好きな漫画

今日の16時過ぎ、帰宅してすぐtwitterを見ていると「2021年5月6日に漫画家の三浦建太郎さんが亡くなった」という、にわかには信じがたいツイートを目にしました。心からご冥福をお祈りします。

ベルセルクは僕が最も好きな漫画であり、僕の感性にも小さくない影響を与えてくれました。三浦建太郎さんが亡くなってしまったことにより未完の作品となってしまった今、この漫画に対する思いや、皆が少しでも読みたくなるような事を書いてみようと思います。


僕がベルセルクを初めて読んだのは小学校5年か6年の時。決して”漫画大好き人間”ではない僕ですが、暇な時に叔父の部屋にある数多くの漫画の中から選んで手に取ったのがベルセルクでした。年頃の男の子の心に刺さるカッコイイ表紙に目を惹かれた記憶があります。


  ストーリーについて話すと、時代設定は中世ヨーロッパ。百年戦争の渦中に生きる傭兵団の描写から物語は始まります。 主人公”ガッツ”は数ある傭兵団の中で後に随一の実力を持つことになる”鷹の団”という傭兵団に所属し、百人斬りの異名を持つ切り込み隊長として名を轟かせています。これが「黄金時代」というサブタイトルの序章です。「黄金時代」はガッツの少年期から青年期の物語であり、序章以降の物語は、とある事情から魔物を相手にすることが多くなります。大まかな話の筋はこんな感じです。


ベルセルクの印象を色で表すとなれば、間違いなく禍々しい黒が当てはまります。全体の雰囲気として躁鬱で暗い印象が強く、特に黄金時代が終わるあの”流れ”(ネタバレを含むのであまり言わない)はとてつもない絶望を感じさせます。読んでいる身としては頭の中で壮大かつ、計り知れない恐怖を味合わうBGMが流れている感覚に陥ります。


そろそろベルセルクの素晴らしい点について話していこうと思います。数多くある素晴らしい点の1つとしてはまず「圧倒的な画力」が挙げられます。漫画家に対して言うのも変な話ですが、とにかく絵が上手いです。圧倒的な画力・描写量は圧巻で、ページを舐めまわすように見たくなるようなシーンがいくつも存在します。この素晴らしいすぎる絵のクオリティが影響していたのかどうかは謎ですが、HUNTER×HUNTERと肩を並べるほどに連載スピードの遅さを誇っていたのも特徴でした。

絵のクオリティについて話を戻しますが、敵キャラはとても気持ち悪くとても魅力的です。醜くもありながは美しい造形を感じるデザインは見る者の目に強烈な印象を与えてくれます。自分が授業中に取り組む落書きのバリエーションにも良い影響を与えてくれました。

そろそろガッツのカッコ良さにも触れていきます。ガッツのカッコ良さ、これは厨二病心というか男心というか全てを刺激してくれます。大切な場面で吐く言葉の数々は声に出して読みたくなるものが多く、漫画を読みながらボソッと呟いてしまいたくなるセリフばかり。(恥ずかしいから絶対にやめろ)

パンチラインのようなセリフは数多とありますが、中でも完全に喰らった名言を一つだけ紹介します。


                      祈るな 

               祈れば手が塞がる

       てめェが握ってるそれは何だ


これは黄金時代が終わり、新たな仲間と出会った後の話に登場する名言。途方もない数の魔物と戦っている最中、剣を握っているにも関わらず神にすがり祈りを乞うファルネーゼに向けて放った言葉です。ヴァンデミィオン家という名家出身のお嬢様である彼女の考えを根本から変えさせるキッカケになったセリフだと思います。人は困難な状況にある時、誰しも神頼みをするような経験があると思います。しかし実際神にすがった所で何かが変わることは皆無に等しく、結局は

「自分の命運を変えるのは自分自身である」

という至極真っ当なことをこのセリフは再確認させてくれます。戦えるような強い人間ではなかったファルネーゼに対して非情なようにも思えますが、ガッツなりの優しさと情熱が伝わる良いセリフだ、という印象です。

今このnoteでこそ賢そうに語ってはいますが、実際初めてこのセリフを見た時は「カッケー(偏差値4)」という印象しか持っていなかったと思います。しかし、それでいいと思います。とにかくベルセルクという漫画はカッコイイのです。そして改めて、この素晴らしいダークファンタジー漫画を世に生み出してくれた三浦建太郎さんに大きな賞賛を送りたいです。


雑な感じもしますが、ベルセルクについてのnoteはこれで終わりです。実は友達に「今日note更新する」と公言したにも関わらず、夕飯を済ませた直後に爆睡をかまし22時過ぎに起きてしまった事が雑な終わりに影響しています。締切りがあるわけでもないのに勝手に焦りを感じながら爆速でここまで書きました。誤字脱字や気に食わない言い回しもありそうですが読んでくれた人、ありがとうございました。完結することは決して無い漫画ですが、

”未完の名作”

という終わり方もベルセルクらしくカッコイイのではないかなと思っています。これをキッカケに少しでもベルセルクに興味を持ってくれると嬉しいです。






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