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極光Ⅱの感想を書くだけ(4)


61番:よく分からないが、それほど上手くいっていないように見える。

62番:逆回転するために玉が端まで赴く。

63番:連続詰と覆面駒の組み合わせなら簡単に面白いものが作れそうだ、と錯覚してしまう出来の良さ。Locustのラインを入るときは王と飛の2枚を引っ付けておかないといけない。このシステムだけでもあと何作も作れそうだ。

64番:こういうのも一種のエコーか。ナイトの利きの訓練になる。

65番:鍵(66銀・77桂)を挟むごとに逆回転する。良い!

66番:Neutral駒の基本形というのは私にはあまり分からないのだが、フェアリーにおける複数解の表現としてスタンダードな作品。

67番:65まで来たら一番遠くに運ぶのが、最短で持駒を消去するルートだ。その部分の切り替えをNeutral Lion1枚でこなしているのが流石。

68番:これで詰んでるの?と思ったら両王手だった。Cylinder盤の利きの見えづらさ!

69番:2枚のと金を押し下げていく趣向作。58とはPaoの回転が含まれた派手なサイクルで、68とは9段目での地味なやり取りだけで運ぶ。このようなダブル趣向はあまり見たことがない。解説には「イメージが広がっても手が進まない現状」とあるが、これ傑作ですよ。

70番:4枚のRoyal Variableを同時にメイトにするため、全て下段へ。目的遂行のために最速で動く4枚がなんとも健気だ。テクニカルな好作。

71番:外周の回転だけでは長編にはならないのだが、PWCルール+内側の石の存在により3000手まで伸びる。序の数手を動かした時点で解けることは確定しているため、本作品集中で最も易しい作品の1つ。

72番:まさにクラシック!フェアリーだとシンプルな形で成立してくれるのが良い。ここで上田さんの金言を引用する。
「(前略)フェアリー系は至る所に制御不可能な口が開いているのだ。人間がコントロール出来る範囲はどの程度なのか大変興味がある。
 妖精の国というあまりにも広大な領域を前にして、いったいどこまで遊べるのだろう?今、やっと第一歩を踏み出せたような気がする。そして、人間が持つイメージが大きくふくらんだ時、未知の世界が夢のように開いて行くのだと思う。(後略)」
仰っていることが少しだけ分かる。確かに上田作は、「人間のコントロールできる領域」からはみ出ないようにコントロールされているものばかりだ。そこに技術が垣間見える。

73番:凄すぎてどれくらい凄いのか分からない。傑作。若島さんが羽生さんとの対談中に仰っていた「Michel Caillaudが1分で解いた上田作」というのはこれのことか。

74番:チェス盤で発表したものを将棋盤に置き換えて収録しているらしい。本作に関しては、チェス盤のほうが映える手順と思う。この感覚、いったいどれだけの人に伝わるだろうか?

75番:Nrを使った合駒には華があって楽しい。ただ、このツインには感心しない。

76番:85銀に始まり85銀で締め括られる構成に美がある。上田さんの名言を引用しよう。
「(自殺詰以外の)ルールではどうだろうか?実は、自作が本当に理解できるとは言えないのだ。自分で作っておきながら、何を作ったのかわからないという事実を知ってもらいたい」
この後も名言が続くので、ぜひ読んでみてほしい。

77番:角を54に持ってきて2枚のLionで飛び越える。ここでまたまた上田語録を。
「イメージを図化した時作品が生まれる。しかし奇妙なのは、その作品を説明する言葉が見つからない状態なのである。これを無責任だと言わないでほしい。フェアリー系ではいずれ経験することだから」

78番:ここまで見てきた80作の中で、おそらく最も古典的。『極光Ⅱ』に対して難しいという意識を持っている方は、まずはこの作品を見てほしい。

79番:neutral駒でneutral歩を取る。それをツインで2パターンやったのが面白いところ。解説を読む限り偶然の要素が強かったようだが、勿論これは実力に裏打ちされたものだろう。

80番:白紙に駒を追加する3作の中でも、追加駒6枚は最多。こんなものコントロールできるのか?と思うが、中立駒だらけでステイルメイトにするパターンは限られるらしい。そういうわけで、20番と同様のNeutral香2枚+Neutral角+玉の配置が出てくる。発展ポイントは72Neutral飛。これで両王手にするというのが凄まじい。

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