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U149について / つづみ

 はじめまして、千葉大学アイドルマスター研究会のつづみです。担当アイドルは佐城雪美です。デレマスをメインに触っております。
 そんな私がこの記事でご紹介するのは、『アイドルマスター シンデレラガールズ U149』です。


アイドルマスター シンデレラガールズ U149

 2011年にMobage上でサービスを開始したゲームを原案とし、190人以上(2024年3月現在)のアイドルが活躍するコンテンツ、『アイドルマスター シンデレラガールズ』。その中で、「身長149cm未満」のアイドル13人にフォーカスを当てたストーリーが『アイドルマスター シンデレラガールズ U149』(以下U149)です。
 アイドルは、とある芸能事務所の第3芸能課に所属しています。アイドル、そしてプロデューサーは様々な仕事や経験を通して、大きく成長していきます。その様子を間近で見ることができるのが、U149です。
 2016年より「サイコミ」にて連載が開始され、2023年にはTVアニメ化しました。現在でも連載が続いており、毎週土曜日にアイドルの活躍を楽しむことができます。

TVアニメ

本編について

 TVアニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ U149』(以下アニメ)は、2023年4月から6月にかけて、全12話が放送されました。
 演出や作画が良すぎるんですよね。全編を通して映像が綺麗すぎました。特に光や影の表現のこだわりは凄まじいと思います。ライブシーンは、手書きと3DCGを混合した作画になっていますが、違和感なく両立できているなと感じました。通常のシーンの手書き作画も動く動く……アニメーターの皆さんはちゃんとお金がもらえているといいな。

キャラクター情報
橘ありす 141cm 12歳
櫻井桃華 145cm 12歳
赤城みりあ 140cm 11歳
的場梨沙 143cm 12歳
結城晴 140cm 12歳
佐々木千枝 139cm 11歳
龍崎薫 132cm 9歳
市原仁奈 128cm 9歳
古賀小春 140cm 12歳
プロデューサー

放送に伴い、新たに小春にキャラクターボイスが実装されたほか、晴および小春のソロ曲が追加されました。

 アニメでは、アイドル一人一人に焦点を当てていく群像劇の形を取っています。それぞれの回ごとに、アイドル、そしてプロデューサーが一歩ずつ成長していく様子を、アニメーションを通して見守ることができます。

 ところで、冒頭にて、U149はアイドル13人にフォーカスを当てているとお伝えしました。これは、原案であるコミックに準拠した数字です。しかし、アニメで主に描かれているアイドルは9人です。残り4人は、本編にほとんど登場しません。数カット、ボイスなしで登場するのみです。アニメでは、最終回後に4人が合流することが示唆されているためです。
 ですが、一応救済は用意されています。OVAである13話に、残り4人のうち2人がメインで登場しています。

第13話

 第13話は、DVD/Blu-ray第4巻に付属します。今のところ、配信はされていないため、円盤を購入する以外に見る方法はありません。
 第13話には、本編にほとんど登場しなかった佐城雪美と遊佐こずえが登場します。個人的な感想ですが、アニメ1話分の尺に、2人のストーリーが入っているため、少し短いなとは感じました。それでも、アニメU149において、担当アイドルが動いて喋っていることは事実であり、嬉しかったです。

キャラクター情報
佐城雪美 137cm 10歳
遊佐こずえ 130cm 11歳

 前半は雪美メイン回です。お仕事を通して、他の第3芸能課所属アイドルや、プロデューサーたちと打ち解ける過程を描いています。
 後半はこずえメイン回です。こずえの不思議さ(?)が強調されており、なかなか攻めた内容となっています。また、静止画ではありますが、残り2人のアイドルも登場します。
 余談ですが、前半と後半のそれぞれのラストには、専用エンディングが用意されていました。ここで初めて、雪美とこずえのソロ曲が解禁されました。『とくとく…… とく……』本当にいい曲でした。ありがとうございました。

 さて、まだ紹介できていないアイドルが2人も残っています。アニメでは描ききれなかった2人が。

コミック

 アニメは、コミック版U149(以下コミック)を原案に制作されました。コミックは、2016年10月にプロローグとなる第0話が配信され、その後11月より連載が開始されました。Cygamesが運営するウェブコミック配信サイト『サイコミ』にて、基本的に毎週土曜日に更新されています。作者は廾之先生です。先生自身もアイマスPであり、SNSに様々なアイドルのファンアートが掲載されています。単行本は、現在16巻まで発売されています。

 U149のアイドルは13人です!といっても、初期に登場アイドルはコミックにおいても9人です。その後、第3芸能課の状況が安定してから、横山千佳と福山舞が合流します。千佳は原作22話、舞は28話からの合流です。

キャラクター情報
横山千佳 127cm 9歳
福山舞 132cm 10歳

 物語が始まってしばらくすると、プロデューサーのスカウトにより雪美が、他事務所からの移籍という形でこずえが、それぞれ65話より合流します。
 ちなみに、コミックにおける佐城雪美は、当初無所属のモデルとして登場しました。この設定は、原案に当たるゲームには存在しません。コミックでは、スカウト前のモデルとして活動する佐城雪美も少しだけ描かれています。
 キャラクターのIFが見られるのもU149の魅力です。

 アニメとコミックでは、ストーリーの大筋が異なります。もちろん、基本的な設定は共通で、コミックのストーリーを参考にした話も存在します。ですが、基本的に別作品と思っていただいて構いません。だからこそ、アニメを見た方にコミックを読んでもらいたいです。
 とはいえコミックでも、基本的にはアニメと同様に群像劇の形を取っています。プラスの要素として、アニメで描ききれなかった、アイドル複数人が協力してお仕事をする様子が挙げられます。アイドル一人一人のキャラクターだけでなく、アイドル同士の関係性も大きく掘り下げて描かれているのが特徴です。
 読んでいて強く感じたのが、廾之先生のU149に対する愛です。キャラクターの表情や心情描写がものすごく丁寧に描かれています。もちろん、ストーリーもよく考えられており、アイドルの個性がしっかりと活かされた展開となっています。本当に解像度が高くて……毎回廾之先生のいきいきとした描写に驚かされるばかりです。
 17巻に収録予定であろう、佐城雪美編のラストの雪美の表情は、個人的な雪美の可能性を大きく広げてくれました。雪美Pで読んでいない人がもしいたら、今すぐサイコミでチェックしましょう。

 早速マンガが読みたい!と思ったそこのあなた。まずは興味を持っていただきありがとうございます。しかし、このU149のコミックは、通常の本屋には存在しません。それどころか、アニメイトなどのアニメショップにもほとんど存在しません。
 そう、紙の本は超品薄です。諸般の事情により、6巻以降の紙の本は、書籍でなくグッズ扱いとして出版されました。加えて、せっかくアニメ化したのに、既刊の増販は行われませんでした。したがって、紙の本の入手難易度は非常に高いです。
 でもご安心を。電子書籍で購入できる他、「サイコミ」上にて単話配信されており、全話基本無料で読むことができます。
 なお、コミックの1~10巻には、特装版が存在します。特装版には、アイドルがカバーするデレマスの楽曲、『ドレミファクトリー!』や一部アイドルのソロ曲、オリジナルボイスドラマが収録されたCDが付属します。一部楽曲を除き、特装版付属のCDでしか聴くことのできない音源です。そのため、希少性は非常に高いと言えます。
 紙の本にこだわる方、特装版を手に入れたい方は、頑張って中古を探しましょう。

アニメとコミックの比較

他アイドルとの絡み

 アニメには、ユニット「レイジー・レイジー」や「インディゴ・ベル」、「しゅがしゅが☆み〜ん」、桐生つかさや、片桐早苗・川島瑞樹・高垣楓など、多数の他アイドルとの絡みがあります。
 もちろんコミックでも、他アイドルとの絡みを見ることができます。特に、アニメでは尺やボイスの都合上出すことができなかったであろう、月宮雅、岸部彩華、衛藤美紗希の3人によるユニット「ガールズ・パワー」や、アニメでは『Nightwear』のバックダンサーとして登場した、南条光と小関麗奈のユニット「ヒーローヴァーサス」、およびメアリー・コクランと城ヶ崎莉嘉のユニットと、第3芸能課のアイドルとの絡みは、コミックでしか味わえません。更に、アニメでほとんど登場しなかった渋谷凛は、ありすの憧れるアイドルとして、コミックにガッツリ登場します。
 逆に、桐生つかさや、片桐早苗・川島瑞樹・高垣楓など、アニメの登場するアイドルも存在します。
 他にも、U149には、ここには書ききれないほどたくさんのアイドルが登場します。子どものアイドルだけでなく、大人のアイドルにも、U149だけでしか見ることのできない姿があります。

 コミックに誰が出るのか教えてくれ!せめて担当アイドルが登場するところは読みたい!という方へ。誰が何話に登場するのか、廾之先生がご自身のサイトにまとめてくれています。ぜひご活用ください。

ちなみに、コミックにはちひろさんも登場します。

「リアル」のアニメ

 アニメには、オリジナルキャラクターが複数人登場します。その中でも特に目立っていたのが、部長、次長、課長、会長の4人です。保身に走る部長や、部長の顔ばかりを伺う次長、プロデューサーと次長・部長の間に挟まれる課長、そして、会長に振り回される部長など、会社における上下関係が描かれています。だからこそ「女子小学生のアイドル」という存在をどうビジネスに扱うのか、大人たちのリアルな考えが交錯します。
 アニメでは、反対する上司をプロデューサーが説得し、仕事を勝ち取る場面があります。まあ、反対に悪意があるわけでなく、子どもを守ろうとした結果でもあるため、一概に批判はできません。最終的に、ライブ出演に向けて、全員が同じ方向を向くため、彼らも第3芸能課のアイドルを応援していることがわかります。
 アニメにおいて強調されたのは、アイドルの「リアルさ」だと考えます。それは、アイドル本人のリアルだけでなく、彼女らを取り巻く様々な人達を含めた「リアルさ」です。私は、この演出が、彼女たちの実在性を高め、U149というコンテンツにより深みを与え、ひいては「PROJECT IM@S 3.0 VISION」にも繋がってくるのでは、とも考えます。

 対して、コミックでは、上司などはほとんど表に出てきません。意図的に描かないことで、アイドルとプロデューサーというキャラクターそのものにフォーカスを当てているようにも思えます。代わりに、アイドルやプロデューサーの成長と、一瞬一瞬の輝きを余すことなく描いています。

ゲーム

 現在プレイできるゲームは『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』(以下ゲーム)です。プレイヤーはプロデューサーとなり、リズムゲームを通して、アイドルをプロデュースすることができます。
 ゲームとU149の世界観は、基本的に共有されていません。それもそのはず、ゲームにおけるプロデューサーはプレイヤーであり、U149におけるプロデューサーと異なるためです。もちろん、ゲームの世界線では、第3芸能課は存在しません。例外として、イベント『Shine In The Sky☆』のストーリーでは、第3芸能課としてキャラクターが登場します。アニメの補完的なストーリーとなっているため、比較的触りやすいかなと思います。

 U149とゲームの一番の違いは、アイドルとプロデューサーの距離感です。U149において、プロデューサーは、アイドルの先生的ポジションにあたります。これにより、アイドルとプロデューサーの間には、適切な距離感が保たれています。
 ところが、ゲームでは、明らかに近づきすぎた関係性になっている例が存在します。U149と比較すると、ギャルゲー感が否めません。そんなの求めてねえよ!という方もいるかもしれませんが、アイドルのことが好きになってしまったプロデューサーさんは満足できると思います。
 アイドルとプロデューサー、そして、アイドルとアイドルの関係性も、ゲームでしか見ることのできないものばかりです。U149で初めてデレマスに触れた、という方がもしいましたら、ゲームにも触れていただければ嬉しいです。

終わりに

 ライブ「異次元フェス アイドルマスター ラブライブ!歌合戦」では、第3芸能課のアイドル10人が、U149のオリジナル衣装を着用し、楽曲『Shine In The Sky☆』を披露しました。そこには、アニメ本編ではアイドルとしての登場が叶わなかった、雪美とこずえの姿がありました。
 また、アニメ放送後に行われたトークイベントの最終盤に、橘ありす役の佐藤亜美菜さんがこう発言しました。

約束しよう、13人で会おうって思った。どんなに時間がかかっても、絶対約束!

 何度も繰り返しますが、第3芸能課のアイドルは13人です。アニメ本編で描き切ることのできなかった4人のアイドルがいて、その中にはキャラクターボイスが未実装のアイドルが2人います。もちろん、コミックを通して、13人を応援することはできます。ですが、13人全員がアイドルとして登場するアニメが、ライブが見たいです。
 何が言いたいかっていうと、千佳にも舞にもボイスが付いてほしいし、U149のアニメ2期やってほしいし、第3芸能課の単独ライブをやってほしいし、もう永遠に続いてほしいってことです!!!!!!!!!!
 U149が、第3芸能課が大好きです。
 最後まで読んでいただきありがとうございました。


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