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英詞で読み解く藤井風の世界 VOL.3

本日、4月17日は藤井風さんの"優しさ"のシングルリリース日と言うことで、私のInstagramでシリーズ化している「 英詞で読み解く藤井風の世界」に加筆し、noteでもシェアさせていただこうと思います。

【英詞で読み解く藤井風の世界】
第三回目は「 優しさ」です。
この曲の英語のタイトルは
"Kindness"となっています。

風さんはこの曲の歌詞についてこう語っています。

「今何を見ていた」
「あなたの夢を見た」
「あの人の木陰で」
このサビの歌詞は、メロディとほぼ同時に出てきました。ƪ(˘⌣˘)ʃ

※スペースシャワーTV・優しさ / 藤井 風インタビューより※
・・・・・・・・・・・・・・・・・
なるほど。
これが、「 降りてきた」ってやつですね。

先に出てきたこの言葉とメロディをもとに曲を作り、出来上がった後、英語訳をつけるうちに、さらに曲の輪郭がハッキリしてくる・・・
そんな仮説をもとに考えてみました。

【ここがすごい!Kazenglish】
①温もりに 触れたとき わたしは冷たくて
②優しさに 触れたとき わたしは小さくて

この歌詞の英訳はそれぞれ
①I am cold when I touch the warmth
②I am small when I touch the kindness
となっています。

この分はwhenが後ろから「 〜の時に」と言う条件をつけているので、そこで文を二つに分けて考えるとわかりやすいと思います。

  I am cold (私は冷たい)
   ↓ when (どんな時?)
the warmth (暖かさ)にtouch (触れる時)

例えば・・・冷房の効いた部屋から急に外に出ると、思いのほか自分の体が冷えていることに気づくことがありませんか?

これは、人の心の温もりを感じることで、自分の心の冷たさに初めて気づくという、非常にうまい表現であると思います。

そして、次の文ですが、
I am small(私は小さい)
   ↓ when (どんな時?)
the kindness(優しさ)にtouch (触れる時)

優しさに触れて、自分の小ささに気づく様子を、冷えた体が暖かさを感じる力と対比させて表現しているのです。

うーん!素晴らしいですね!

そして、
aとtheの「違いが分かる」皆さまなら、ここが、
a kindness ではなくて
the kindness なのは、
なぜか?ということが、
もうお分かりですね!

(「 ?」と思われた方はChicoのYouTube「 Kazenglishで英文法を学ぼうVOL.1」をご覧くださいませ。)

【あの人って誰なの?】
「 優しさにやられたあの人の木陰で」

このフレーズの中の「あの人の木陰」は、
英語では
"in his tree"
となっています。
ここの部分は、以前私の"Chicoラジオ"でも深掘りしたことがありますが、その後でさらに気づいたことがあるので掘り下げてみます。

「 あの人」の代名詞はhe?

そう、前回の「 もうええわ」の解説にも書きましたが、英語では神様の代名詞は"He"なんです。

しかし、ここではhisは大文字ではないですよね。

Hisがもし大文字だったら「一般的な神様 」という意味になるのですが、ここでは小文字になっています。

実は、(キリストのような)唯一神ではない神様の代名詞の表記は、"he"と小文字なのです。

この場合のhis tree は一般的な「 唯一神」の木ではなく、風さんに優しさをくれた先輩方(男性も女性もいらしたと思います)の一人一人の心の中にいる、それぞれの神さま、ということではないだろうか?
その代名詞だからこそ、
小文字のheになっているのではないか?と思ったのです。

風さんにとって、自分の歌詞を英語に訳す作業というのは、
自分に降りてきた音と言葉に、真摯に立ち向かってより深く掘り下げる作業なのでは・・・という仮説が、
あながち深読みではない気がしてきました。

自分の中にある音楽の原石を取り出して磨く。
それはとてつもなく大変で
そして、とてつもなく面白い、そんな作業ではないかと思ってしまうのです。

【Kazenglishのここが魅力的】
Flowering season is coming back.
「 花の咲く季節」を
flowering seasonとしたのが素敵ですね。
これは春のことでしょうか。
凍えた心が愛に溶けて冬が終われば
花の咲く季節が戻ってくる。

そう、いま、この季節のように。

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