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Uri Avner作品集を読んでみる 1-2

しばらくはOrthodox。1回につき1作だけ紹介していく予定です。


14番

Canadian Chess Chat 1980 Version 3rd Prize

#4

1...Bxh6+? Kxe5 2.Bf4+ Ke4 3.Sg5+ but 3...Rxg5!
1...Bxg3+? Kxe3 2.Bf4+ Ke4 3.Sf2+ but 3...Bxf2!

まず見るべきは、上下に対称的なこの2つの紛れだ。問題となるのはa5Rとa7Bで、いずれかのラインが途切れれば詰み形に持っていける。よって、交点のc5に働きかけば良い。

1.Ba2! (2.Bg5+ Kxe5 3.Qf4+ Ke6 4.c5#)
1...Bc5 2.Bxh6+ Kxe5 3.Bf4+ Ke4 4.Sg5#
1...Rc5 2.Bxg3+ Kxe3 3.Bf4+ Ke4 4.Sf2#

keyは1.Ba2!だ。threatを防ぐ手段は色々ありそうだが、d7Sが動くのはSf6#があるし、1...Qf5にも2.Sf2+ gxf2 3.Qg2#の詰みがある。
最強の受けは、最終手c5を防ぐ手。つまり、c5地点を埋めてしまえば良い。それが1...Bc5と1...Rc5なのだが、この手によってR, Bのうち片方のラインが切れるため、紛れの手順が復元できてメイトとなる。

手数は長いものの設定が明快な作品。

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