ラストディフェンダー・続章クリア100人(推定)突破記念記事1

【フリゲを作るきっかけ】

日々の仕事に追われ、趣味はゲームと映画と小説に漫画とインドアまみれ、それ以外の趣味は精々カメラ程度で週末の一人飲みが唯一の癒し……何かが足りない、でもその何かは分からない。まあ、それが分からないまま死ぬのも悪くないかな、という日々を送っていたのですが、そんなときにRPGツクールが未だにリリースされているという噂を聞きました。
どうやら体験版があるらしく早速RPGツクールMVをインストールしてみる。

こういったら何ですが、Unity(本に載ってるピンボールもどきすら作れず挫折した)とかに比べると凄いショボかったので、これなら俺でも作れそうだな! と思い、ひと月なら製品版と遜色ない機能を自由に使えるとのことなので、じゃあ一カ月で何か小規模なゲームを作ってみようかな~、何作ろうかな~と思いながら製作を開始。仕組みはすんなり理解できたのでこの辺りのハードルの低さはツクールは誇っていいと思う。このときに作ったのが拙作、北国狩人物語です。
で、完成したのでせっかくだからどっかにアップしようかな~と思ったらRPGアツマールなるサイトがあることを知り、公開に至りました。

……正直、この時点でフリゲを作るきっかけという話題は終わりなんですが、せっかくなのでもう少し北国狩人物語について振り返ってみたいと思います。
当時ローグライクのゲーム(Crypt of NecroDancerとかFTL:Faster than LightとかFlame in the Floodとか、最近だとSlay the Spireとか)をsteamで漁るのが好きだったので、作るならローグライクの要素があるRPGが良いな~と思いつつ、モンハンとかも好きなので『狩りで獲物を狩りながら妹の薬代を稼ぐシチュエーションのRPG』を作ろうと漠然と考えていました。やっぱり自分が面白いと思ったものと似たものを作りたくなるのが人の性ですから。
シチュエーションを限定したRPGなら一カ月で完成させられそうだし、妹を助けるのもプリミティブな感情だから説明も要らないし作るのが楽そう、という理由もありました。

それで、後はどういうゲーム構成にしようかなー、と思いつつ今までにプレイして面白いと思ったゲームを研究して、とりあえずゲームのサイクルというかルーチンさえ確立していればゲームは成立するんだなと気づき、【狩りで稼ぐ。最初は困難】→【プレイヤーの成長】→【狩りで稼ぐ。徐々に楽になる】→【薬代が高騰】→【次の狩り場へ行く】→【以下ループ】のサイクルで構成することにしました。じゃあ、このサイクルで数時間ゲームを持たせるためには狩り場が3つくらい必要かな、みたいな感じで要素を考えていきました。

後はダンジョン探索RPGのリソース管理要素も好きなので、狩りっぽいイメージに合う要素(探索力、矢、傷薬、獲物とのエンゲージ)と先程のサイクルと合わせれば自ずから面白くなりそうだな、とゲームデザインを確定。狩り場の仕様は結構試行錯誤して二転三転したが、このゲームデザインの根幹部分は一切変えていないです。
という感じで体験版終了の一カ月が近づき完成したのであるが……完成したゲームが非常に味気ない!
一応通して遊べるし、限られた数の矢で地の利を得る獲物とのバトルは面白いと云えば面白いのだが、とにかく味気ない。今思えばそれもそのはずで、足りない物は直ぐに分かりました。その時点ではシナリオが存在しなかったのです……(当時、エンディングと呼べるものはなく、狩り場を3つまで攻略したらそれ以降の展望は存在せず、妹が死ぬのを延々と待つだけの虚無のゲームだった)シナリオが無いということはドラマも無く、キャラクター性もないため妹への思い入れも特に湧かない状態。
まあ体験版でひと月で何か完成させるという目標は達成したので良いかな!……とは全く思えず、結局製品版を購入してシナリオを考え始めるのだった。

そもそもシナリオなんて完全に素人なのでどうやって話を作ればいいのか全く分からなかった。分からないなりに、とりあえず時代劇漫画とかハードボイルドな無常観のある展開のものを好んでいたので、それらの要素を漠然と取り入れようと思い立ち、じゃあシナリオでそれを表現してゲームを盛り上げるためにはどうすればいいかなーと思い、以下の要素をシナリオとキャラクターに盛り込むことにしました。

①妹の性格を明るくする
②主人公たち兄妹に味方は用意しない
③主人公に仲間を用意
④ボスが欲しい
⑤妹は死ぬ。最後は主人公が旅立つ
⑥ギャルゲーっぽくしたい(一部要素を残して没)
⑦本筋以外の回想でバックボーンを補う

①について、ソーニャは最初かなり暗い感じのキャラだったんですが、あんまり助けたくない感じになってしまったので明るく楽観的な性格にしました。天は自ら助くる者を助くというわけではないですが、やはり助けたくなるのは辛くても健気に明るさを失わない人だと思いますので。明るいキャラが死ぬのはグっと来るものがありますし。
というかルスランが喋らないので妹を明るい性格にしないと際限なく暗いゲームになってしまう……。

②については『狩りで獲物を狩りながら妹の薬代を稼ぐシチュエーション』の時点で結構ハードボイルドなので、それを押し固めるための設定ですね。心を許せるのは兄と妹お互いのみ。周りは全員敵の糞田舎ムラ社会!
ちなみにアツマールのコメントを見る限り、村長と付き人については随分ヘイトを集めさせてしまいました。付き人はともかく、村長は特に悪人ではないんですがね。劣悪な住環境で村を維持する為に必要なことを自分なりに精一杯やってるだけで。

③は②と相反するんですが、主人公一人だけではバトル的にもシナリオ的にも広がりがないため、村の外の人物(ワシリー)、
或いは動物なら味方を作ってもセーフとしました。というかFallout3とか好きなので犬型の仲間を入れたかった……。
チェルノ関連は動物バトル漫画の金字塔である『銀牙 -流れ星 銀-』は何となく参考にしました。(チェルノの必殺技とか)
チェルノは終始喋ることは出来ないキャラですが、ルスランとの距離感やソーニャとのやり取りは結構気に入っています。

④は狩り場を盛り上げる為に必要だと判断しました。ボスとはただの強敵ではなく、シナリオが付随する豪華な敵のことです。
それまでは【ゾロクラーヴァ】はおろか、【白影】も【霧喰らい】も【銀坊主】も居ませんでした。(こいつらを入れるまでは猪、熊、蟹がそれぞれの狩り場の最強の敵だった)
ボスのメタ的な役割としては『妹の診療を妨害すること』としました。白影は狩らないと最初の診療代も覚束ないし、霧喰らいはシンプルにキャラバンの到着を妨害、銀坊主に至ってはルスランを氷河の中に閉じ込めて帰宅を妨害します。
また、こいつらは喋らない為にルスランと因縁を持たせる為に決着をつける前に一回は対峙する形にしています。銀坊主については強制敗北みたいな形だったので、少々強引だったかなと反省しています……でもサプライズ閉じ込めシチュエーションは気に入ってます。

⑤ここは最初から妹が助かる展開は考えていなかったです。バッドエンドもグッドエンドも妹は死にますがその意味合いは180度違うものにしたかった。少年に襲い掛かる過酷な宿命、宿命の達成、そして新たなる旅立ち……といったモチーフのお話をやりたかったので。それはラストディフェンダーでも変わってませんが。
ただ、バッドエンドの要素はプレイヤーの時間が無駄になってしまうので最後まで切るかどうか迷ったんですが結局はバッドエンド時のサポート機能を入れて緩和することでヨシとしました。やっぱりバッドエンドあった方がグッドエンドも映えるかなと思いましたので。ただ、この辺りは割と引きずってて、ラストディフェンダーを完全一本道にした理由でもあります。代わりにあっちでは長丁場でのゲームオーバーが辛いという新たな問題が発生してしまいましたが……。

⑥については、可愛い萌えキャラとか好きでギャルゲー要素を入れたかったので、設定上は村長の娘とか隣の家の娘とか考えていたんですが、結局は②との兼ね合いで削りました。また、このときに下手にキャラを増やすとシナリオもプレイ時間も増えて管理しづらいことに気づいた。まあ、そもそも最終的には⑤が待ち構えているので悲恋確定ですしね。ギャルゲー要素は完全に設計が合わなかったけど、妹へのプレゼント要素だけは残してボトルメール使った演出を思いついたので結果的には良かったかなと。

⑦はシナリオの肥大化を抑える為に盛り込んだ考え方ですね。このゲームのシナリオだとバックボーンの家族ドラマが結構重要だったりするんですが、それを本編中にやると必然性を持たせたうえで設計しないといけないため、本編で説明するのはやめてルスランの夢の中で特典付きのサブシナリオとして用意しました。要は家族ドラマをやりたいけど、それはメインシナリオの進行で行うと進行が滞るので、メインとは独立した別軸でやりたかった。
この辺りのキャラクター間の関わりを回想で行う追憶システムは便利なのでラストディフェンダーでも使ってしまっていますが、そろそろワンパターンなので止めたい。(あっちはあっちで、ついさっきまで生きてた故人を偲ぶ要素が主題なので全く同じものではないのですが)

……とまあ、フリゲを作るきっかけの話から随分脱線してしまいましたが、とりあえずこんな形で不定期で何か書いていけたらなと思います。いつまで続くか分かりませんが、よかったら今後ともお付き合いください

※おまけ:北国狩人物語 豆情報
・キャラクターは名はロシア語から取ってきている。過酷な境遇=寒冷地=ロシアか北海道→この二択ならロシアかな、という形。ちなみにゾロクラーヴァもзло・кровь(悪の血)から
・ルスランのイメージは『もののけ姫』のアシタカの白人版
・バッドエンドでのソーニャの死に方は2種類ある(病死と自殺)
・二週目でルスランの最初の記憶を見た後にもう一度記憶を調べると最初から二番目の記憶を見ることが出来る
・大体1200~1300年代くらいをイメージ(銃があるかないか程度)
・完成まで三ヶ月程度

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?