藤井風さんのTwitter削除に思う 【vol.2】

(vol.1からの続きです)

【アーティストはどうしたいか】
では、自分が著名人だったらどうでしょうか。
ファンに握手やサインを求められたら、
嫌な気持ちはしないと思います。

しかし、全てのファンに平等にできないと思うと難しいところですよね。

「自分の曲を聴いてくれている人はどんな感想を持ってくれているのか 」
「 もしかしたらファンの方との交流を通して新しい気づきがあるかもしれない」
そんな風に思うこともあるかもしれません。

でも、有名になればなるほど、気軽にファンの方と交流することは難しくなってくると思います。
実際、中には本当におかしな人もいるかもしれません。
怖い思いをすることもあるでしょう。

それでは、有名になってしまったら、ファンに直接会ったり、自分の曲の感想を聞いたりはできないのでしょうか。

【だからライブがある】
ライブとは、好きなアーティストのパフォーマンスを体験するところ。
もちろん、音楽を聴きに行くのが目的ですよね。
そのほかには?

そうです。
私たちがファンとして、公然とアーティストに「会える 」場所ということもあります。

でも、それだけですか?

立場を変えて考えてみると、アーティストの方も「 自分のことが大好きなファンに会える」場所であるとも言えるのではないでしょうか。

直接、会って、お互いの反応を見ることができる場所。

自分が笑うと、客席のみんなも笑い
自分が手拍子すると、客席のみんなも真似をする。
コール&レスポンスがおこる。

ああ、自分を支えてくれる人がこんなにたくさんいるんだなぁと、胸が熱くなることでしょう。
そして自分の音楽が、その人たちの生活を豊かに彩り、満たしていることを肌で感じることができるはずです。

収益のためだけにライブを行う訳ではないことがわかりますよね。

【人は人の反応を愛する】
私たちの日常生活の中で、話をしている相手に「 気のない返事」をされることがありますよね。
一生懸命話しかけているのに、スマホを触りながらの空返事。
相手に大切にされていないようで、なんだか寂しくなってしまうと思います。

逆に、自分の話を、ニコニコして身を乗り出しながら「 それで?それで?」って聞いてくれたら?
楽しくてちょっと良い気分になりますよね。

世界には音楽が溢れています。
印象に残らず、ただすれ違うだけの音楽と
心の襞に触れ、自分の記憶の中にとどめておきたいと思う曲との違いはなんでしょうか。

そう、自分の中の何かが、たくさんの音の中からそれを選び出しているのです。

CDを購入する
サブスクでダウンロードする
YouTubeで再生する
ライブに行く
アーティストを好きになりグッズを買う

全てが好きな音楽に対する「 反応」なのです。
そしてその反応は、再生回数として、音楽メディアの売上として、ライブチケットやグッズの売れ行きとして、必ず、製作者に伝わります。

そうです。
心で思っていることや行動は必ず、相手に伝わるのです。

藤井風さんの音楽を愛し、大切に思うことは、もしかしたら直接お目にかかってお話ししたりすること以上に大切なことなのかもしれません。

【宗教と信仰】
最後に、宗教と信仰のお話を。

宗教はとても敬虔なものであり、
分析したり解説するには相当の研鑽が必要だと思います。

ただひとつ、私が思うことは
宗教というものは外側に広がりを持つもので
信仰というものは自分の内側に向き合うもの
ではないかということです。

藤井風さんがどんなふうにご自分の内側に向き合うか、それは風さんご自身が決めること。

そして、音楽の中にアーティストの思想信念が反映されるのは当然のこと。
聞き手はその中からメッセージを受け取り、自分にとって大切だと思うことを選び取ってゆくのだと思います。

あたりまえのことですが、私たちは、自分で自分の道を生きています。

生きていれば誰かの思想信念に影響を受けることもあるでしょう。
しかしそれが自分の人生に取って代わることはないのです。
周りがどんなふうに揺れようと、何も心配することはないと思います。

だって私たちは、自分の人生の方向は自分で決めることができるし、
素晴らしい音楽をいつでも聴くことができるという幸せを、たっぷりと持っているのですから。

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