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尊敬から嫉妬へと変わる瞬間

ドラマが好きだ。映画が好きだ。お笑いが好きだ。そんな僕がダウ90000に出会うのは時間の問題だった。
ダウ90000は男女8人でコントや演劇をやっているグループで、ABCには三年連続決勝に行き、キングオブコントでは準決勝に進出し、ラジオもやり、まあとんでもないグループである。
初めて見たのは確かYoutubeに上がっていた「ピーク」だ。面白すぎる。ベンチで話し合う男女の二人、手書きタイトルの映画みたいな始まりからあとの6人を上手に使い笑いを起こし名シーンみたいな状況からも笑いを起こす。緊張と緩和にこんな使い方があるのか。たった12分ばかりで一本のコメディと恋愛と情緒を入れ込んだ120分の映画を見終わった気分にされた。

蓮見翔に魅了された。コントの台本を書きたくなった。日常の一部を切り取ったような、ありもしない記憶が浮き出てくるような、作られた笑いで笑いを取るのではなく、その人の人生の濃度で笑いの質が変わってくるような、そんな台本を。

そこからは内職できそうな授業では小説か台本を書き続けた。ときにはnote
を見て、過去のインタビューを見て、家ではコントを、対談を見た。ダウ漬けの日々だ。そして、第六回演劇公演「旅館じゃないんだからさ」の配信が開始した。

旅館じゃないんだからさは、閑散としたTSUTAYAで彼氏彼女元カレ元カノ誰が好き誰が好きじゃないが入り混じってごちゃまぜになる恋愛ノスタルジックコメディだ、僕は今までダウが好きで、憧れで、敬愛していた。演劇を見て、めちゃくちゃ笑った。110分がこんなにも早いとは思わなかった。そして、ある一つの感情が浮かび上がった。
「無理だ」
こんなものは書けない。正直数分のコントだってまだ上手く書けた例がない。蓮見翔の才能を、実力を、努力の狂気を、僕は見誤っていた。単純に尊敬していた感情はふわりと飛んでいって、深い深い嫉妬だけが残った。そして演技力がありすぎる。笑わされた、泣かされた、モヤモヤされた。ダウ90000全員に対する、嫉妬。

もう5回は旅館じゃないんだからさを見ている。


11月17日まで何度も見放題です。4000円で見れます。皆さんも是非この作品に触れてみては、本当におすすめです。



いつかこんな作品を書きます。

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