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焼杉造りとホトケノザ

「玄関側の外壁の杉、焼こう。」とワイルドに提案してみた。「失敗しないで。杉板の余分無いよ。」と夫から釘を刺され「大丈夫でしょ!」と根拠の無い返事を。

さすがに1人で杉板200枚近く仕上げるのは厳しいので「興味ある人一緒に焼杉造ろう!」と周囲に声をかけ、そして日曜日、3歳~66歳までの性別職業バラバラな約10人でのんびりやってみた。

杉板の炙り
洗い、煤を馴染ませる

先生も講師もリーダーも不在の焼杉会。
私が唯一小学生の時に一度だけ経験した焼杉。その記憶だけを頼りにド素人達が「あーでもないこーでもない」とやってみる。7歳が3歳を指導したり「手を出してくれるな。あっち行って!」と言わんばかりに母の手助けを拒否する子がいたり「お昼にしましょう」と声をかけても止まらない60代のおじさん2人がいたり。

だれも正解やゴールを知らないから、みんながそれぞれ試行錯誤する。

こどもたちは飽きると作業から離れ、田んぼの畦道に並んでホトケノザの蜜を吸う。「やったーアタリだ!めちゃくちゃあまい。」「よっしゃ~!みつ多い!」と花の善し悪しの評価。

※七草粥のホトケノザとは別物。

写真撮りたかったけど、煤(すす)で手は真っ黒。諦めた。蜜を吸い飽きると、また焼杉の洗い工程に戻ってきた。みんな人の家の壁を差し「これわたしがつくったんだよ!」「これぼくがみがいた!」などと自慢してくれる光景が思い浮かぶ。

これからは、ホトケノザの紫が咲くと同時に焼杉も思い出すことになるだろう。

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