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実況パワフル俺 〜石川ミリオンスターズ 2019シーズン〜


迎えるシーズンオフ。

テーマとしては「長打力」であった。
小中高と元々アヘ単気質が高かった為、長打に対するこだわりもあったのと、「右投右打俊足強打の外野手」が当時のNPBの需要が高かった為(おそらく今もそう)、まあ俺に足らないのは長打力だろうと踏んでいた。

じゃあオフシーズンにすべきは何か。
そう、「肉体改造」である。

当時はストレス等もあったり移籍などもあり、激動のシーズンだった為、71kg位まで体重が落ちていた。

まず速攻で実家の近くのジムに加入し、週5くらいのペースで鍛えまくった。

結果
ベンチプレス120kg
スクワット170kg
デッドリフト170kg
BIG3 合計460kg

という、まあそこそこの数値を出せるくらいの筋力アップに成功したと共に体重も78kgまで戻る。

さあ!準備は完璧だ!石川へ戻ろう!

と、、、、準備万端のつもりで行くものの

「身体がイメージしてる通りに動かない」

そりゃそうだろ。技術練習なんて1月の沖縄帰った10日間くらいしかしてないんだから。

そんなこんなで仕上がりが悪いままオープン戦に入る。

オープン戦前にコーチが言った

「申し訳ないけど出番を均等に与えるとは限らない」

という言葉を何故か自分と関係ない話だと思っていたのがまず甘すぎた。お前は馬鹿なのか。

結局、オープン戦で与えられた打席は10打席のみ。

事実上ほぼ構想外からのスタートとなった。

外野手は柴田と荒谷の2人が新戦力として加入し、特に荒谷の活躍は西地区のファンには語るまでもないだろう。

ということもあり、実力不足が大前提ではあるが開幕から数試合出番のない状態が続いた。

初ヒットが出たのは開幕四試合目の富山戦。
センターの中山が怪我をしたので途中交代として出場し、1打席目でレフト前ヒットを放った。

ただ、6月までほぼベンチでたまに機会を与えられては鳴かず飛ばずという感じの成績が続き、存在価値が徐々になくなってきた。

死ぬほどフラストレーションが溜まる。
大体、試合後は沖縄出身の同級生神谷塁とご飯に行くことが多かったのでそれが良いメンタルケアになってたかもしれない。たぶん。たぶんな。

「出れば打てるのに」

と永遠に言ってた気がする。
ほんとにそうなら苦労しねーだろ。笑

まあ使われない理由は普通にかなりある。
原因は守備全般だ。

元々守備で悩んだことは独立リーグに入るまで一切なく、むしろ得意な部類であった。
外野守備でエラーした記憶はほとんど記憶にない。

しかし出場機会が少なかったのもあり、打球勘が鈍ったり、前年の開幕戦でフライを落としてから尚更苦手意識が出るようになり、この2019年が1番酷かった記憶がある。


ただ出してさえくれれば打てる自信はあった。


まあ、そんなこともあり、なんやかんやで一時期、戦力外寸前にまでなったものの鶴の一声で免れる。
勝さんには特に感謝です。


前期も消化試合になってきたので、埼玉遠征の際の武蔵ヒートベアーズ戦では1番ライトで出場したが、2安打1打点とまずまずの成績を残し、後期に繋げた。

すると、後期早々の試合では対富山戦でチーム無安打の中、ラミレスからレフトへの1号先制ソロHRを打つなど調子を上げる。

そしてコーチがシーズン途中で退任してからは、勝さんがオーダーも組むようになり、そこからはスタメンで出る機会が激増した。後期はほぼスタメンだったはず。

雰囲気は緩いが勝利に対する執着心は皆かなりあったのでサヨナラ勝ちや最終回の逆転勝ちなど接戦で強かったチームだった。

金沢市民球場での最終回0-3からの逆転サヨナラ勝ちは特に最高だった。
最後はケビンのサヨナラ押し出しデッドボールというオチ付き。やつは今、菊池雄星選手の通訳をやっているから運が強い人間なのだろう。きっと。

そんなこんなで崖っぷちで死にかけから這い上がったシーズンではあったが特に後期は楽しく本気で野球ができた経験が今にも生きているのであろう。

そしてチームは総合成績2位でシーズンを終えた。
古巣の信濃が圧倒的に強かった。

というわけでプレーオフでは惨敗。
ただプレーオフの試合が今シーズン1番状態が良かった感じがする。

この状態ならもっと打てたのに!!!
というシーズン最終戦でやっと身体と動きが噛み合って来た感じで終わってしまった。

元々72~75kgで慣れていたが、78kgと言う身体になって半年かけてやっと慣れたというイメージだ。

もったいないがしょうがない。
来年に繋げるしかない。

そして無事シーズンも終わり、振り返るとこのシーズンは人に支えられたという感じのシーズンでした。

同級生で沖縄出身のスピードスター神谷塁、お互い不遇の中で常に励ましてくれたりバッティングを教えてくれたマスカット職人岡本さん、そしてちゃんと実力を見てくれていた勝さんには特にお世話になった。

そして2020年にはもう年齢も24を迎える。

いつまでも独立リーグに居続ける訳には行かない。

来季の契約も無事に決まったので、それを機に最後の挑戦と決め、オフシーズンへと向かう。

誰も予想だにしてなかった緊急事態が待ち受けてるとは知らず。。。。。

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