極光Ⅱの感想を書くだけ(5)
81番:縦横の桂鋸で2枚の歩を外す。啓蒙的作品。桂鋸が可能なルールは他に何があるか……と考えるとまた新作が作れるかも。
82番:ややこしいことこの上ないが、面白いのかよく分からない。
83番:ヤング・デ級の自玉詰。
84番:1サイクルで1枚動くというのは普通なのだが、その枚数と構造が尋常ではない。入れ替わる駒を眺めるだけでも一苦労。やはり2万手という手数には圧倒されてしまう。本作を理解するにはもっと時間が必要だ。
85番:追加配置について、上田さんが「完全作にして下さいといったタイプ等色々考えられる」と書いている。プロブレムにもあるネタだが、詰将棋にも最近ようやく輸入された。
86番:詰上りを見ても逃れ筋が無いのか考え込んでしまった。Neutral駒は難しい(既に同じことを何回も書いた気がする)。
87番:手のタイミングには若干ズレがあるが、先手にとってのみ行き所のないNeutral駒を盤上に発生させるツインでよく出来ていると思う。
88番:Camelの動きは規則的なので考えるところは多くない。作者の言う通りクラシカルな構成で、易しくて良い。
89番:本作は上田さんとしては珍しく、形から作り始めたという作品。こういう作品の場合、手順をどう評価すべきか難しい。やはり上田作にはもっと奇抜なアイデアを期待してしまう。
90番:シンプルに描かれている。
91番:徐々に長い列を作っていく。Rhを一枚挟むことで機構が若干複雑化して手順が限定されている。
92番:手の流れに若干の違和感あり。他の作り方はなかったのだろうか。
93番:詰将棋以前的な手数計算問題。2万手超えでもこういうものなら手に追える。
94番:銀でしか出来ない趣向手順。Lion2枚もこう置くところだと思う。素晴らしい完成度!
95番:Neutral合×2。どうも私はフェアリーを鑑賞するレベルには達していないのか、本作の評価が分からない。
96番:既に幾つか見た、Lionに対する連続合駒。
97番:一度遠ざかったGrasshopperが玉に近づいてくる様がなんとも言えない魅力。解くのは無理だが鑑賞する分にはなかなか楽しい。
98番:伝統的な繰り返しでも、それをNeutral Paoでやると急に面白く感じる。
99番:Locustで98をself-blockするまでの物語。中盤の13歩打のショートカットがユーモラスに思った(これは2歩の関係でこうなっている)。Bishop-Locustは2枚ともSwitchBackという構成美。好作!
100番:この作品集を最後まで読んだのに、結局Neutral駒の面白さは理解できず。とほほ…
【あとがき】
『極光Ⅱ』について語った資料は過去にほとんどない。ほぼ唯一と言えるものが『この詰2012』に掲載された橋本哲氏による論考である。この機会にぜひとも読み直していただきたい。
この連載を始めてから、『極光Ⅱ』が完売したようです。ちょっとは宣伝効果があったのかもしれませんね。最後までお付き合いいただきありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?