実況パワフル俺 〜普天間高校編2〜
とりあえず3週間ノースロー。
どこの病院に行っても相当酷くなければ大体こう言われます。
秋季大会も早期に敗退し、春まで大会もない。
焦ることも無いなと思い、練習から外れる。
普天間高校は当時、怪我人に特別メニューが組まれる事はなく、グラウンドから外れて自主でリハビリ等を行います。
(やることねえな........)
そんな時、とあるチームメイトに
「お前暇だろ、ウエイトしようぜ」
と、半強制的にウエイトに連れてかれます。
こいつにとっては何でもない、ただのお誘いがこの後の野球人生を大きく変えてくれます。
ただ当時、ウエイトトレーニングにはネガティブなイメージがあったので気乗りはしませんでした。
しかしやって見ると意外に面白い。
特にベンチプレス。
最初は重さも回数も全然上がらなかったのに、やってるうちにどんどん伸びていきます。
当時は知識も0だったので
「超回復?そんなん知らねえ。ゲヘヘ」
とばかりに毎日狂ったようにやってました。
肘に多少の痛みはあっても、気にせずやりました。
そして3週間経っても、痛みは引きません。
暇なので永遠とウエイトやダッシュをします。
そのせいか一向に治りません。(当時はそのせいかどうかもわからず何故かそんなに気にしてなかった)
グラウンドからはずっと離れ、ウエイトとダッシュ等をし、バッティング練習だけ入る。
となると先輩とも関わる機会が減ってた上に、バッティング練習だけ入るし、この頃から「THE・自己流」というスタンスでいた為、当時は恐らくあんまりいい印象は持たれてなかったと思います。
そんな日々の繰り返し。
しかし今まで特に何もして来なかったのもあり、どんどん持てる重量が伸びます。
特にベンチプレスは初めて3ヶ月で45kg→100kgも持てるようになりました。
さすが高校生。異常な成長スピード。
するとある日のバッティング練習から急に打球がめちゃくちゃ飛ぶようになります。
レフトの90m地点らへんに15mくらいの高い防球ネットがあるのですが、今までカスリもしたことなかったのが、バンバン打球が突き刺さるようになります。
20lvになったコイキングが急にギャラドスになるレベルの急進化です。ギャシャーッ!!
こうなりゃもう、誰の言うことも聞きません。
しかしその逆も然り。
「ぼーるのなげかたわすれた。」
致命的です。
体重が確か62kg→70kgくらいまで増え、筋肉量も大幅に増えました。
(顔が見えてる中の左から2番目)から
(写真右)になります。
ガリガリ君がむしろゴリゴリ君になります。
するとどうなるか。
身体が180°変わってる様なものなのです。
並行して続けてたバッティングは筋肉も「あっ、これがバッティングねぇ〜」って覚えながらやってる為もちろん伸びます。
しかし、痛むので全く放置していた投げる面に関しては筋肉的に言うと「えっ、なにそれ知らない。どうやってやるの」状態なのです。
+痛みも治まらない。
いままで送球になんて悩んだことも無く、なんなら強くなったはずの肩も、塁間を投げるのがやっとです。
それを放置し続けてしまった結果、2年生になり、春になっても治らず、夏になっても治らず。
しかしバッティングを評価され、練習試合のメンバーに入ることがたまにありましたが、大した結果は残せませんでした。
その為、2年の夏もメンバーに入ることが出来ず、3回戦でその年甲子園に行った浦添商業(2012年)に9回2アウトまでリードするものの逆転負け。
先輩達も引退し、気づけばもう自分達の代。
しかし肘は一向に治らない。
これ以上はグラウンドから抜けれない。
そう思い、1番投げる負担の少ないファーストに挑戦します。
新人戦では4番を打ったりもしました。
しかし、長らく練習から抜けてたこともあり実戦は上手く行きません。
それに指導方針にも疑問を抱きながらやっていた為、監督との関係もこの頃からどんどん悪化します。
するとどうなったか。
春の甲子園に繋がる秋季大会のメンバー。
20人中15人は監督と部長で決めたメンバーで、残りの5名は投票という形になりました。
しかし何故かその15人には入れませんでした。
「え、なんで?」と思いました。
ただバッティングではその15人に負けてなかったので当然投票で入るだろうと思ってました。
そして投票用紙が配られます。
「あれ?俺の名前なくね?」
2年生30人ほど居る中で俺だけ名前がありません。
今考えれば当然でしょう。
おそらく授業態度とかも良くなかった上に、あまり言うことを聞かなかった為、監督との関係も良好ではない。
見せしめという部分もあったのかもしれません。
投票前から唯一メンバー落ちが確定します。
実力では間違いなくレギュラーと比べても劣ってない。
でもメンバー落ち。序列は最下位。
当然、やる気がなくなります。
死ぬほど態度に出ます。
そっからの練習も全く身が入らず、メンバーに入れなかったので応援練習もするが、納得がいかない。
その為、「応援したくない」という気持ちがかなり強く、憎しみを込めて太鼓を叩いていました。
そして秋季大会1回戦。相手は浦添高校。強さ的には中堅くらいのイメージでした。
もちろん「負けろ負けろ」と願いながら太鼓を叩く。
しかし10-0のコールド勝ち。最悪の気分です。
そこから1週間。また憂鬱な日々です。
この頃から本気で野球を辞めようか悩みます。
そんなやる気のなさMAXでアップに向かう途中、部長に呼び止められます。
そして怒られます。
「お前、野球の火消してないか?」
このたった一言でハッ、と気付かされました。
腐ってる場合じゃない。
実力では負けてない。
ここで腐ったら野球人生終わりだ。
と思い、悔しい気持ちを抑えて応援に徹することにしました。
しかし2回戦は強豪、沖縄尚学。
0-6で敗れます。
ここで川村。
この秋季大会で4番を打っていたチームメイトに対して漫画の主人公ばりのセリフを放ちます。
「お前から4番奪ってやるから覚悟しとけ」
次回、川村逆襲。
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