したような演奏で、思わず感情移入して聴いてしまいました。
3.三井 柚乃 さん(昭和音楽大学4年)
明るく喜びにあふれたハイドンでスタートされ、続く『内なる眼 -ピアノのための- Innervisions for Piano』ではなんと暗譜での演奏。緊張感のある面持ちで曲に入り込んでいらっしゃいました。
(※ ピティナ特級では暗譜が基本ですが、邦人新曲課題については譜面を見てもいいことになっています。約2週間前に楽譜を渡されたばかりなので楽譜を見て弾かれている方が多かったですが、三井さんを含む数名は暗譜で弾かれました。)
また、私が三井さんのプログラムで気になっていたのが、二次で演奏したベートーベンの『遥かなる恋人に寄せて』が今回のシューマンの幻想曲に引用されているところ!幻想曲のなかで聴き覚えのある優しくあたたかなメロディーが聴こえてくると、なんだかホロッときてしまいした。二次予選の特色あるプログラムに続き、愛をかかげたこの曲がセミファイナルのプログラムのしめくくりとして演奏されたことに、大きな意味があるようにも感じられます。
三井さんはこの後ファイナルへ進み、梅田俊明さんの指揮で日本フィルハーモニー交響楽団とともに『ラフマニノフ/ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op.18』を演奏されることになっています。
後編では嘉屋 翔太 さん、鈴木 愛美 さん、小野寺 拓真 さん、神原 雅治 さんの演奏について紹介します。
(撮影:石田宗一郎)