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Alois Johandlの長編Orthodox(5)


J82

Schach-Aktiv 1998

#6

1.Rb3 Be8
2.Bb5+ Bxb5
3.Rb4+ cxb4
4.Scb6+ Rxb6
5.Qb3+ Sxb3
6.cxb3#

白はQをb3に運ぶのが目標。初形ではg8-b3の斜めのラインに4枚もの駒が挟まっているが、駒達がどんどんラインから外れて行くのが楽しい。3...axb4の変化でQa8+とQを横にも使うのがちょっとしたポイントで、最後はKとPだけという最小限のメイトになる。この作者の特性が良く感じられる作品。


続いては遂に7手詰に突入!

J93

1.Preis Erich-Brunner-Gedenkturnier 1963

#7

1.Sg6 Rf7
2.Se5 Rf4
3.Re4 Bf1
4.Sg6 Rf7
5.Se7 Rf8
6.Bf6 Rxf6
7.Sc8#

e7Sが強い形で、f8のRが完全に固定されていることに注目だ。最初に思いつくのは1.Bf6? (2.Sf5#)という手段。もちろん1...Rxf6に2.Sc8#を用意した手なわけだが、これには1...g3という受けがある。この時点で勘のいい読者の方は、h3Bを先に動かしておけば良いと気付くはずだ。
そのためにまず1.Sg6!(2.Be7#)から2.Se5と回り道する。e5Sもまた、Sxc4とSxf7の2つのthreatを持つ強いSのポジションだ。受けは2...Rf4しかない。そこで取ってみろと言わんばかりに3.Re4!と捨てるのが妙手。黒Rは固定されてしまっているので受けはBf1しかなく、これでh3Bを動かすことに成功したわけだ。
後はSを元の位置まで戻し、6.Bf6!と捨ててやるのが決め手。3.Re4!と6.Bf6!がエコー的な表現になっているのがとても面白い。

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