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【イベント案内】あなただけのパパラチアを探して・非加熱とは?

前回前々回とイベントのご案内をしていますが、今回はちょこちょこ出てくる「非加熱」という言葉について、少しだけ解説しておこうと思います。

突然価格が高くなる「非加熱」の背景

宝石の価格は、美しさや希少性(めずらしさ)で決まっていきます。

よく精巧なルーペを目に当てて白衣を着た専門家がむずかしい顔で小さな宝石を覗いて何かよくわからないルールで金額が決まるようなイメージがありますが、実際には「素人目で美しく感じるものがお値段が高い」という、すごくわかりやすいものなのです。

ぱっと見て、美しい。
特にグレード違いを並べると一目瞭然のものが多いです。もう、高い方がきれい。色がいい。透明。よく光る。あるいは、大きい。
子供でも分かるような、シンプルな、原始的な美しさが、イコール価値になっていきます。

ということは、とにかくきれいな色であること、よく輝くことがまずは大切なポイントになります。

より美しくするための処理(トリートメント)

宝石を美しくするには、実はいろんな手法があります。
一番は、カットや研磨です。
土の中、岩の中から取り出された鉱石、つまり宝石の原石は磨き上げることが宝石になる大切なステップです。

しかし、それ以外にも宝石をより美しくする方法がいくつかあります。

中でも、ルビーやサファイアは加熱という処理を行います。
石を熱すると、黒っぽい色が冴えた色合いになったり、石の中にあった不純物が溶けて消えたりします。
最初はぱっとしない色合いだったものが、グッと美しくなるのです。

これは多くの宝石で行われ、また加熱処理自体は一般的な処理として広く認知されています。(宝石は偽物対策が非常に厳しい世界ですが、加熱処理を行っても偽物とは言わない、という認識が世界で共有されています)

ほかにも、色のない石に放射線を当てると色が現れるという処理なども一般的です。放射線を当てても色の出ない石もよくあり、処理を行って美しくなれる石というのも、ある意味選ばれた存在です。

このような処理は、宝石の質を損なわずに美しさを増すために取り入れられています。

加工しなくても美しい=希少性

ですが、そのようなより美しくするための処理をしないでも、最初から美しい石というのが、稀にあります。
生まれた時から美形。故リヴァ―・フェニックスみたいな。
「理想を言えばそんな美形、どこかにいるかもしれないけど」みたいな存在が、宝石にもまれにあります。
(逆にいうとすべての宝石が完璧に美しいわけではないのです。それはそれで魅力になるところでもあります)

そういう石は、非常に高値で取引されますし、根強い愛好家がいます。
ルビーやサファイアで、加熱なしで色も透明度も申し分ないというものは「非加熱」と表示があり、加熱のものより一桁以上取引価格は高くなります。

特に、最近人気のパパラチアサファイアは、その色自体がほかのサファイアと比べると産出量が少なく、希少性が高い存在です。
で、非加熱となると、ほんとに生まれた時から超美形、みたいな希少な存在になっていきます。
(ただ、そもそもパパラチアサファイアとして選ばれるサファイア自体厳しい基準があるので、そもそも質の良い宝石という前提もあります)

今回のイベントでは、そんなパパラチアサファイアの非加熱のものをたくさん見て頂けます。
また、パパラチア以外の非加熱のサファイアもいくつかありますので、そちらも手に取って見て頂けます。比べると、なるほどなーと感じる部分があると思います。

値段はあってないようなものだけど…

希少性で価格が決まっていくというのは、実はとてもあいまいな話です。
昔は人気がなかった黒い真珠を素晴らしい作品にして売り出したら急に人気が出て10倍の値段になったとか、日本で養殖真珠の技術が確立したことでそれまでの真珠の価値が急に落ち込んだとか(実は養殖真珠は本物の真珠とは認めない!と国際訴訟が起こされたことがあり、最終的には本物と同等と認めるという結論になったというゴリゴリしたエピソードなどもあります)、いろんな理由で価値が変動しています。

相場の値段というのも、曖昧なものなのです。

でも、それなりの価格の値段というものは存在しています。
パパラチアはすごく高額で、特に非加熱となると石だけで10万円は下らず50万円~70万円というものもよくありますが、今回イベントで見て頂けるものは非加熱の本物のパパラチアですけれど、サイズ感やカット、内包物などちょっとした理由で数十万円コースにならず、数万円に着地しています。
また、ここまで人気が出るより前に輸入されてしばらくデッドストック品に近い状態で保管されていたということもあり、リーズナブル(理由がある、という本来の意味ですね)になっています。

ちゃんと鑑別書はご用意していますので、もちろん本物です。(パパラチア以外の非加熱サファイアに関しては鑑別書はありませんが、ご希望の場合は用意することができます)

パーフェクトじゃないから個性がある

美しく、希少性が高いと価格は跳ね上がりますが、そうではない宝石には価値がないのかというと、個人的には全然そんなことないのに!と強く思います。

色が薄すぎるピンクサファイアは、色のなさで価格が落ちるとされますが、透明感によって、うるっとした輝き、潤いがあります。プラチナの小さな爪でプチッと留めたら、薔薇の花に落ちた朝露をそのまま指輪にしたような雰囲気になると思います!ネックレスもいいよね!

ちょっとだけインクルージョンがある石は、カットと相まって不思議な奥行きが見えて、きれいなだけでは到達しない魅力が秘められています。
傷跡のある顔のキャラクターって人気ありますけど、そんな雰囲気。

色むらといわれるものも、グラデーションやバイカラー(2色が認められる)になっていたり、どれもこれもすごくいいのです。

今回ご用意できたパパラチアサファイアも、色合いや輝きが微妙に違うものがそろっています。
ただパパラチアサファイアだから買う、というのではなくて、欲しい色、好きな色と出会うという目で見てもらうと、それぞれの個性がわかると思います。

あなただけのパパラチアを探して

今回は、それなりの数のパパラチアサファイアをご用意していますが、やはりどれもニュアンスが違います。
カラット数、大きさはそこまで違いはないですが、色味やインクルージョンの有無などの個性があります。

そして実際ジュエリーにオーダーするというのも、お店で売っているものを買う時とは違う知識が必要になります。
もちろん、価格も10~20万円というものがおおく(もうすこしちいさい価格のものももちろんありますし、100万円以上のものもあります)、そう気軽なお買い物とは言えない場合がほとんどだと思います。
だから、小さなイベントですが、実際に見てもらい、触って楽しむ機会を作っていけたらと思っています。

参加費があるお茶会スタイルなので、宝飾店で見るような「何か買わなくては悪い…」みたいな緊張感も感じなくて大丈夫です!リラックスして、見てもらえたらと思います。
(あと、当店がこんなにパパラチアを用意できるチャンスは、もうないかもしれません。とても幸運なめぐりあわせでした)

イベント概要

日時
6/27(土) 13:00~15:00 ・ 15:30~17:30 (すべて満席)
6/28(日) 14:00~16:00 3席 (残2席)

場所は、都内某所(ご予約の方に詳細をお伝えいたします。)
最寄り駅は、東武東上線の中板橋駅。
駅から徒歩約5分のカフェのスペースになります。
※現在日曜日の2席がご案内可能となっています。

参加費
2000円+カフェでワンドリンクオーダー下さい。
(ドリンク以外はカード決済、交通系電子マネーが使えます)
ご予約方法
こちらのリンクから、パスワードを使って中に入ってください。https://chicje.stores.jp/
パスワード chicje

各回の希望の時間のチケットを購入してください。0円となっていますが、当日参加時に2000円とワンドリンクオーダーをお願いいたします。
アイスコーヒーもおいしい季節になりましたね。

もしお手持ちのジュエリーでお直し相談や、クリーニングの相談があればぜひお持ちください。その場でできなくても、どのくらいかかるか簡単にお見積りすることができます。
また、お手持ちのジュエリーと合わせてこんなものが欲しい、というイメージをするためにもとても便利だと思います。

切れてしまったチェーンや、サイズが合わない指輪などもぜひご相談ください。

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