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漫文『ちちのうた』(総集編1)
01. 「助けて」
02. 「ジャングル」
03. 「ギャン泣き」
04. 「スタートダッシュ」
05. 「拍手」
06. 「負けられない戦い」
07. 「ばあ」
08. 「巧妙な手口」
09. 「結婚記念日」
10. 「マイホーム」
11. 「ママのおしり」
12. 「起死回生」
13. 「タイ風」
14. 「日報」
15. 「おならどころではない」
16. 「妻の
息子が保育園から幼稚園に転園する。
保育園最終日。息子は目覚めると開口一番に「きょうさいご!」となんとも嬉しそうに言う。どうやら保育園に行かなくなったらママやパパとずっといっしょに遊んで暮らせると思っているらしい。「次は幼稚園だよ」と伝えてもまったく聞く耳を持ってくれない。
妻が「先生やおともだちとお別れするのさみしくないの?」と聞くと、息子は「うーん」と言葉に詰まり、じっと考えこんでから「うれしい!」と断言する。そして「もう終わ
幼稚園の面接をノーパンで受けかける。
新居への引っ越しを機に近所の幼稚園の面接を受けることにした。
すこしは直前に練習でもしておこうかと「お名前は?」と聞くと、息子は自分の名前を元気よく答えたのち「ズボンは水色です!」となぜか本日のファッションポイントまでご丁寧に添えて教えてくれる。
次に「好きな食べものは?」とたずねると「うどんです!」とこれまたハキハキ答えたのち「好きな食べものは?」と逆質問まで返してくれる。
ただ、ここで「
ドライブスルーごっこする。
こんなときなのでよく利用するようになったドライブスルーにハマってしまったのだろうか。息子が「ドライブスルーごっこ」をはじめた。
妻をソファーに座らせ、わたしをすこし離れたところでバイクのおもちゃにまたがらせると、ソファーのまえに置かれたテーブルのまわりを車のおもちゃでぐるぐる走りながら「チーズバーガーとポテトくだちゃい」と店員役の妻に大好物の注文を何度もくりかえすのである。
こんなときだからド
妻に髪を切ってもらう。
「前髪、切ってあげようか?」
美容院へ行けないまま伸び放題のわたしの頭に妻が両手をチョキチョキさせながら不敵な笑みを浮かべると、数年前のあの事件がフラッシュバックする。
あれは息子が生まれるまえの夏。極度の人見知りなわたしは美容師さんに話しかけられるのが苦手なあまり、妻に髪を切ってもらうことにした。それから数時間後、風呂場の鏡のまえに丸坊主姿で座ることになるとも知らず。
妻は「いまなら失敗し