The Problemist 2014.3 後編
後編は長編のOrthodoxを2作ご紹介。
まずはSelected Problemsより。
Volker Zipf
3rd Prize Freie Presse 2008-09
#11
1.Sc3+ Kd4 2.Se2+ Kd5 3.Sxf4+ Kd4 4.Se2+ Kd5 5.Sc3+ Kd4 6.Sb5+ Kd5
Sの大掛かりなSwitchBack。6手かけて、初形からf4Pだけが消えた局面となる。
7.Rxh4! Rxh4
h7Rが後にc7に利かないよう移動させる。f4Pを消したのは、7.Rxh4に8.Rd4のthreatを付けるためだったのだ。
8.Bxf7+! Kc6 9.Be8+ Kd5
今度はBのSwitchBackで、f7Pを消去。
10.Se6 Kxe6 11.Sc7#
Se6!の捨て駒がカッコいい決め手。最終手を見れば、h7Rを移動させた意味は明らかだ。
続いてBCPS award : Moremovers 2010で1st Prizeを獲得した作品。
Klaus Wenda
1st Prize The Problemist 2010
#7
1.Rd1 Sxd1 2.Sbd4(3.Sf5#) Ra5
Rを捨てておくのが伏線的な手。後でSxe2と白Sを外されるのを防止している。
3.Kg6 Ra6+ 4.Kh7 Ra5
2手かけて白Kをh7に運ぶ。h6を押さえておくのが肝。
5.Bxg3+ Kxg5 6.Bh4+ Kxh4 7.Sf3#
これだけ下準備をしておくことで、ようやくBの消去が可能に。最後はSf3でpin-mate。
手の組み合わせが上手く、上質な作品。
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