オタク、裁判に行く。
突然ですが、オタ活に一番大事なものって何だと思いますか?
時間?
推しへの気持ち?
オタク仲間?
どれも大事だと思いますが、現代社会で経済活動を営むにあたって必要不可欠なものが一つ。
そう、お金です。
いくら時間があろうと、気持ちがあろうと、財布にも口座にもお金がない状態ではオタ活は難しいのではないでしょうか。
そしてこれは、身の程を超えて好きな女に金を注ぎ込んだオタクが辿った一部始終のお話。
うっかり民事訴訟を抱えてしまったオタクの参考になれば幸いです。
0.そもそもの始まり
時は遡って2023年6月初旬。
手羽先センセーションのZepp名古屋ワンマンに参戦するべく前日から名古屋入りし、確かオタク数人とHUBで飲んでいた時だったと思いますが、たまたま看板が目に入ったか何かでレイクの簡易審査に申し込んでみることに。
当時既にアコム・アイフルと債務を抱えていたこともあり、そうそう通りはしないだろう、仮に通っても一桁万円程度だろうと思っていたのですが、
通りました。融資枠22万円で。
困惑4割爆笑6割ですが、貸してくれると言うのなら断る理由もなく、HUBのテーブルでマイナンバーカードを撮影して提出。めでたく契約と相成りました。
「無利息期間中に返せば実質タダだし、アコムとアイフルの2社に分かれてる分をレイク1社にまとめれば管理も楽になるよな」と思いつつその場はそれで解散。もちろん無利息期間なんか秒で過ぎ去ったしアコムもアイフルもこの記事執筆時点で抱えたままですが。
そしてここからおよそ1年後、今回のお話の本題へ。
1.訴状、着弾。
年は変わって2024年4月。
いつも通り仕事を終えて帰宅したところ、親から「何か届いたけど…」と少し分厚めの封筒を手渡されました。
差出人表記を見ると、
「大阪簡易裁判所」
心当たりが複数あった為、この時点で「何があったかな」から「どれが爆発したかな」に思考がシフト。
封を開けると新生フィナンシャル(=レイク)の文字が見えたので、あーーーーーそれかぁ…という気持ちに。
というのも、1月頃から返済が滞っており、恐らくレイクからであろう着信が繰り返し来ていたものの一切対応しておらず、直近では滞納していたことすら半ば忘れていたような状況でした。金額的には20数万円の様子。
訴状とか甲第1号証とか、言葉としては聞いたことはあっても実際お目にかかるのはもちろん初めてなので、途中からテンションが変な方向に振り切れてしまい、
勢いのままにTwitterに投稿したところ、
のようなご意見を頂戴しました。なんで刑事は分かるんですかね
そしてこれらに混ざって、右も左も分からない中で救いとなる反応が得られたのでした。
2.蜘蛛の糸
蜂の巣を突いたようなTLの中、唐突にこのようなDMがフォロワーから届きます。
神か?仏か?
なんで知り合いの知り合いに弁護士が控えてるんです…?
このフォロワーとは知り合ってから比較的日が浅かったので、全く無遠慮にとはいきませんがここ以外に頼れるツテもないため、(先方の弁護士先生にも)無礼を承知で訴状等を見ていただいた上で最低限の取るべき行動を教えていただきました。
曰く、
とのこと。催促に関してはいやもう全くその通りという他なく…
ただ、これで第一歩の目処が立ったのと、そこまで深刻な案件ではなさそうという感触が得られたことで、手続き面でも精神面でも非常に助かりました。
見ず知らずのオタクに助言してくださった弁護士先生、仲介してくれたフォロワー、この場を借りて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
ちなみに一連の流れを聞いたオタクからは「運の良さだけでまかり通ってんなお前」と言われました。自分でもそう思います。
3.その後〜前日まで
ⅰ)二通目
取り敢えず大阪弁護士会に電話相談すれば良いということが分かり、対応時間帯と勤務のシフトとにらめっこしていた頃、レイクから封筒が届きました。予告もなく訴えておいて今更何の用が?と思いつつ開封。
大爆笑しちゃった
「ご連絡をいただければご相談に応じる準備がございます。」ということは今からでも連絡すれば提訴取り下げワンチャン…?と思いつつ電話。
…想像していたより遥かに緩い雰囲気なのは分かりました。
そしてこの時点で、レイク側としても分割返済での和解を既定路線として考えていることを確信、「そこまで深刻な案件ではなさそう」という予感が間違っていないことに安堵しました。
ただどうしても一点腑に落ちないのが「答弁書を提出すれば当日出廷しなくても良い」という趣旨の発言。書類提出かつ出廷がほぼマストなのでは…?
ここも含めて大阪弁護士会に相談することに。
ⅱ)大阪弁護士会
HP記載の民事・家事当番弁護士相談専用ダイヤルに電話したところ、対応してくれたのは弁護士の方ではなく、「午前/午後の各2~3時間の対応時間帯に、電話するか予約の上事務所に行くかで、弁護士と10分程度の無料相談ができる」という説明を受けました。その日は対応時間が過ぎていた為、電話番号だけ教えてもらい翌日改めて電話することに。
翌日電話して「貸金請求事件で新生フィナンシャルから訴えられてまして…」と言うと、さすが弁護士先生。
と、+αのアドバイスまで頂きました。
そしてやはり出廷するにしろ答弁書は提出した方が良いようなので、作成して提出しに行きました。期日(=口頭弁論当日)の前々日に。
正直、ここまでのプロセスで当初の危機感が完全に崩れ去っており、そろそろ答弁書書くか〜と改めて書面を見たのが3日前の夜。「遅くとも期日の一週間前まで」との記載を見つけるも後の祭りです。
取り敢えず書き上げて簡裁へ持って行き(提出自体はFAX,郵送でも可)、ギリギリになって申し訳ないんですが…と係の方に提出すると嫌な顔一つせず受理していただきました。また人生チキンレースの成功体験が積み重なる。
ⅲ)同業他社
実はこの間、アコムへの返済も2ヶ月ほど滞っており、着信も何度か来ていたので折り返すと、開口一番「どうして今まで連絡していただけなかったんですか?」と滞納よりも連絡がなかったことを怒られました。
「あんまり連絡が取れないようだと裁判ということにも発展しかねませんので。」と言われた時は流石に肝が冷えました、同時に民事訴訟2件は抱えたくない。
ところで、2ヶ月の滞納・不連絡で訴訟一歩手前のアコム、年明けから滞納・不連絡を続けた結果4月に提訴されたレイクと、会社は違えど「おおよそ3ヶ月の滞納・不連絡」というのが訴訟に踏み切るボーダーなのでは?という気はしています。もちろんどの業者も公表はしていないのであくまで推測ですが。
現在消費者金融の返済が滞っている方は早めに連絡しましょう。ちなみに私は執筆時点でアイフルを1ヶ月少し滞納しています。そろそろ連絡します。
閑話休題。
4.オタク、法廷に立つ。
訴状の着弾から2ヶ月弱、遂に口頭弁論当日を迎えました。
答弁書を提出しに来た時にある程度下見はしてあったので、指定された法廷にそのまま向かいます。
同時刻枠で複数の弁論が実施されるらしいことに軽く混乱しつつ、時刻通りに指定の法廷へ。
室内に入ると、原告(今回は代理人を立てていた様子)と裁判官・書記官・司法委員の方が既に法廷内(柵の向こう側)にいましたが、同時刻の弁論がどう進行するのか分からなかった為取り敢えず傍聴席に座ります。
驚いたことに、同じ10時半の枠で行われた口頭弁論9件の内、被告側が出廷していたのは私一人だけでした。
簡易裁判だとこんなもんなんでしょうか、答弁書は提出されていたのかも気になるところですが…
被告不在の弁論が事務的にサクサク処理されていくのを眺めていると、書記官の方が傍聴席まで降りて来られたので、ここで名乗ってそのまま法廷内へ。被告側の席に座り、いよいよ私の裁判が始まります。
本来であればここで原告側が二つ返事で承諾して和解成立 というのがセオリーのようでしたが、今回は原告側が被告(私)に確認したい事柄があるとの申し出があり、司法委員の方(立会人兼仲介人のような方)を交えた三者で一旦別室へ。
今回原告側から確認されたのが、
・就労実態(勤務先、雇用形態、給与等)
・生活費の支出(家賃、通信費等)
・他社債務の返済状況(答弁書に記載した内容について)
と、まあ金貸しとしてはオーソドックスなところ。要するに和解案の金額の支払い能力を改めて確認したかったということらしいです。
原告側も納得したところで、再度法廷に戻ります。
所要時間、30分。
人生初の裁判は当初思っていたより遥かにあっさり終わりました。簡裁案件だからというのも間違いなくあると思いますが。というか利息放棄した上で2~3年の分割を呑んでくれるならむしろ訴えてもらった方が楽なんじゃないか…?
5.あとがき
ということで、民事で訴えられるとどうなるか、あくまで簡裁案件ですがある程度のモデルケースにはなったのではないでしょうか。
個人的には面白い人生経験になったと同時に、同じように消費者金融から訴えられてる人間が世の中こんなにいるんだ…という不必要な学びにもなりました。
この手の歪んだ成功体験のせいでどんどん人生チキンレースが加速していくので、どこかで一度派手に失敗して痛い目を見たほうがいいとは自分でも常々思っているのですが、幸か不幸か今回も軟着陸という結果に。
この記事が誰にも参考にされないことを祈りつつ、有事の際の一助になれば幸いです。
ここまでお付き合いありがとうございました。
それでは皆さん健全なオタ活を!
p.s. 来月あたり飲み会やりたいです、ご興味ある方ご参加お待ちしております!!!
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