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【てんや】小天丼450円で手に入る小さな幸せ

私はてんやが好きだ。
天ぷらとお米に甘いタレをかけて食べる天丼が、たまらなく好きだ。
揚げたてサクサクを食べられる、てんやが大好きだ。

今日はこっそり一人で外食した。
何を食べよう。
ペダルをこぎならが、すでに頭の中には天丼が浮かんでいた。

お昼時、ソーシャルディスタンスで席は少なめ。
店内は満席で私の前に一人待っている。
すぐに呼ばれた。
運良くカウンター席となった。

てんやは、店舗によって味や盛り付けが全然違う。
はじめに言っておくが、今日の天丼は最高ランクだった。

天丼も食べられるが、腹パンになるので
いつも小天丼(米の量だけ減り天丼の50円引き、450円)を注文する。

5分くらいで目の前に現れた小天丼。
エビがセンターでピーンと立っており、
脇を支えるその他の具材たちは、見事にピラミッド型になっている。
美しい…見た目は完璧。

味噌汁で、はやる気持ちを落ち着かせつつ、箸を濡らす。準備はOK。

まずはいつものキスから…
ん、なんだこのホワホワ!歯がいらない!
急いでメニューを見る。
なんと、キスではなく赤魚ではないか!
うますぎる、赤魚。最高にうまい。
鯛かと勘違いするくらい、白身に旨味があって、ふわふわと口の中で溶けていく。
2口食べて後半の楽しみにまわすことにした。

ちなみにこの時点で、米の硬さやタレのかけ具合も完璧なことに気づく。
やってくれるな、大将!
カウンターから厨房をチラ見。
大将と目が合い、慌てて丼へ視線を戻す。

次はインゲン。
長さが半分(実質1本)になったようだか
相変わらずうまい。

その後は、カボチャ、イカ、インゲン、味噌汁、カボチャ、イカ、味噌汁、赤魚と食し、ローテーションを組む。

書き忘れたが、ここまでで卓上お新香サービスを3回おかわりしている。これも季節ごとに変わるようで、今回はきゅうりのキューちゃんをピンク色に染めたようなお新香だった。
天ぷらの脂をさっぱり流してくれるため、なくてはならない存在。影の立役者だ。

ゴールが近づくと、タレがかかっていないご飯が現れる。これこれ!どうしても一回は自分でタレをかけたいので、この余白は絶対にあって欲しい。

そして最後は、そう、主役のアイツ。
海老。

噛んだ瞬間、鼻から全身に磯の風が吹き荒れる。
臭みが全くない。
エビがエビとして、エビであるために。
白い身から、まるで
ちわーっす、おまたせ〜!
と言わんばかりに、堂々と、
トリを飾るに相応しい形相で
私の口の中を満たしていく。

感動した。

今回のてんやは、非の打ち所がない。
スタッフの接客も完璧。
仲間の絆が厨房いっぱいに広がってみえた。

これで450円?
1000円くらい払いたい。
そう思うくらいに私は、
このてんやに、この小天丼に陶酔していた。

店を出て、振り向く。
ありがとう、てんや。

活力が湧き、明日に向かってペダルを力一杯こぎ出した。

※写真は小天丼ではなく天丼
てんや公式サイトより引用


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