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土地と記憶について

生まれ育ったのは、地方のニュータウンだ。
どこを見ても同じような色・形をした
四角い団地が建ち並び、
玄関ドアもかろうじて階で色分けされているくらいの
違いしかなかった。

実際に、間違えて1階下の家の玄関を開けて、
ただいまと言ったものの
見慣れない室内の様子に慌てて、出て行ったことが何度かあった。
まだ、鍵などあまりかけられていない、平和な時代だなと思う。

そのおかげか、故郷というか、育った土地に対する意識が希薄だ。
戻りたいとも思わないし、懐かしいとも思わない。

だがその一方で、生まれ育った土地や街に強い愛着を持つ人がいる。
人生がその土地と分かち難く結びついている人たちがいるのも事実だ。
東北の海岸沿いを歩いていると、そのことを強く思わずにはいられない。

土地と記憶。
いまは理解はできないけど、どこか憧れがあるのだろう。
何がそう感じさせるのか、いつかその理由を知ってみたいと思う。


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