「Fairy World」を読む(12)
ここ最近は解説しなくても「作意を見れば分かる」作品が多くて助かっています。
94番
Sinfonie Scacchistiche 1969
H#2 3solutions
1.Sf4 exf4 2.Bc4 Sc3#
1.Ra2 e4+ 2.Qxe4 Sa3#
1.Rb4 exd4 2.Rxd4 Sd6#
1枚のPによる3種類のtempo move。こういうのを見ると、Albinoにして4種のtempoは出来るか?と考えてみたくなる。
95番
Stella Polaris 1st Prize 1969 (FIDE ALBUM 1968-1970収録作)
H#2 2solutions
1.axb4 Rg3 2.Sh5 Rg4#
1.Qxb4 Kf6 2.Sh3 g3#
self-blockに使いたいbSがpinされてしまっているので、先に線駒を払ってしまう。ALBUM収録作としては弱いと思うが、bQの1解目におけるg3への利き・2解目におけるg4への利きがSによって隠されている点はうまく出来ている。
97番
Probleemblad 1st Prize 1970 (FIDE ALBUM 1968-1970)
H#4 b)Bf1→Sf1
a) 1.g2 Qxg2 2.Qb1 Kf2 3.Kb2 Ke3+ 4.Kc1 Qd2#
b) 1.Qc1 Qh2 2.Kb3 Kg2 3.Kc2 Kf3+ 4.Kd1 Qe2#
この初形からChameleon Echoになる。b)ではbKの移動が一手多いため、a)における1.g2で辻褄を合わせている。棋譜を見れば分かる通り、手の被りが1手もないように出来ている点が作者のセンス。
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