見出し画像

ちあの大冒険【鳳南編①】

朝、目が覚めて真っ先に思い浮かぶ天鳳のこと~

午前4時、八段坂のふもとにあるベースキャンプで目覚め、すぐに鳳南の予約を押した。

ふもと。いわゆる降段間際だ。言わせるな。

これは天鳳鳳凰卓で奮闘する「ちありく」が残した戦いの記録である。

相手3人は見たことあるアカウント名だ。3人ともプロであり、そのうち2人は天鳳の有名プレイヤーでもある。寝ぼけ眼で予約を押した自分の行動を恥じたい。

画像1

4トイツ。チートイもみえてきた。

メンツ手との天秤をかけつつ、もしチートイになったときに即リーにいけるように待ち牌候補1種は残しておきたい。この場合は發。

役牌よりはオタ風がよいが、第1打で南を切ってしまった。19牌も待ち牌としては優秀なほうだが、両天秤で残すほどの牌ではない。

画像2

チートイの待ち牌として優秀な1枚切れの北を入手したので手に収める。チートイはイーシャンテンの時に残った孤立3種が待ち頃の牌だと成就確率が上がる。

両天秤は続行するが、メンツ手になってもトイツを活かした手組になりそうだ。チートイをアガることだけを考えるのであれば、早めに決め打ったほうがよいが、この手牌の場合はツモり三暗刻という大物手が残っている。それを取り逃さないようにリャンメンにはまだ手をかけない。

画像3

ツモり三暗刻への第一歩。こうなるとトイツやリャンメンには手をかけたくないので、北と發の選択で1枚切れの北を切る。これは發を重ねてのトイトイ変化までみている。

画像4

ここもトイツとリャンメンには手をかけたくないので發切り。この局は対面が1000・2000をアガって終局。

画像5

ジリジリした展開で終盤に2mをポンしてテンパイ。安全に進めるなら2mポンせずで問題ないが、鳳凰卓ではノーテンで削られるのもまあまあ痛い。多少のリスクは負わねばならない。

5mと7mの危険度比較。前巡8mが通り、今2mをポンして5mが中筋になった。

・5m カンチャン、シャンポン、単騎
・7m リャンメン、カンチャン、ペンチャン、シャンポン、単騎

組み合わせ的に5mのほうが通りやすい。安易に外側の牌を切らないことが重要だ。

画像6

他3人もしっかりテンパイを入れてきている。日和って2mポンせず、テンパイを入れないと1人ノーテンだった。

画像7

東は光の速さでポン。

これは鳳南ではかなり微妙な仕掛けだ。リーチが入ったら死へのカウントダウンがはじまる。しかし、ドラも赤もないこの状況はかなり危険であることをまず認識すべきである。

「やられる前にやる」

それが自分の合言葉だ。特に自分より強い相手と戦う時は気持ちで負けてはいけない。

画像8

リーチが入ったが、自分も3フーロでテンパイ。1000点でも良形テンパイなら子のリーチに対してはかなり押し返せる。

画像9

残り4枚だからゼンツするはNG。6mはまったく情報がない上に当たったらドラが絡むことが多い。

「誰だ。チキンとか言ったやつ」

自分の絶対感覚的には36mが当たりだ。

自分は昔からたくさん鳴いてきた。4センチでどう打ち回すかの経験はかなり豊富だ。ここから放銃することはない。

画像10

「くっ、ペン3mか・・・」

3mも危ないと思ったけど、テンパイ料も大きいし。

ここまできたら仕方ないかもしれないが、そもそも東ポンがかなり微妙な仕掛けで、終盤勝負までもつれ込むとやはり分が悪い。

2600点で済んだのは幸運だった。

自分が格下だと認識しているからこそ、先手を取りに行ったが、ハマらなかった。競馬でいうと強い差し馬がいるときの先行策だ。

強い人と同じ打ち方をしていたら、なかなか勝てない。

画像11

強い相手と戦うときは、とにかく場を荒らすこと。風を吹かせて相手の目をくらませている間に攻撃を仕掛ける。

まずは南風!

画像12

西風!

ホンイツの色を絞らせないために、2色目はギリギリまで捨牌に見せない。

画像13

あっという間に3フーロ。

「俺がちあ木たろうだ」

場を荒らすときに大切なことが1つある。それはテンパイから遠い手では打点を絞らせないことだ。安い仕掛けとわかると放銃してもかまわないという意識でガンガンかぶせてくる。

画像14

下家のツモを3回増やしてた結果、自分が3sを打った後すぐにリーチしてきた。それに加えて脅しに屈しない対面の親。2フーロでかなりテンパイ濃厚だ。

自分は下家のリーチに対して受け気味に進めていたが、中をツモってテンパイをした。自分からドラがみえておらず、対面の残りの手牌構成的に4pは危険だ。下家のリーチはよくわからない。上家はたぶんオリている。

画像15

自分の絶対感覚的に4pはおそらく当たりだ。4枚だからといってゼンツはNG。中を切る。

「チキンって言ったやつ出てこい」

画像16

「ぎゃぼっ!」(古)

4pは当たり牌ではなかった。アガリ逃しである。

画像17

痛恨のアガリ逃しのあと、マンガンをツモられる。

「やっちまったか?」

しかし、自分は狂人ではない。市民だ。4pを押していたら命が持たない。

画像18

ずっと完全形から先切りをするタイミングを見計らっていた。

北が1枚切られ、縦引き残り牌が2枚。上家と対面がすでに2フーロ。上家はマンズの一色か、マンズのイッツー+α。対面はよくわからないけど、ソーズかもしれない。3sは対面ケアで先切り。

1枚切れの南は両者のホンイツに危険だが、南で放銃したとして何点になるだろうか。両者ともに役牌ではないので、打点は安いことのほうが多そうだ。対フーロは放銃可能性と放銃失点を考えながら打つ。

のちに対面に赤が絡んだ3sを放銃するほうを嫌った。微妙なところだ。

画像19

上家がマンズのイッツーを確定させてきたところで、高め三色のピンフテンパイを果たした。リーチするか?ダマか?

上家は3フーロで形だけみたらテンパイの可能性はあるけど、2枚切れの中手出しはけっこう弱くみえる。まだ十分形になっていない可能性もある。

「くらえっ!リーチだ!」

画像20

仕上がっていた対面から打ち取ることができた。先切りは関係なかった。

上家バラバラやん。やってんな!対面は本手だった。南放銃で5200ありえたな。

画像21

5pがドラであるにも関わらず、関連情報が出てこない。こういうときは8巡目あたりから、かなり注意深く進める必要がある。緊急事態だ。ヤミテンでドラ3に当たることがよくある。スリムにスリムに。前巡の打4pもかなり危険なのだが、ノーテンもきついので歯を食いしばって押していく。

2mをチーすれば形式テンパイだが、残り6巡をケイテンで凌ぐのか?

メンゼンテンパイの可能性が十分にあるので、ここは様子見。緊急事態に安易にケイテンとっている場合じゃない。とはいえ、8sが2枚切れとか、25mが5枚切れとかならこの巡目からチーしそう。僅差の展開でノーテンをくらうのも痛い。

画像22

残り4巡のところで、6枚目の25mが出たのでチー。ここまでくるとギリギリしのげそう。

画像23

残り2巡何とかなるだろと思っていたけど、生牌の南をつかむ。

「この南って何?」

「なんなん?」

ここでマンガンを放銃しようものなら、おそらく自分は下山することになる。脱落である。

南で待たれている可能性はあるか?

序盤の捨牌から得られる情報として、役牌の手出しが遅ければ遅いほど、役牌を重ねる意識があったんだなーということがわかる。この局面、対面は役牌の手出しが1つもなし。下家はオタ風19牌を切った後に白手出しでちょっと遅め。たまたま役牌が入らなかった可能性もあるけど、役牌を手に持っている可能性もある。だから南は危険だ。

画像24

「ぎゃぼっ!」(2回目)

下家よく南切れるなーと思ったけど、アンコで持ってた。もう1巡早く切ってほしかったな。

画像25

3着目と3000点差がつく、痛恨のノーテン。

漢気の南切りあったか?

いや、さすがに厳しい気がする・・・。

画像26

ラス前。このままでは終われない。1枚切られたばかりのカン3sでリーチ!

まおうー力を貸してくれ!

画像27

「ツモーーー!!!!」(息切れ)

時代はカンサンゾーだぜ。

画像28

オーラス。3万点オーバーがいないため、西入もありえる。しかし、親マンや子に3900放銃すると即ラスというシビアな状況だ。

ドラの發を切った。鳴かれたらその人をみて対応するし、鳴かれなければ場を安い方向に持っていけるのでよい。

親に鳴かれると最悪だが、使いにくい字牌ドラは極力重ねられる前に切る。

画像29

3トイツ。鳴けない手かつ、トイツ手でもないので、1枚切れの1sをほぐす。

3ヘッド最弱理論だ。

ちなみに鳴ける手の場合は、ポン材が優秀になるので、3ヘッドを残す。

画像30

親が4sを鳴いたので自分もスピードを合わせにいく。タンヤオを確定させる6pチー。

「守備?知らん!」

3着目は戦わなければいけないのだ。

この局は下家が2000点をアガリ、西入。

画像31

ツモリ三暗刻含みの形だが、巡目的にも相手の捨牌的にもいつリーチがかかってもおかしくない。下家はなんかやってる。

「8mポン!」

悠長にメンゼンで構えている場合ではないと判断した。相手にプレッシャーをかけつつ、トイトイに向かう。トイトイは待ちが読まれにくいことと、高打点かもと思わせることができるのがメリットである。

画像32

「9mポン!」

役牌がすべて枯れているため、ほぼトイトイ確定である。相手からみると赤があると5800~7700。対面と下家に放銃即ラスの恐怖を与える。

画像33

トップ目の対面から7sで3900を打ち取って連荘。対面はアガリ切れればトップの状況でテンパイから放銃だった。

自分が8mポンだし6s、無関係の2pをツモって8sを手出ししたあと、9mポンだしで打2pをしていた。7sは若干薄まったかもしれない。細かいギミックを入れていく。

トイトイはテンパイタイミングと待ち牌が本当に絞りにくい。

画像34

4トイツ。2000点をアガればトップだが、メンツ手よりはトイツ手のほうが速そうだ。

画像35

メンツになる可能性がある牌は残す。しかし、リーチをかけると即ラスの可能性があるため、極力役ありでダマか鳴き手にしたい。

となると、チートイかトイトイが本線だ。

画像36

南をツモり、發が1枚切れたので發切り。

画像37

チートイ1シャンテン。下家の發を合わせるタイミングと、東ポンを考えるともう1種役牌を持っていそうだ。この点棒状況で見切り発車するとも思えないので、白中がすでに場に出ているこの状況で考えられるのは「南」だけだ。

南は下家に切ってはいけない牌。まだポンで済みそうだが、下家で自由に動かれると自分は何もできなくなる。

南を抑えたまま、チートイに向かうことにする。トイトイは南が出ていく形になるのでダメ。

画像38

下家がピンズに走っていることは当然気づいているが、自分もギリギリまでアガリをみたい。7pのあと、2pもプッシュ。

鳳南はラスが最悪で、この僅差であれば2着で終われれば御の字。3着でも悪くない。なので、自分のアガリをみつつ、放銃をしなければいいという考えで打っていた。

役牌が南しか残っていない状況で、この牌で打って何点?というのを常に考えることが大切だ。

<南がアンコ、放銃>
赤5pが絡んでいる…8000 →ラスEND
赤5pが絡んでいない…3900~5200 →3900なら続行、5200なら3着END

<南がトイツ、南で放銃>
赤5pが絡んでいる…8000 →ラスEND
赤5pが絡んでいない…3900 →続行

<南がトイツ、南以外で放銃>
赤5pが絡んでいる…3900 →続行
赤5pが絡んでいない…2000 →続行

最悪、南をツモられても2着で終わることができる。

画像39

チートイでテンパイ。

下家は2pポンだし4pだった。南がアンコだと仮定すると224p南南南Xから4pを切ったことになる。Xの有力候補があるかどうか。おあつらえ向きの1枚切れの白がその直前に切られている。白よりよい孤立単騎待ちはあるだろうか?9pとか?

2249p南南南白 → この形なら9pを切りそう。

おそらく孤立単騎はない。となると残りは複合形だ。

2245p南南南 → ×(36p捨てて5p単騎にはしない。2246pも同様)
2245p南南南 → ×(36p捨てて5p単騎にはしない。2246pも同様)
2234p南南南 → ×(2pがそもそも当たり)
1224p南南南 → ○(これはあるかも)

単騎で当たるとしたら1p。可能性が高いのは南と何かのシャンポンだと思っていた。

「南、絶対当たり」

これが私の絶対感覚だ。南と1pは切っちゃダメ。

画像40

下家は南と1pのシャンポンだった。

これは下家の雀力が高く、どうやっても2000点の手で勝負に来るとは思えなかった。だから南は最後まで切らなかった。

でも、もう少し考えると、ホンイツ赤のリャンメン待ちとか全然あるよね。決めつけは危険。

画像41

ラス目の上家がチートイのヤミテンを入れていたが、これだけは切れないという南を持ってきてリーチ!

上家も似たようなことを考えていたかな。

画像42

3人テンパイ。

対面もノーテンになってしまったが、チートイの1シャンテンで粘っていた。いい1局だ。

画像43

アガった瞬間にトップの親番。どこにマンガン打っても即ラスENDなので、リーチをしなくていいようにタンヤオに。守備力の低下はやむを得ない。

画像44

6巡目で1メンツもなし。全員がまっすぐ手を進めそうな状況で、かなり後手を踏む可能性が高い。ペン6mペン4pが残る不自由な形だが8pをポン。

"タンヤオ絵合わせ"

タンヤオは有効牌が多いので、ラフに鳴きはじめても何とかなる!

「守備?知らん!」

画像45

3pがアンコになり、タンヤオでいけそうになってきたが、9mを引いたところで役なしテンパイにとる。

この局面は自分がテンパイで誰か1人でもノーテンがいればテンパイ料でトップENDである。6mを自力で引けばタンヤオ変化もある。789で仕掛けている下家へのケアも含めて9mを手牌に入れた。

画像46

4sポンでプレッシャーをかけにいく。

"即ラスの恐怖"

親にタンヤオトイトイを打とうものなら、即ラスである。

画像47

脅しが通用せず、下家がアガって29800点に。続行だ。

さすが、屈強の戦士達。一筋縄ではいかない。

画像48

この局もマンガンを打ったら即ラスEND。しびれる。

中盤でヤミテンマンガンに刺さることもありえるので、2枚切れの西を抑えながら、7mを合わせる。7m自体が特別危険というよりは、7m7sの浮き牌2つ持っていると、将来的に助からない可能性が高いという考えである。

自分がトップENDになるためには2600点のアガリが必要。ドラのくっつきは残したいので7sは残す。

画像49

終盤にテンパイ。4pは親に対して怖いが、369p待ちでアガればトップEND。対面と上家には通りそう。親に対して5800までは3着END。親も切り出し的にはおとなしく、テンパイしているかどうか微妙ということで4pを押した。

画像50

3人テンパイで続行。アツい戦いが続く。

画像51

最後は軽い手が入り、トップ!

おわりに

自戦記、久々に書きました!鳳南にフォーカスしたものははじめてかも。1年前、鳳南ではまったく通用しなかったけど、いろいろ勉強して試して、多少は戦えるようになってきました。たまに運よくいい成績を残せるときもありますが、トップクラスと比べるとまだまだ全然雀力足りていないなと思います。

これからも勉強がんばります!

おしまい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?