Try,everybody! Orthodox04
今年ももう終わりですね。年内最後の更新です。知らぬ間に、このブログも開設から半年以上が経ちました。記事の数は今回も含めると32本。まあ及第点でしょうか。
最近は年末の行事に加えてプロパラの編集作業やバイトもあり、ブログ更新が後回しになっていました。
前回の続きから。
【Try, everybody! 06】
1.Qh8!(2.Qh7#)
1...Kxd3/Bxd3/Sxd3/Sxf4
2.Qh7/Qa8/Qh1/Qd4#
wRがブラなので、取られても詰むような手を探すとkeyが見つかるはずです。変化を併せてQが4隅を移動するというテーマで、このダイナミックさは詰将棋の人にも訴えかけるものがあるのではないでしょうか。
高坂:このような初手をcorner-to-corner moveと呼びます。続けて2手目にも大きくQを動かす手があるのが嬉しいですね。
Qd4までの変化は勿体ないところ。この変化だけ黒の初手が(他の変化がRd3を取る手であるのに対して)Sxf4という破調気味の手になっています。
【Try, everybody! 29】
1.Bb3 zz
1...Bb7/Rb7/Rg7/Bg7/Rxc7/Bxd4/f5/f6/Bf6
2.Re7/Rc6/Qe5/Qxf7/Sxc7/Sxd4/Qd6/Qe4/Qg4#
山程変化があって、これを読み切るだけでも結構大変ですが、構成自体は複雑ではありません。高坂さんの解説が詳細なので、それを読んでいただくことにしましょう。
高坂:この局面において黒から動かすと、全ての手に対し1手詰が用意されていますね。これをcomplete blockと呼びます。この場合、白は局面を出来るだけ変化させないようなwaiting moveを指せば良い訳です。
特に注目したいのは、最初の4つの変化です。隅にある黒のRとBが、互いに利きを妨害し合っています(mutual self-interference with R/B)が、これをGrimshawといいます。ヘルプでも頻出ですので、覚えておきましょう。
つまり白はパスをすれば、黒のほうから勝手に自爆してくれます。しかし「何もしない」ことをするのが案外難しく、この局面ではwBを1マス引くというたった1通りしか存在しないわけです。対して変化は9種。そのうちテーマらしいのは最初の4つですね。ただし残りの5つも、変化に対してメイトにできる手が(当然ながら)1通りずつしかなく、綺麗にできていると思います。
次回は下の1作のみを解説します。
【Try, everybody! 47】
#2のあとにvが並んでいる、このシリーズでは初めて見る表記です。このvは紛れを表しており、本作ではvvvvとvが4つ並んでいるので、作者の設定した紛れが4つあるという意味です。紛れが4つ、というのが一体何を表しているのか、謎を解き明かしてみてください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?