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The Problemist 2013.9

今日はOrthodoxが2つとHelpmateが1つ。


まずは FIDE ALBUM 2004-06  Some reflections by John Rice から2作拾ってきた。


Dolf Wissmann

1st Prize G.Bouma-80 JT  Probleemblad 2004

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#5

1.Sf3 (2.Sd2+ Kxd4 3.Sf3+ Ke4/Kc4 4.Rd4+ cxd4 5.Sd2#)
1…Sxf3 2.Bf5+ Kxd5 3.Be6+ Ke4 4.Qd5+ Sxd5 5.Bf5#
1...Sf1 2.Qe5+ Kxf3 3.Qh5+ Ke4 4.f3+ Qxf3/Rxf3 5.Qe5#

1…Qxf2 2.Qe5+ Kxf3 3.Qxf4+ Kg2 4.Qxf2+ Kh1 5.Qxh2 or 3...Ke2 4.Qxf2+ Kxd1 5.Rb1#

「白の邪魔駒を消去してからその地点に捨て駒」で壁を作ってのメイトが、スレットと主要変化2つで3パターンも楽しめる。これくらいテーマがはっきりしていると、長手数のOrthodoxも面白いなと感じられるのではないだろうか。好作。


Christopher Jones

1st Prize= D.Kanonik MT  Mistetski shakhi 2006

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H#3 2solutions

1.Rxe5 Rf4+ 2.Ke3 Rxc4 3.Rg5 Bf4#
1.Sxe5 Bc5+ 2.Kc4 Bxe3 3.Sc6 Rc5#

駒取りやチェックなどの統一まで完璧なのは表記より明らか。remarkable Umnov effectと解説にあるが、評価ポイントってそこなのかしら?


続いてSelected Problemsよりご紹介。


Michael Lipton

1st Honorable Mention Probleemblad 1966

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#2

1.Bd5? (2.Ra8/Rd8#)
1…Rxd5/Bxd5 2.Ra8/Rd8  but 1...g5!
1.Se4? (2.Bc6/Re5#)
1...Qxe4/Bxe4/Qg5 2.Bc6/Re5/Sf6#  but 1...Rxd6!
1.Be4! (2.Ra8/Re6#)
1…Qxe4/Bxe4/Qg5/Rxd6
2.Ra8/Re6/Bc6/Sxd6#

縦のラインと斜めのラインの交点がd5、e4の2つ。そこへの捨駒(Novotny)3通りが本手順と紛れを構築している。一般的にthreatが複数あるのは好まれないと思うがこのような場合は別で、どのラインもdouble threatで統一されているのが綺麗だと評価すべきだろう。本手順は分かるが紛れを探すのに手こずるOrthodoxも結構多いなかで、本作のような良心的な紛れ設定の作品は好みである。



諸事情で11月号はupできそうもないのでこのシリーズは一旦終了して、OrbitのZivko特集に移ります。


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