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おばあさんがフィクサー

「おばあさんの役をやるんだ。」

張り切っていた上の子。
参観日での出し物で桃太郎を見せてくれるそう。

敢えてのおばあさん役。渋いチョイスだなぁ。
自分の幼稚園の頃も桃太郎の劇をやって、鬼役であぐらをかいて、呑んだこともない酒を呑む演技をして、最後に桃太郎役の友達を突き飛ばしたんだったっけ、、、。とショートトリップしている間に桃太郎が始まった。

おばあさんに着目して桃太郎の劇を見ると、
◦川に洗濯に行って桃を発見
◦桃を家まで持って帰る
◦桃を包丁で切る
◦桃太郎にきび団子を作って渡す

など、序盤になかなか多くの仕事を引き受けていることが分かる。
なんならおばあさんありきで桃太郎のストーリーは進んでいっている事に気付かされた。

そして、桃太郎が産まれたけどおばあさんどうする?という先生の質問に

「育てる!!!」という明快な答えに爆笑してしまった。

「子どもが産まれたけどどうする?」
「育てる!!」とあんなに明快に私は出産後に答えられはしなかった。
「私が育てられるのかなぁ」という解決しようのない心配ばかりが頭をよぎって過ごしてきたけど、こんなにはっきり言われることで子育ての本質を教えてもらった気がした。

きび団子を渡し終えたおばあさんは、鬼退治のクライマックス時には、家のセットに頭だけ突っ込んで、涅槃像のように休んでいた。

劇の途中なのに。
舞台上なのに。

色々考える事もあるが、おばあさんも歳をとってから子育てをして、鬼退治したいからと言う子どものために日本一のきび団子をこしらえて、一応独り立ちさせたのだから、疲れ果てて、横にくらいなるよね。

とそこまでは考えてはないだろうな、と思っているうちに劇は終わった。


自分の視点とは全く違うところから我が子は物事を見ているんだと言うことを実感した参観日であった。

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