Tsumehouseというパズル 1

詰将棋作家のうち、チェスプロブレムを多少なりとも嗜む人間というのは、僅かしかいない。プロブレミストで詰将棋もできる人も、とても少ないはずだ。しかし、一部の人間は詰将棋とチェスプロブレムに多くの類似点があることを知っていて、双方の文化が相手に良い影響を与える可能性があることも分かっている。実際に、私はチェスプロブレムの影響下にある詰将棋をいくつか作っていて、その中で3作だけ詰将棋でもプロブレムでも過去に無いテーマの作品を作ることが出来た。

とはいえ、いきなりチェスプロブレムを解いたり作ったりというのは、かなり難しいと思う。それ以前には、記譜が読めない、キャスリング等ルールがあやふやなど、いくつものハードルがある。


前置きが長くなったが、そのような人にお勧めの、詰将棋とプロブレムの橋渡し的位置付けのパズルにTsumehouseがある。提唱者はMarkan Fooさんという方。フェアリーチェスの出身らしく、詰将棋も作れて日本語も少し喋れるというとても変わった人(褒め言葉)らしい。

Tsumehouseのルールは下のMarkan Fooさんのブログに書いてあるので参考にしていただきたい。英語だが簡単に読めるはずだ。基本的には詰将棋と似たルールで、無駄合禁止、一段目のP合禁止などが定められている。作意より長い余詰や打P詰に関しては、未だ明確なルールはないようである(?)。


それでは、具体的な作例をご紹介。まずはご本人のブログから。※記譜については、このブログでは詰将棋的に書く

Markan Foo作 ブログ13番

Tsumehouse 5te(5手)

画像1

白の持駒はRとS。左下の2枚は無視してよい。

まずはSを打ちたいが42Sは11Kで逃れる。13Sとこちらから打つのが正解。同Pには11Rで詰みなので2手目は11K。そこで21Rと捨てるのが決め手となる。詰将棋の手筋ものそっくりだ。

作意 13S、11K、21R、同R、32S まで5手。

(1.Sh6+ Kh8 2.Rg8+ Rxg8 3.Sf7#)


また他の作品も紹介しようと思う。







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