【選挙ウォッチャー】 箱根町議選2021・分析レポート。
9月7日告示、9月12日投開票で、神奈川県の箱根町議選が行われ、定数14に対し、15人が立候補する選挙となりました。1人しか落選しないので、町内にそこそこ地盤があれば確実に当選するような状況です。それぞれに公約を掲げて立候補していますが、こうなってしまうと、公約よりも人間関係の方が大きく票に影響するのかもしれません。わざわざ見に行くほどの選挙ではなかったのかもしれませんが、新型コロナウイルスの影響で、関東随一の観光地がどのようになっているのかを見ておきたい気持ちではありました。
幸いなことに、新型コロナウイルスの第5波は減衰傾向にあり、我々が想定した「最悪シナリオ」は免れることができた模様です。今は東京に遅れて大阪が大変なことになっていますが、大阪が大変なことになってしまうのは東京と同じで、「知事が無能だから」の一言です。お隣の和歌山の爪の垢でも煎じて飲ませてもらえばいいと思います。少なくともイソジンよりは賢くなれることでしょう。もしかすると、次に流行する第6波は、ワクチンやモノクローナル抗体カクテルがほぼ効かない「ミュー株」かもしれないのに、日本では「ワクチンパスポートで安心・安全」という方向に舵を切ろうとしています。イギリスやイスラエルで既に失敗しているのに、その劣化コピーをしようという日本。やっぱり議員も官僚もバカばっかりなのでしょう。
■ 箱根は若い人しか歩いていない
新宿から小田急ロマンスカーで70分。箱根は関東地方を代表する人気の観光地です。しかし、新型コロナウイルスの影響で旅行に出かける人はすっかりいなくなり、箱根湯本駅はすっかり閑古鳥が鳴いていました。それもそのはず、こんな時に旅行に行く人はいません。下手に遊びに行って感染するのも怖いですし、東京から遊びに行って感染させたと言われるのも怖い。こんな時に旅行に出かける奴は、夏フェスに出かけてウェイウェイ言っている奴と変わらない扱いをされてしまいそうで、わざわざ旅行に出かける人はそんなに多くないのです。そのため、土産屋や蕎麦屋といった観光客を相手にしているお店は半分くらいが閉店。家賃や人件費などを考えると赤字になっているところがほとんどではないかという有り様でした。この悲惨な状況を見れば、「GoToトラベル」を一刻も早く再開してほしいという気持ちはわかるし、「ワクチンパスポート」みたいな発想が出てくることも、わからなくもありません。このままコロナ禍が長引けば、観光地がどんどん疲弊していってしまうからです。今、箱根の街を歩いているのは、ほぼ20代と30代のカップルです。ブレイクスルー感染がよく知られているので、高齢者層はまったく歩いておらず、おそらくこの傾向は「ワクチンパスポート」を展開したところで、さほど変わらないのではないかと思い始めました。高齢者層ほど緊急事態宣言を律儀に守っているだけで、緊急事態宣言が明ければ出てくる可能性もあるのですが、高齢者層が再び箱根を旅行してくれるようになるには、もしかしたら時間を要するかもしれません。そうすると、これからしばらく旅行に出かける人は若者に限られ、若者はあんまりお金を持っていないので、観光業はお金を持っていない若者の観光客の取り合いのような感じになっていく可能性があります。
僕もだんだんオッサンになってきて、「かまぼこ」や「ひもの」の美味しさを噛み締めるようになりましたが、若い頃は「かまぼこ」にも「ひもの」にも、さほど興味がありませんでした。だから、お土産屋さんにも大胆なイノベーションが求められるし、コロナが明けたら昔のような活気を取り戻せるかどうかはわかりません。観光地がどう生き延びるのかということは、それこそみんなで考えなければならない問題かもしれないのです。ゆえに、今回の箱根町議選は非常に重要な選挙だったと思うし、国の政策にどこまで期待できるのかは不透明です。座して死を待つようなことにならないように、コロナ期間中にできるアイディアが必要になると思います。
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