靴下に穴があいている。
家に帰ってきて靴を脱ぐ。玄関に踏み入れた左足の床の感触がなにか違和感があって、なんだろうと足を見ると靴下に穴があいている。ぽっかりと。
靴下は穴があく。人はいずれ死ぬ。何事にも終わりがあり、靴下も俺も避けられぬ滅びの運命を生きているのでそれはそれで仕方ない。仕方ないけど、靴下の穴にも気付かないほどぼーっと生きているつもりはなかった。反省した。
しかし、その次の日も、次の次の日、次の次の次の日も、靴下には同じ場所に穴があいていて、何かがおかしい。ここまでくると、何らかの天変