ハーフアイドル考察 / マボとうふ

私がミリオンライブに触れてから1年半と少し、シャイニーカラーズに触れてから1年弱が経ちました。今ではシャイニーカラーズでは八宮めぐる、ミリオンライブでは田中琴葉、所恵美、島原エレナの担当をさせていただいています。
今回はこの中の八宮めぐるの話を中心に、島原エレナの話も少し述べていきたいと思います。八宮めぐると島原エレナ、この二人の共通点はどちらもハーフで幼少期を海外で過ごしたという点にあります。それを踏まえた上で、二人について考察していきます。

まずは私がこの二人を担当するきっかけについて話します。
島原エレナはトライスタービジョンと呼ばれる田中琴葉と所恵美と彼女で構成される仲良し3人組ユニットがきっかけでした。ミリシタを始めた当初は田中琴葉担当を名乗っていましたが、そこからトライスタービジョンというユニットを知り、他の二人にも興味を持つようになりました。そして、BCなどを読んでいるうちに島原エレナの陽気で底抜けに明るい性格に惹かれていきました。彼女を見ると元気になれる、そんな感じでした。
八宮めぐるについては本当に思いもよらない出会いをしました。彼女を知ったのはニコニコ動画にある「SSSS.パリッとマン」というネタ動画です。シャニマス流行語大賞にもなったアレです。実はシャイニーカラーズを始めたのもそれがきっかけだったりします。その動画の中で八宮めぐるが発するのはたった一言だけです。それでもどういう訳かニカッと笑うその顔が忘れられず、運命の出会いガシャでPSSR八宮めぐるを引いて最初のプロデュースが始まりました。私はよく笑う子に弱いのかもしれません。二人の出身はそれぞれブラジルとアメリカ。完全に日本人的な偏見ですが、何となく明るい人が多そうというイメージもありますね。

とにかく、こういうきっかけで二人のアイドルと出会いました。しかし、八宮めぐるに関してはまだ最初のプロデュースが彼女だったというだけで他にも(→当時他にも)283プロには15人の魅力的なアイドルがいます(→いました)。当然、その中から八宮めぐるを選んだ理由があるわけです。
それは「【金色の元気いっぱいガール】八宮めぐる」のコミュ、「仲直りの仕方」にあります。これの内容は喧嘩している友人同士を八宮めぐるが仲裁するか悩み、プロデューサーに相談するというもの。様々な部活の助っ人になるなど友達付き合いが得意そうな八宮めぐるが喧嘩の仲裁をするというのは特に不自然なことではないと思われます。
しかし、八宮めぐるが首を突っ込んで二人に迷惑を掛けてしまうかもしれないと悩み、さらには仲の良かった二人が喧嘩していることを悲しんでいるというのが心に強く残りました。彼女のような積極的な性格ならそういうことに対して躊躇なく割り込んでいくと思っていたからです。臆病なまでに人の心を気遣う彼女の思いやりというもの見て(→ものを見て)、私は八宮めぐるにさらに惹かれていきました。
この彼女の性格は「【ああひかりよ】八宮めぐる」のコミュでも表れています。イルミネが参加した学園祭の生徒からイルミネは太陽みたいという評価を受けます。それを聞いて八宮めぐるは「夜のすみっこに置いてもらえるようなやさしい光にもなりたい」と言います。その理由は「太陽の光は元気が出るけど、たまにそれだけが正しいようにも見えるから」と述べています。彼女が言う夜というのは誰かがつらい思いをしているときであり、それを無理やり明るく照らすのではなく、そっと寄り添うような存在になりたいという八宮めぐるの思いやりから来る言葉だと私は受けとりました。喧嘩のときに割って入るのではなく、信じて見守るという選択肢を持てる彼女だからこそのこの発言だと思います。
私は「仲直りの仕方」を見て、人の気持ちを真摯に理解しようとする八宮めぐるならきっとファンを笑顔できる素敵なアイドルになれると思い、また、周りから彼女自身が思ってもらえるようになって欲しいと考え、八宮めぐる担当になりました。

そんな八宮めぐるですが、ハーフとして集団に馴染めなかったことを暗示するかのようなカードが登場しました。それは「【チエルアルコは流星の】八宮めぐる」です。そのコミュでは彼女が水槽の中で周りから離れて溶け込まない虹色の魚の気持ちをプロデューサーに問われるという場面があり、私は最初、このコミュに登場する虹色の魚を周りとは違う世界に身を置いているアイドルという存在の比喩だと考えていました。
しかし、その問いに対する彼女の「わからない」という答えを聞き、それは思い違いだったと気づかされました。そもそも、このカードの一番目のコミュのタイトルには異邦の青という言葉が入っていて、八宮めぐるがハーフであることが関わったコミュであると推測できます。そうした場合、なぜ彼女は「わからない」と答えたのでしょうか。それは彼女とその虹色の魚を比べてみると、その訳が見えてきます。
虹色の魚は周りから離れ、隠れるようにしているのに対して、八宮めぐるは気さくで友達思いな性格からどんどん人の輪に入っていきます。思い返せば、イルミネを結成したときも、ユニットが打ち解けるように努力していたのが印象に残っています。つまり、同じ異な存在でもこの彼女と魚は対照的であるといえるでしょう。ゆえに彼女には周囲に加わろうとしない魚の気持ちが理解できなかったのではないでしょうか。
そして、八宮めぐるがハーフであるがために拒絶され、それをどうにかしようと頑張っていた過去がうかがえるのがイベント「Star n dew by me」のコミュです。このイベントコミュのタイトルには「魚と虹のワルツ」というものがあり、つながりを連想させられます。このイベントでは招待された学園祭でイルミネが鬼ごっこをするのですが、途中の展開で八宮めぐるが鬼となり風野灯織と櫻木真乃が逃げるという状況になります。このとき、八宮めぐるはプロデューサーに対して、風野灯織と櫻木真乃に近づけないことにドキッとしたと告白しました。誰かに触れたくても触れられない、そんな過去が見えたのではないでしょうか。
その後に続くのが「居場所は自分で作るもの」という言葉で、このシャニマスを始めて以来最大の衝撃を受けました。もしかしたら、部活の助っ人も彼女自身に価値を見つけてもらい、居場所を作るための行動だったのかもしれません。そして、彼女の臆病さが生まれるきっかけもここにあったのだと思います。居場所は自分で作らなければならないと彼女に思わせていることがとても悲しく思いました。しかし、彼女にはイルミネという居場所があったのです。
学園祭終了後、3人が八宮めぐるを鬼から解放したときについて話します。そのとき、櫻木真乃は助けた理由について言います、「すごいめぐるちゃんじゃなくて、めぐるちゃんが好きだから」と。役に立とうと頑張らなくても、ありのままの八宮めぐるを好きだから助けたと言ったのです。このとき、八宮めぐるは居場所を作ったのではなく与えられたのだと私は思いました。今までの彼女の様々なことが報われた気がして、担当として自分のことのように嬉しかったです。この発言はイルミネをよく見ていて、素直に人を称賛できる櫻木真乃でなければ言えないものだったと思います。偉すぎですね。

この八宮めぐるのコミュがあったからこそ、同じくハーフである島原エレナについてはどうなのかと考えることになりました。島原エレナのミリシタでのメモリアルコミュ5では彼女も八宮めぐると似た境遇にあったことをほのめかすことを言います。
島原エレナは日本に渡ってきたとき、言葉が通じずに友達ができずに一人ぼっちだったそうです。彼女はそのときのことを寂しかったと言っていますが、人といることが何より楽しいような彼女が一人ぼっちというのは本当につらかったはずです。言葉というのはコミュニケーションを取る上で重要な道具です。それを持たない彼女が人と接するというのは非常に難しかったことでしょう。
その経験があったからこそ、彼女のソロ曲「ファンタジスタ・カーニバル」の歌詞も重みを持っています。その曲中には「大好きだって気持ちバンコクキョーツーデショ?」や「言葉より大事なモノ」などのフレーズがあり、彼女のコミュニケーションに対する姿勢と思われるものが感じられます。
島原エレナの明るさには八宮めぐるとは違って臆病さは見えません。恐らくは、島原エレナはハーフであることを乗り越えるために、八宮めぐるとは異なる答えにたどり着いたのでしょう。しかし、それがどんなものであるかはまだわかりません。アイドルに対して知らないことが多くあるので、島原エレナだけでなく担当をもっとよく見つめて、新たな顔を見つけていきたいです。

オタクとしての知見が浅いからかもしれませんが、はっきり言ってハーフというのはキャラを考える上で楽な個性付けで割と多用されているように思います。大抵のアニメ、ゲーム、もしくはその他のコンテンツではハーフであることの掘り下げなんてほとんどなく、ハーフであることに付属するのは見た目と口調とせいぜい国民性(その国の料理を作れるなどを含める)ぐらいなものではないでしょうか。正直、身内贔屓している感じは否めませんが、アイドルマスターのようにハーフであることの負の側面にまでしっかり向き合っている作品は少ないと思います。
決してそうではないことが悪と言いたい訳ではなく、ストーリー上重要ではないなら省いても問題はないでしょう。しかし、向き合うことで深まる魅力があるのもまた事実。アイドル一人に焦点を当てることができるアイマスだからこそできることだと思います。

あとがき

オタクの自分語りと妄想を読んでくださってありがとうございます。これを機に八宮めぐると島原エレナについてあれこれ考える人が増えると嬉しいです。私はミリオンライブにミリシタから入った人なので、グリマス時代を知っていればもっと色々な見方もあったと思います。これからはグリマスのコミュを探してみたりしてより考察を深めていけたらと思います。
ちなみに「Star n dew by me」って「Stand by me(隣にいて)」とも読めるんですけど、「Star dew(星の涙)」とも読めて、星を八宮めぐるとして、その涙をイベントタイトルにしてるんだったらエモすぎですね。

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