乳がん検査の結果待ち

健康診断の結果が封筒で返ってきた。全項目問題なし。その封筒には、乳がん早期発見の啓発として自己触診の方法が記載された紙も入っていた。


自分には関係ないと思いつつ、ガンにはなりたくないなぁと思ってやってみた。左胸に1㎝程のしこりがあった。


意外にも私は冷静だった。症状について調べて、良性のしこりの特徴が多かったのでまぁ大丈夫だろうと自分を納得させた。

自分だけにしかわからないレベルなのか確かめるために、彼氏や母にも確認してもらうと確かにしこりがあると言われた。周囲は私が思ってるより深刻な感じで早めの検査を勧めた。



病院の予約後、乳がん検査の流れを調べてマンモグラフィを受けるところまでは覚悟していた。



しかし、実際にはマンモグラフィ、エコー、組織診を行った。



お医者さんは少しかっこよかった。


9割は良性だと思うけど、組織診は念のためということだった。「鉛筆の芯くらいの針を刺してしこりの組織をとるからね~」と言われた。ん?シャーペンの芯みたいなニュアンスでさらっと言ったけど、鉛筆の芯ってまあまあ太いじゃないか!頭の中でツッコんでいると今日その針生検をやっておくということで話はまとまっていた。



麻酔があったので、そんなに痛くなかった。ただ針が入ってるなぁという感覚はあった。




お医者さんと看護師さんの優しい話し方や「大丈夫ですよ~」の声かけが精神的にかなり助かった。




結果は2週間後。えっ!そんなかかるん。
顕微鏡で細胞をみるらしい。


スケジュール管理アプリに結果発表と赤字で入力した。その時、浜田雅功の「結果発表ぉぉぉお!」が脳内再生され少しニヤついた。病院で検査結果を伝える時はどんな結果であれ浜田さんの音声を使うとポップな感じになっていいなと思った。



病院では一切取り乱さなかった私でもさすがに不安になった。 


もしガンだったら。


保険ってどうなってたっけ。てか、こんな若いのに死ぬかもしれんの?昨日、友達の赤ちゃんと会ったけど、私も将来こんなふうに当たり前に結婚して子どもできて、私の想像する"普通"な人生をそれなりに歩んで行くんかなって思ってたけど、それもない?そんな未来にも届かないままどこかでスパァーンって終わるん?




ぐるぐる不安や死について考えを巡らせてしまい涙が出た。




でもこんな時こそ私の人生のバイブル森見登美彦先生の小説「有頂天家族」の言葉を思い出そう。


『世に蔓延する悩み事は大きく二つに分けることができる。一つはどうでもよいこと、もう一つはどうにもならぬことである。そして、両者は苦しむだけ損であるという点で変わりはない。』




あれこれ悩みがちな私はこれまで何度もこの言葉に助けられてきた。




「結果発表ぉぉお!」の前に不安を募らせて悩んでも結果はどうにもならない。つまり私は後者の悩み事で苦しんでいる。しかし、結局苦しむだけ損なのだ。


私は2週間後、9割の可能性で良性だから大丈夫だったときいてホッと胸を撫で下ろす。




それだけ分かってればいいじゃない。
大丈夫大丈夫。



大丈夫大丈夫。


だいじょうぶ、だいじょうぶ。



だーいじょうぶ!




だーいじょうぶやって!





ほな、おやすみ。

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