Try,everybody! Orthodox07
紹介する作品は10作以上残っていて、まだしばらくかかりそうです。
【Try, everybody! 45-2】
これまで#2を見てきた経験から言うと、初手にバッテリーを開いてチェックはありえない手。また、折角存在しているバッテリーを崩す手も少ないと思います(変化が減ってしまうので)。本作では、白のRS、BS、RKBという3本のバッテリーが目を引きますね。RKBのバッテリーは現状機能していないため、wKを動かすというアイデア自体は思いつくと思うのですが、どこに動くのも不利感があります。正解は、
1.Kf5(2.Bxc5#)
1...Bd4+/Be3+/Bxd6+/Rf1+/Sd7/Sc7
2.Be5/Sc5/Sb5/Sf2/Sd2/Qd5/Qxc7##
高坂:わざわざ危険地帯に出向いて行くようで、キーはかなり指しにくい。黒のcheckには全てきれいな返し技が用意されている。
綺麗にできてますね。さすがは大御所Mansfield。
【Try, everybody! 11】
#2*という問題設定になっています。ヘルプでよく見たset playですが、Orthodoxの場合は黒白で詰みの順を考えます。高坂さんの解説が詳しいので私の役目は早くも終了です。
高坂:まずsetから考えてみましょう。これは
1...g4/e6/e5/B--/S-- 2.Rf4/Qh7/Sd6/Sxe7/Se3#
ですね。このように、setにおいて黒側の全ての着手に対し1手詰があることをcomplete blockと呼びます。この場合、白は局面を保持したまま手番を渡してしまいたいのですが、生憎そういう巧い手はありません。(例えば、白Kが動くとSd1でチェックされてしまいますね)
set 1...g4/e6/e5/B--/S--
2.Rf4/Qh7/Sd6/Sxe7/Se3#
1.Sf4(2.Qe6#)
1...g4/gxf4/Kg4
2.Qg6/Rxf4/Qh3#
高坂:白の初手は、setでの1手詰をすべて消してしまう1.Sf4(2.Qe6#)です。しかし、
1...g4/gxf4/Kg4 2.Qg6/Rxf4/Qh3#と、いずれもきっちり捕まえることが出来ます。
active sacrificeかつflight-giving keyである1.Sf4の感触を味わうべき一局と言えるでしょう。
active sacrifice:駒を相手の利きに入れること(捨駒)
flight-giving key:敵Kに新たな逃げ道を与えてしまうkey
今回はここまで。
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