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「四季の中で最も夏が苦手な理由について」


(約400字)


夏は夜が長く感じる

夜が長いのは 秋と言われるけれど。

冬は 日照時間が短いから 夜が長い

けれど、寒さは脳みそを穏やかにするから長いのは歓迎モード

春は ほんのりと
浮き足だつ季節の幸福感がまとうから、
夜の長さは気にならない

ぽやっと
ボンヤリした植物の始まりの季節を楽しみにしながら生きている


温度が高いと 肌に熱がこもる
脳みそに 漬け物石が乗ったような重さを感じる 

思考回路の働きが 悪くなる


だからかしらね

夏は夜 涼しくなるような物語が浮かぶの


冷たい足裏に ヒンヤリと水を感じるような

しんとした 心の様相を 書き綴るの


それは ミステリーに近くて

泣きたくなるような
口元がうすく 開くイメージで

誰かの 昔 拾い読みした儚い物語

作者を思い出そうとするうちに
眠気が やってくる


夢の中 

欅のテーブルの冷たさを前腕部に感じながら

静かに 
静けさを封じ込める 小説を書く

思考回路が正常なうちに


書きあがった と気づくと 朝なの

蝉時雨が騒々しい 夏の朝





部屋の灯りにお月様



※本日、23時59分の〆切です

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