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Zivko Janevski - Selected Helpmates 06

作者の器用さがよく出た3題が揃いました。


39番

5th Place Liga Problemista 1985 (FIDE ALBUM 1983-85収録作)

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H#2 3solutions

1.g5 Sf2+ 2.gxf2 Bxf5#
1.S1e3 Bxf5+ 2.gxf5 Rxg3#
1.Qg5 Rxg3+ 2.S1xg3 Sf2#

cyclic Zilahi。また、白の手が完全なcycle(AB-BC-CA)になっている。どうせなら、f2にも黒の駒を置いてしまいたかったかも。


41番

1st Place Nederland-Yugoslavia 1984-85 (FIDE ALBUM 1983-85収録作)

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H#2 b)Pc3→e4 c)Pc4→e4

a) 1.e5 Sf6 2.Kxc3 Se4#
b) 1.Se5 Sc3 2.Kc1 Qf4#
c) 1.Sb5 Sb6 2.Ke3 Sc4#

それぞれの解で、d5Sをどのようにunpinするかが問題となっている。a)で1.Se5とすると最終手をa8Bに取られてしまう(ちなみに1.Sb5だと最後d4に脱出されてしまう)。同様にb)やc)で他の初手が成立しない理屈も考えていくと、e5/Se5/Sb5のいずれの手も線駒のラインを開ける手であること、そしてそれらの線駒の交点がd5に設定されていることが分かるだろう。

ツインの設定を含め、ちょっと変わった作品。


42番

3rd Honorable Mention Sredba na Solidarnosta 1985 Version (FIDE ALBUM 1983-85収録作)

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H#2 2solutions

1.Bf1 Sxe4+ 2.Kxf5 Sxd6#
1.Rdc7 Sxd6+ 2.Kxg3 Sxe4#

2つのラインがあり、片方をbatteryとして、もう片方をpinとして用いる。2つの解で異なる白Sによって手順が逆に再生されているのが作者の狙いか。また、黒の初手も後を見越したpin回避(anticipatory unpin)で統一されており、全体の役割変換(exchange of functions)が完璧だ。アイデアが素晴らしく大好きな作品。ZilahiODT

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