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【書く習慣】#23 いくつになってもいいもの、初体験!

初体験。
いくつになっても初めてって少しドキドキしてワクワクする。
それが大したことではなかったとしても。

日常生活で起こりうることのほとんどは成長過程で知らぬ間に「初めて」が通り過ぎていって覚えていない。
いつの間にかできることが増えて、困ることが少なくなって、初体験に遭遇する機会がなくなっていく。
もしかしたら、それを成長と呼ぶのかもしれない。

大人になると、意識的に自分が動いていかないと初体験どころか「日常プラス」がなくなっていく気がする。

今回は世間では笑われてしまうかもしれないくらい今更な初体験をしてきた。
アラサーにして初めて髪を染めたのだ。

今や高校生でも(いや、小学生でも話題に上がっている?)、髪を染める人がる。
それこそ、一昔前までは「髪を染めるなんて不良」という人もいたが、今ではファッションの一部として浸透している。
髪を染めるだけで不良呼ばわりする時代は終わった(はず)

不良かどうかはさておき、今までは単純に髪を染めることに興味がなかった。
プリン頭になるのも嫌だったし、ケアが面倒なイメージだったし、肌が弱いから薬剤が痛いというのも気になっていたし……
でも、なぜか。
本当に自分でもなんでなのかはよく分からないが急に髪を染めようと思った。

今考えてみると、スタイルが増えたからかもしれない。
以前の洗髪は全体をまんべんなく染める人が多かった気がする。
でも、最近はインナーカラー、イヤリングカラー、毛先だけ、ハーフ&ハーフ……
多い!!スタイルが多い。
ぱっと見は黒髪なのに、少しめくったら鮮やかな髪色が出現したりする。

え、なにこれ。
かわいい。

今の私の最大の懸念は仕事。
そんなに厳しい職場ではないと思うし、うるさく言われることもないだろうと思いつつ、単にめんどくさい。
髪色くらいでとやかく言われたくない。
そんなことくらいでいちいち言ってくるなよ!という思いもあるし、そういう話をすること自体も面倒。
さらに、ちょっと髪が茶色いくらいで評価を下げられるのはごめんだという気持ち。

結果、私が考えていたスタイルよりもいいスタイルを美容師さんが提案してくれたおかげで丸く収まりそうだ。
まだ出勤はしてないけど。

カットした後に、よーし今から染めるぞ!ってとき、少しドキドキした。
久しぶりに味わうドキドキだった。
ワーホリに行く電車に乗るときに似た感覚……だった気がする。
違うかもしれんけど。

なにも変わっていない首元が少しキツく感じた。
あのてるてる坊主みたいなやつ。
そのうち慣れてきて、軽く寝ちゃってたけど。

すっかり気に入って、何度も鏡を見てしまう。
インカメラも何度も起動する。
写真は撮らないけど鏡代わりに。
ナルシストもあきれるくらいだ。

そして、ちょっとドキドキする。
高校時代、髪を染めていた友人は頭髪検査の前はこんな気持ちだったのだろうか。
特に初めての時は。

一方で、もういい歳した大人なのに、誰かに注意されるかもしれないことを気にするなんて変なの、と鼻で笑う。

日本では、いつになったら本当に自由になるんだろう。

洗髪は髪があるときしかできない。
頭皮も元気で薬品に耐えられるときしかできない。
(今時の薬品はそんなに気にしなくていいらしいが一応)

旅行も自分で行くには足腰が立つときじゃないと難しい。
疫病だなんだと気になることはあれど、他の人の目を気にしてばかりいてはいつまで経っても行けない。

老後の楽しみとは本当に自分がやりたいことが存分にできるんだろうか。

刺繍やビーズがしたくても老眼ではきついかも。
ボルダリングがしたくても筋力が足りないかも。
新しい語学がしたくても記憶力が劣って毎日同じことの繰り返しかも。

悲観しているのではなく「老後の楽しみにとっておこう」は、実現不可能な可能性を加味していない。
やりたい気持ちがあるのなら、今それが頭の中に浮かんでいるのなら、基本的には先延ばしにする理由はないのだ。

そんなことを「たかが洗髪」で考えていた。

髪を染めるのは本当に一歩にも満たない小さな一歩だった。
でも、そこから「もっと行ける」と思えるのは初体験を超えたときだったから。

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