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「日常」と「非日常」をつなぐキャンプ

みなさん、こんにちは。牛ラボマガジンです。牛ラボマガジンでは「牛」を中心としながらも、食や社会、それに環境など、様々な領域を横断して、たくさんのことを考えていきたいと思っています。

千葉ウシノヒロバの特長のひとつでもある「キャンプ」。かつては、家族や友人とたくさんの荷物を持って参加するキャンプが主流でしたが、最近では一人で参加する「ソロキャンプ」という楽しみ方も誕生。屋外で距離をとって楽しめるレジャーのひとつとして、ここ数年で急速に人気が出てきました。

そんな「キャンプ」ですが、その起源を知る人はあまり多くないかもしれません。キャンプの語源はラテン語で「広場」や「平らな場所」を意味する「campus(カンプス)」から来ています。大学構内を指す「キャンパス」という言葉として残っていることからも、「広場」や「平らな場所」を指していることがわかります。

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かつて、キャンプは現在のような「レジャー」ではなく「生活」そのものでした。人類は狩猟生活を送るようになってから、獲物を追って移動するようになります。そこで、移動に適した住居として木の棒で家の骨組みとなる柱を立て、布や皮を張って覆い、テントのような形にこしらえていたのです。ちなみに、英語の「tent(テント)」はラテン語で「伸ばす」を意味する「tendo(テンド)」から来ています。
また、英語の「camp」には「軍隊生活」や「陣」という意味があるように、ローマ帝国の軍隊が数か月から数年の間、遠征先で軍事活動をおこなっていた際もキャンプをしていたことがわかっています。狩猟生活や軍事訓練をするには、移動しながら暮らすのが一番だったのでしょう。(公益社団法人日本キャンプ協会HPより)

移動する動物たち

同じ頃に登場したのが家畜です。はじめはイヌなどの小さな動物と暮らしていましたが、生活の変化・発展と共に、荷物の運搬、移動、農耕、食用などさまざまな理由で家畜と生活するようになっていきます。ブタ、ウシ、ウマ、ロバ、ラクダなどが大切なインフラの一部として機能していました。飼う家畜が増えるにつれて広い場所が必要になってくるため、放牧する民族も出てきます。これが日常的なキャンプの起源だったそうです。

ここで少し、人と牛の関わりはじめについてお話しします。牛は、一番古い説だと紀元前8000年頃に中近東で飼われ始めたと考えられています。日本には約2,300年前の弥生時代に持ち込まれ農耕や運搬に利用されていましたが、明治時代以降は肉牛や乳牛として現代のような大規模な食糧生産を支えるようになっていきます。(ノベルズウェーブHPより)

牛ラボマガジンでは、これまでにいろいろな角度から「人と牛の“あり方”」を考えてきました。私たちは、仔牛を預かり乳牛として働ける年齢まで育成する「預託事業」と、キャンプやバーベキューを楽しんでいただく「観光事業」を行っています。一見関わりの無いように見えるこのふたつが実は数千年前に隣り合って行われていたのです。そう考えると、私たちの事業は人間にとって当然の事業とも言えるのかもしれません。

「日常」と「非日常」をつなぐ

いまやキャンプといえば、「非日常」のレジャーを指しますが、昔は「日常」そのものでした。獲物を追って移動したり、飼っている家畜を放牧したり、そのために適した生活様式が、移動しながら暮らす「キャンプ」だったのです。それが「非日常」になったということは、食糧が十分にあり、外敵に襲われる心配もなく、現代が安心して定住できる社会になったからだといえます。もう最適を求めて移動する必要がないのです。

私たちの祖先が長年願った「安定」は、今、目の前にあります。それでも私たちは、ときには自然に触れてその偉大さを感じたり、不便さを感じたりと、キャンプでしか味わうことのできない感覚を感じたくなります。それは、社会について考えたり、他者との違いに悩んだり、不便を楽しんだり、自分の小ささを痛感したり、「安定」や「便利」とは違うベクトルの感情もまた、私たちの人生に必要だからなのだと思います。
もし日常の中で何かに迷ったり悩んだりしたら、ぜひ「キャンプ」という祖先の日常を少し混ぜてみてください。きっと何かが見つかるはずです。キャンプは一時を楽しむ「非日常」のレジャーではなく、私たちの暮らしにヒントを与えてくれる、「日常」の延長なのです。そのときは、ぜひ千葉ウシノヒロバへ。いつでもお待ちしています。

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(執筆:松本有樹、編集:山本文弥)