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【災害情報】 令和6年・台風10号最新まとめ。


 気象庁は、非常に強い台風10号が、28日から29日にかけ、九州に上陸し、九州南部では記録的な大雨になり、大雨特別警報を発表する可能性があると発表しました。
 これから台風の接近に伴い、雨や風が強くなり、避難することも難しくなるかもしれません。早めの行動を心掛けてください。
 また、台風の速度が非常に遅く、九州に長くとどまる可能性があり、九州の北部も含め、甚大な被害を及ぼす可能性があります。各自治体は、今から避難所の準備などを進め、災害が最小限に留まるように最善を尽くす必要があります。
 今回の台風10号は、歴史的な台風となる可能性があり、将来の検証のためにもリアルタイムで情報を更新します。


■ 政府が「特定災害対策本部」を設置

 政府は、28日午前8時に「特別災害対策本部」を設置しました。
 台風が上陸する前に「特定災害対策本部」が設置されるのは、2022年の台風14号以来。鹿児島県と宮崎県は全県で災害救助法を適用すると発表しました。各自治体が避難所を設置する際の経費が支給されることになります。


■ 四国・九州のダムでは事前放流済

 国土交通省は、今月24日に三重県内の2つのダムを事前放流。28日午後2時までに、四国・九州地方を中心に14県の72のダムで事前放流を行ったと発表しています。


■ 3人死亡、1人が行方不明

 愛知県の蒲郡市で起きた土砂崩れで、30代から70代の男女3名の死亡が確認され、これも台風10号の死者として数えられることになりました。
 さらに、鹿児島市の鹿児島港で、28日夜、船から60代男性が落ちたとの通報があり、1人が行方不明になっています。
 ケガをした人は、宮崎県で35人、鹿児島県で24人など、九州全体では81人にのぼることが明らかになりました。


■ 【8/29 10:00】九州で25万5730戸が停電

 九州電力によると、九州の停電地域は拡大し、午前10時の時点で、九州7県で25万5730戸が停電しています。鹿児島県では、大隅地方や薩摩地方を中心に約21万2980戸、宮崎県で約1万7150戸、長崎県で約1万2370戸、熊本県で約8430戸、大分県で2550戸、福岡県で約1470戸、佐賀県で約420戸となっています。
 午前2時頃の時点では、鹿児島県や宮崎県など、7県で合わせて6万7000戸以上が停電していると発表していました。
 午後6時時点では、九州7県で20万3000戸あまりが停電しているということで、少し改善されました。


■ 【8/29 09:05】 湯布院町の宮川などが氾濫

 大分県由布市で、宮川が氾濫したため、湯布院町の宮川周辺の石武、乙丸3、東石松3、光永、荒木の1156世帯 2311人に緊急安全確保が発令されました。
 宮崎市では、高岡町の瓜田川で午前9時20分頃から川の水が堤防を越えたということで氾濫が起こりました。
 大分県の国東市では、市内を流れる安岐川が安岐町瀬戸田地区で氾濫しました。国東市では29日午後2時15分、安岐町全域のあわせて3909世帯、8518人に「緊急安全確保」を出しました。


■ 【8/29 10:30】 鹿児島県は危機を脱する

 台風10号は、午後8時頃に薩摩川内市付近に上陸しました。
 自転車くらいの速度で北上していましたが、中心の気圧は935hPaから965hPaまで落ち、午前10時半には、鹿児島県に発令されていた特別警報を、通常の警報に切り替えました。警報に切り替わっても、引き続き警戒が必要です。
 台風の勢力は「非常に強い」から「強い」に変わりました。
 台風の進路は、30日未明に福岡県に最接近するものとみられます。台風が過ぎ去った鹿児島では、30日から通常営業をするところが多いです。
 しかし、九州では以前として線状降水帯が発生する可能性が高いとして警戒が続いています。


■ 【8/29 18:00】徳島県と香川県で線状降水帯

 香川県と徳島県にかけて、線状降水帯が発表されています。
 香川県の引田では、1時間に103.5ミリの観測史上最高の大雨が観測れました。


■ 【8/29 20:30】 南あわじ市付近で線状降水帯

 兵庫県南部で線状降水帯が発生し、災害の危険が高まっています。
 南あわじ市付近では1時間に110ミリの雨を観測しています。南あわじ市、洲本市に土砂災害警戒情報が発表されたため、災害警戒本部が設置されました。兵庫県で線状降水帯が認められるのは初めてだということです。


■ 【8/30 07:00】 神奈川県二宮町の葛川が氾濫

 二宮町は、大雨により葛川が氾濫しているため、町内全域に緊急安全確保を出しました。
 埼玉県川越市では、川越江川が氾濫する恐れがあるとして、午前3時過ぎに寺尾地区の合わせて4777世帯1万0577人に緊急安全確保を出しました。


■ 関東や東海圏でも氾濫の危機があった

 東京都武蔵村山市の新薬師橋付近で、既に氾濫が発生したか、切迫している状態の「警戒レベル5」相当の情報が発表されました。水位は下がりつつあるということですが、安全確保が必要です。
 静岡市清水区の和田川では、29日に氾濫した可能性があるとして周辺準民に緊急安全確保を一時発表しました。SNSでも話題になっています。東名高速道路は静岡IC-焼津IC間で通行止めとなりました。
 静岡県には9月1日から2日にかけて台風が最接近する可能性があり、引き続き、大雨に警戒が必要です。
 三重県の松坂市では、中心部を流れる百々川が氾濫しました。


■ 29日に高知・愛媛・徳島で線状降水帯

 気象庁は、高知県、愛媛県、徳島県で線状降水帯が発生する恐れがあると発表しました。
 台風の動きが遅く、四国では長期間にわたって雨が降り、31日までの72時間の予想積算雨量が、多いところで800ミリを超える記録的な大雨となる恐れがあります。
 また、四国の多いところでは、総雨量が2000ミリに達する可能性があると予想されています。甚大な被害が出る可能性がありますので、早め早めの避難を心掛ける必要があります。
 九州の広い範囲で停電になる可能性も指摘されています。台風の影響が長引いて復旧に時間がかかることも考えて、しばらく停電になっても生きていけるような準備が必要です。
 九州新幹線は、29日の始発から本数を減らして運転し、午前8時頃には運休することになりました。JR九州のすべての特急列車が始発から運休するとしています。福岡の百貨店などが臨時休業をします。
 29日午後4時過ぎから、東京-新大阪間の全線で運転を見合わせることになった東海道新幹線は、静岡県で雨の規制値を下回る見込みがないことから、終日運休になりました。
 30日は、東海道新幹線が三島-名古屋間で終日運転を取りやめ、東京-三島間、名古屋-新大阪間は、臨時の「こだま」だけが運転をすることになりました。(※その後、東京-名古屋間で終日運転を取りやめることになりました。)
 新東名高速道路は、伊勢原大山IC-新秦野間を通行止めにするとしています。今後も台風次第では通行止めになる可能性があり、移動はなるべく控えた方がよさそうです。
 物流も止まります。ヤマト運輸は、沖縄県と神奈川県の奄美地方を除く九州全域、高知県の一部で営業所を休業し、集荷や配送を中止。佐川急便も吸収全域で集荷や配送を中止し、今後、四国・中国・近畿地方でも停止の可能性があるとしています。
 日本郵便は、沖縄県を除く九州の全域と、徳島県、愛媛県、高知県、山口県のすべての郵便局で、窓口業務や配達などをすべて休止しました。
 セブンイレブンは計900店舗を臨時休業としましたが、人や建物への被害はないということです。


■ 広範囲に大雨が降る台風10号

 今回の台風10号は、非常に広範囲に大雨が降り、台風から遠く離れているはずの三重県や静岡県などに大雨をもたらしています。河川が氾濫している地域もあり、遠くにいるからと言って、安心できません。
 今回から「遠隔豪雨」という言葉が一般化する可能性があります。
 東海4県でも線状降水帯の発生の可能性があるとして注意を呼び掛けています。三重県津市では6時間の雨量が8月観測史上1位を更新しました。
 特に、静岡県では29日夜から30日の午前中にかけて線状降水帯が発生する可能性があり、注意を呼び掛けています。
 ただ、上陸したばかりの頃は935hPaだった台風10号ですが、急速に勢力を弱めており、このままだと9月2日頃に関東や東海地方に接近する頃には熱帯低気圧になっている可能性が出てきました。突然、勢力が弱まったのは、屋久島にぶつかって台風の目が潰されてしまったことが原因ではないかと考えられています。台風は目を潰された瞬間に勢力が著しく弱まることがわかっています。
 北陸地方などでは、台風が上陸する前にコメを収穫しようと、コンバインが出払っていて使えないので、手作業で収穫を進めています。台無しにならないように頑張っています。


■ Twitterにインプレゾンビが大量発生する

 今回の「台風10号」から、我々の情報収集が難しくなりました。
 現在は「X」という名前ですが、旧Twitterにインプレッションを稼ぐために、精度の低い台風情報を流すインプレゾンビが大量発生し、正確な情報収集が難しくなる現象が起こっています。
 これまで川が氾濫した時などにSOSのツールとして使われ、それを見た人が通報するなどして、多くの命が救われてきました。また、災害のボランティアが集まったり、救援物資が届いたり、SNSをうまく活用することで人々の不安や心配を取り除くことができました。
 ところが、今回の「台風10号」からインプレゾンビが大量発生し、発信されている情報の7~8割がインプレゾンビだという酷い状態が確認されました。まったく別の台風の動画を流したりして、人々の不安やデマを煽るアカウントが大量発生したのです。
 これまでもデマをこいてしまうアカウントがなかったわけではありませんが、「台風10号」で検索すると、ほとんどがデマ情報だったり、コンピューターウイルスに感染させることを狙ったものであるということはありませんでした。見られれば見られるほど収益が得られるせいで、大量のインプレゾンビが発生し、「台風10号」「線状降水帯」で検索することができなくなりました。もはや我々にはどうすることもできませんが、X社にはしっかり管理してもらわなければ、情報が錯綜し、正しい情報が伝わらなくなってしまうのではないでしょうか。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

 災害が広がるようであれば、どんどん更新していかなければならないと思いましたが、屋久島に台風の目を潰された結果、当初は伊勢湾台風クラスの甚大な被害が出るのではないかと考えられていましたが、幸いにも、さほど大きな被害は出なかったと言えるのではないかと思います。
 今も線状降水帯の危機から脱したわけではなく、新たに被害が出る可能性はありますが、一時は歴史的な災害になる可能性が考えられただけに、そこまでの被害にはならなそうだということで、あとは雨雲の様子を見守るだけになりました。
 よって、場合によっては3日ぐらい連続でお届けすることも覚悟していましたが、1日だけのまとめで済むことになり、人的被害も数百人レベルの死者が出なくてよかったと思います。
 最後に書いておかなければならないことは、台風の被害は、家や田畑が水没するなどして大きな被害が出ても、道路などのインフラは基本的に残るので、地震ほど大きな災害にはならないということです。一方で、地震の場合には建物や道路が大きく損傷し、台風とは比べ物にならないほど復旧には時間とお金がかかります。台風を成功体験にしてしまうと、地震の時に何もできなくなってしまうので、「災害対策」として「台風」「地震」を同じものとしては考えないことが大切です。台風は台風で対策が必要ですが、改めて、能登半島地震の復興の遅さというものを肌で感じ、台風でかけなければならなかったはずのお金を能登半島に振り分けることができると考え、奥能登の復興にますます全力を尽くすような国家であってほしいと心から願ってレポートを終わりにします。


※ 以上で更新を終わります。


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