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「Fairy World」を読む(6)

今回はALBUM収録作から2作。素晴らしい技術をお楽しみください。


49番

Problemista  1st Prize 1967 (FIDE ALBUM 1965-67収録作)

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H#2 2solutions

白はどちらかのナイトをSd5と跳ねてメイトにする筋しかない。d5には黒が3枚利いてしまっているが、Rb7やRc6という2枚の利きを同時に止められる手があるので、利きを消すのは2手で間に合う。というわけでめでたしめでたし……となるはずがなく、例えば1.Rb7 Se3~ 2.Rd6~ と進んだ時にSd5が指せない(pinされている!)。どうやらS2枚がHalf-pinされているのが問題らしい。ただし、それを解除しようと1.Bg7などとしているとd5への3枚の利きを逸らすのが間に合わなくなってしまう。正解は1.Rg5!と1.Rd2!。これらもd5への利きを減らす手にはなっていないので失敗に見えるが……

1.Rg5 Sf5 2.Rc6 Sd5#
1.Rd2 Sd3 2.Rb7 Sd5#

手待ちとなる予定だった白の手でRの利きを切ることが出来る!これでSd5までのメイト。最終手に使うSは2解で異なっており、もちろん抜かりはない。


50番

Schach  1st Prize 1967 (FIDE ALBUM 1965-67収録作)

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H#3 b)Pf6→d7

a) 1.Qg8 Rd8+ 2.Ke6 Rd5 3.Qf7 Sf4#
b) 1.Qc8 Sb2 2.Sc6 Re5 3.Qc7 Sc4#

簡素形からtempo move。そして(wKを除いて)線対称のecho mates。発見にも見えるが、この作者のことなので創作なのだろう。一体どうやって作ったのかなぁ。


有識者の方に質問です。「Fairy World」47番、どう考えても誤図なのですが、正しい図が分かる方は教えていただけると嬉しいです(yacpdbではヒットしなかったです)。


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