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2021年自作ベスト5

2021年も終わりですね〜。年末の恒例、自作ベスト5です。まだ結果稿が出てない作の解答を先にnoteで書くのもどうかと思うので、今年結果稿が出た作品(→発表は主に2020/10〜2021/9)に限って振り返ります。去年のベスト5も一緒にマガジンに纏めておくので、ご覧になってない方はそちらも是非。

今年の最大のトピックはチェスプロブレムの本を大量に貰ったことでした。また、プロパラの担当業務、「The Problemist」への作品投稿、YCCCへの参加、「The Hopper」への投稿、さらに高坂さんのTwitterやブログなど、プロブレムと触れる機会がとても多い1年となりました。段々詰将棋脳からプロブレム脳に変わってきた感じがします。私に詰将棋を作ってほしい言う方がたまにいますが、私ではなく私をこちらの世界に引きずりこんだ方々に怒ってくださいね(笑)。あの藤井聡太さんが「最近の趣味はプロブレム」と仰っていたので、ブーム到来もあるかもしれませんね。それにも期待大。

ではチェスプロブレムに完全移行したかと言うと、そういうわけでもありません。今年はWFPに7作、フェアリー短コンに1作、フェアリーランドにも1作発表と、フェアリー詰将棋の創作にも力を入れました。ちなみに伝統ルールの方は、詰パラに数作とネット(主に風みどりさんのブログと詰将棋メーカー)にも10作ほど、あとは『ランダム詰将棋』くらいですかね。以上で、今年の合計発表数は70作くらいでしょうか。さらに『詰将棋年鑑』の作業や「プロパラ会」でのレクチャー…………あれ、めっちゃ仕事してるやん!

前置きはこの辺にして。


5位

詰将棋パラダイス 2020年11月号

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97飛、26玉、36金、同飛、27飛まで5手。

成って戻ってくるものはSwitchBackではないと捉えているので、こう作るくらいしか思いつきませんでした。36金と37金の対比。半期賞。


4位

WFP158号 2021年8月 (改良図)

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受先協力詰4手3解 玉方持駒無し

14馬 53桂生 54玉 63飛成まで。
46馬 53香成 55玉 54飛まで。
69馬 63桂成 65玉 64馬まで。

今年進出したWFPでの発表作から1つ。詳しい解説はWFPで読んでいただきたいですが、本作はBattery destructionをテーマとした1号局のはずです。破壊されるバッテリーと開くバッテリーが3解でcycleを形成しているのが肝。他のフェアリールールorピースを入れない前提では、バッテリーは3本が最大で構図もこれしか無いような気がします。発表図では攻方のラインピース3枚を玉方の2枚の駒で取っていたので、馬1枚で取るように改良しました。


3位

詰将棋パラダイス 2021年8月号

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b)15龍→95

a)46桂、45玉、55馬、同香、54桂、同玉、66桂まで7手。
b)66桂、55玉、45飛、同桂、54桂、同玉、46桂まで7手。

この作品を初めて紹介したのはプロパラ会で、その時は菊田氏、山田康平氏、若島氏に褒められた記憶があります。この御三方に評価していただけたというだけでも充分良かったのですが、デパートのツイン特集で発表と、発表先にも恵まれました。自作の中でも特に幸せ者の部類です。最後に、本作に対してとても有益なアドバイスをくださった小林敏樹氏に感謝します。

雲虚空ーODT。さすが家元。

宮田敦史ーあまりの鮮やかさ、見事さに唖然。今回のMVP。


2位

5th YCCC Section C  1st Place 2021

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H#3.5 2solutions

1...Kd8 2.Bb7 axb7 3.b1=B b8=Q 4.Be4 Qc8# 
1...Kd7 2.Rg7 hxg7 3.g1=R g8=S 4.Rg5 Sh6#

自作プロブレムの海外での初めての発表作であり、同時に初めての受賞作。ヘルプとして凄く評価される作品とは思いませんが、今年作った中では最も思い入れがあります。本作がきっかけで、私のことを「世界のシナトラ」とイジってくださる方も増えて嬉しいです。持ちネタが多いに越したことはありませんから。

Vlaicu Crisan ー I very much liked the author's imagination to add an extra move by the white King, dictating the solution - kind of subtle dual avoidance.

そう、まさにそこなのよ!ありがとうCrisan!


1位

詰将棋パラダイス 2021年7月号 『Organ Pipes』

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35香、同飛、34香、同飛、31桂成、22玉、25香、同飛、24香、同飛引、13銀打まで11手。

先程のヘルプが創作に2ヶ月も要したのに対し、こちらはたった数十分で完成しました。いったい創作って何なのでしょうね。それはともかく、Organ Pipesを詰将棋に持ち込んだ1号局で決定版のつもり。もしかすると、Novotnyの回数の記録作にもなっているかもしれません。こういうタイプの作品は人生でそう多く作れるとは思えませんね。運の要素があまりにも大きいので。



ランキングは以上です。詳しい解説は、また作品集か何かに呼んでいただく機会があれば書こうと思います。フェアリーはたくさん作ったのですが1作のみの紹介となりました。特に良いと思っている2作の発表が間に合わずに、来年に持ち越しになったためです。こちらもお楽しみに。

最後まで読んでいただきありがとうございました。ご感想などありましたらnoteのコメント欄かTwitterでよろしくお願いします。


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