世にもお粗末な恋愛弱者#02 愛情の定義

人によって愛情の伝え方が違うのもわかる。そもそも、愛情の定義が違うのもわかる。でも、お互いの認識のどこがどう違うかということを、付き合ったり結婚したりする前に話し合わないからややこしいことになるというのが、私はまだわかっていなかった。

なぜあらかじめ話し合いをしておかなかったのだろうか。愛情の定義も違うから、彼なりの愛情が私には愛情として伝わらない。愛情の定義が違うことがお互いわかっているはずなのに、いつの間にか同じだと思ってしまっていたのかもしれない。

彼は言う、「好きだから作ってくれたご飯が美味しいと感じるし、一緒にいてぐっすり眠れるしリラックスできる、それは好きだし信頼してるからだよ」と。でも、恋愛感情的に好きな相手じゃなくてもご飯は美味しく感じるし、一緒にいてぐっすり眠れる友人もいる。信頼していることと好きなことは同じじゃないけれど、それが彼にはつたわらない。私が偏屈なんだろうか。何人か思い当たる男友達は、信頼できるしぐっすり眠れるしご飯だって作ってくれたら美味しく食べられると思うけど、恋愛的に好きじゃない。こう思うと、彼が言う「好き」はもはや恋愛的な気持ちではなくて、友人でも通じる好きなのかと、ふと疑問に思う。元々は友達だったのだから。

そう思うと、前付き合っていた人とは、友達の期間が短かった。別れてからようやく、友達として付き合い始めた感じだ。今の人はもっと友達の期間が長い。まだ、友達でいた時間のほうが恋人でいる時間よりもずっと長い。

結局また、こうして彼に何かをはぐらかされているような気がしている。



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