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The Trouble with White Women 白人女性の問題
副題は「フェミニズムのカウンターヒストリー」です。その名の通り、フェミニズムとして、私が習ってきた多くの理論は白人女性による白人女性のためのものだということがよくわかる本です。
著者が4パージ目で言っているように、ホワイトフェミニズムの問題は「どういう問題を見過ごしてきたか、あるいは誰を考慮にいれていなかったか、ではなくて、ホワイトフェミニズムが何をしてきたか、そして誰を抑圧してきたかなのです。
Yellowface 黄色い顔
なかなかインパクトのある真っ黄色の表紙にアーモンドアイ。作者はまだ27歳で、すでにアヘン戦争を題材とした三部作や、バベルといったSFを出している中国系アメリカ人のR.F.Kuang。
この若さですごい作品です。内容は彼女のアルター・エゴと思われる、若くして作家としての成功を手に入れているAthena。
作品は彼女の友達である白人の売れない作家June Haywardの視点から描かれます。ひょん
Biting the Hand: Growing Up Asian in Black and White America 飼い主の手を噛む:黒人と白人の国アメリカでアジア人として育つということ
韓国系アメリカ人、ジュリア・リーによるメモワール。彼女はアフリカ系アメリカ文学(最近ではアフリカ系アメリカ人というい言い方よりもブラックが主流ですが、大学の分野となるとまだ「アフリカ系アメリカ人」が使われています)やカリビアン、アジア系アメリカ文学などを専攻し、教えているアカデミアの人でもあります。
まず、タイトルがいいです。Biting the Hand。これは通常Biting the han
The Wounded Storyteller: Body, Illness & Ethics
今月初めに読んだ本。邦訳も出ているようです。邦訳のタイトルもいいですよね。特にこの副題:身体・病・倫理なんて私が今、一番課題としている三代噺みたいで興奮しました。
でもって読んでいる時は確かに興奮したんですが、読み終わってしばらく経ってしまうと、やっぱり、「初めに言葉があった」と言うヨハネの福音書の伝統を受け継いだアカデミア、ロゴスの国の人、と言う感じがしてなりません。
と言うのも、自らの病の
Nuked: Echoes of the Hiroshima Bomb in St. Louis 被ばく:セントルイスにおける広島原爆の負の遺産
2023年1月18日
去年の12月1日に出版されたばかりの本。セントルイスには2度行っていて、地元の活動家(女性、お母さんたち)やがん患者さんなど、知っている方の話が出てきて、嬉しくなる、というのとはちょっと違うのですが、彼女たちのことがこの本をきっかけに知られるといいな、という思いでした。
ミズーリ州セントルイスは、シカゴのあるイリノイ州と州境を接しているのですが、シカゴからは南にまっすぐ車
The Violin Conspiracy バイオリンをめぐる陰謀
2023年1月9日
今年は「読みかけの本を(できるだけ)減らそう!」と言うヘタレな目標を掲げ、以前読んであと少しのところで、ほったらかしにしていた、この本を読了。
読み始めたきっかけは、よく聞いていたニューヨーク・タイムズの書評ポッドキャストだと思うのですが、まず、著者が実際にヴァイオリニストであること。そしてブラックであること。そしてポッドキャストのインタビューで、半フィクションというか、実
2022年のベスト−本、映画、テレビ番組
2023年1月3日
とあるサイトから主に本の感想を移したのをきっかけに、2020年から読んできた本を見返すことができました。それにしても2022年はあんまり読んでないな〜。実は読みかけの本がゴロゴロあって、あとちょっと、というところで、放り投げているものも結構あって。。。性格が出るなぁ。
少ない中からですが、ここ数年でイチオシ、と思い、ことあるごとに人に薦めているのが、How to Hide
The Colony: Faith and Blood in a Promised Land 入植地:約束の地での信仰と血
2022年8月7日
最近、モルモン教徒の話に囲まれています。タラ・ウエストオーバーの「Educated: A Memoir」も衝撃的で、いまだに良く思い返します。
また、ハンフォードの被曝者に関する本、The Hanford Plaintiffsを読み返していると、先住民に加え、モルモン教徒もかなり被害にあっていることがわかります。
そして、スパイダーマンを演じた(歴代のスパイダーマンの中で
How to Hide an Empire: A History of the Greater United States 帝国の隠し方:より広大なアメリカの歴史
2022年2022年6月11日
著者、Daniel Immerwahrは、シカゴの北に隣接するエバンストン市(関西で言うと神戸に隣接する芦屋みたいな位置づけかも)にあるノースウエスタン大学の歴史教員。
副題のthe Greater United Statesは、掛け言葉になっていて、皮肉をこめて「より偉大な」という意味でのGreaterと、思っている以上にアメリカの覇権が広がっている、という意