言いたいけど誰もきかないから言わないかもしれない

先日ニュースで寒立馬を見学にくるひとの中に
馬を怖がらせてしまうような事を
するひとがいるので
おどろいた馬が蹴ったりしてけが人がでたから
放牧地を柵で囲って入れなくするよ
というのをみました

今後は馬たちを自由に見られなくなったことを
嘆いているひとがたくさんいましたが
じぶんの感覚としては
当然だと思ったのです
だってお馬を加害馬にしたくなんかないからです

にんげんは言葉が通じるはず、だし
看板を立てたら書いてある事を読めるはず、だし
ルールを守れるはず、なのに
なぜだか、その場でやってはいけない事を
やってしまうひとがたくさんいるようです

むかしむかし
じぶんがまだ馬に乗りはじめたばかりの頃
とある外産のすばらしい芦毛の馬場馬に
乗せてもらって
緊張しながらも伸びていく速歩が
楽しくて乗っていた時のこと
突然ラチの脇にきた女性が
ほーら、お馬さんだよ?と
抱きかかえた茶色い犬に馬を見せようと
近づけてきました
馬をみた犬は興奮して暴れてしまい
そしてその女性は犬を放したのです
犬は吠えて歯をむき出して
芦毛を追いかけ回し
芦毛はパニックになって尻っぱねをし
じぶんは制御を失った馬にぶら下がって
馬場を半周して落ちました

犬を放した人は謝るどころか
馬場に勝手に入ってきて
犬を抱き上げると走って逃げました

お馬たちのことは
まだまだ、にほんでは、よく知らない
という人が多いと
ほんとうにしみじみと思います
よく知らない、と、
説明されても、看板を読んでも、
ルールがあっても、理解できても、
書いてある事を実行できない、
のだろうと思います

そうして実際に事故になってしまったら
全てを馬のせいにする人や
あるいは、素人だからわからなかった
注意をしてくれなかったと
馬を管理する人に対して批判をする人や
ルールを守らないほうが悪いという人
いろんな人が言い合いになって
挙げ句、お馬を知らない人には
どれだけ説明してもわからないから、
近寄らないようにしよう、という結論に
なっちゃうのだと
寒立馬の話を見てそう思ったのです

あの犬に追いかけられて
落馬した日から
いまだにじぶんの左脚には
痺れているところが残ってしまいました
あたたかい季節は大丈夫なのですが
寒い日に信号待ちをしていて
横断歩道の前に立っていると
信号が青になっても
いっしゅん、足がでないことがあります
その一歩の遅れに
あの日のことを思い出します
そして、お馬を加害馬にしないために
これからも、お馬たちがどんな生き物なのか
知っているひとを増やさなくてはと思うのです
きっと、お馬のこと
もっと知っている人が増えたら
説明してもわからない、という
きもちの中にある柵をなくせるんじゃないかと
思うからです
できれば、お馬をより知ってもらえて
もっと好きになってほしいな。

ぶちこ。

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