Zivko Janevski - Selected Helpmates 17
今回は明快なODTが3作!
122番
1st Prize Kotelec 1992 Version (FIDE ALBUM 1992-94)
H#2 2solutions
1.Kd6 Rf4 2.Bd3 Rd4#
1.Kc6 Bc2 2.Bd4 Be4#
初形に存在するpinは使わずに、黒K移動によって別のラインでpinされる、所謂transferred pinがテーマ。完璧な役割変換とODTである。ツインでなく、2解で表現出来ている点も良い。
131番
The Problemist 1992 Version (FIDE ALBUM Annex 1992-94)
H#2 2solutions
1.Rxf4 Re7+ 2.Kxd3 Rb3#
1.cxd3 Bb7 2.Kxf4 Bg5#
縦と斜めのラインは2つのpin-mateを示唆している(masked pin)。問題となるのはd3Sとf4Sが互いに結び付いていることで、メイトのためには両方を取らなければならない。c4Pとf5Rの役割変換とODT。
134番
1st Prize Europe Echecs 1992 (FIDE ALBUM 1992-94)
H#2 b)Sg5→g6
a) 1.Sc3 Bxe6 2.Rxd3 Bxf7#
b) 1.Rc4 Rxe3 2.Bxd5 Re5#
いかにも対照的な2手順が出てくる初形。ツイン設定もヒントになるだろう。
a)では、白はBxe6→Bxf7とするmate形が目に付く。そのために黒はb5Sのd6Rへの利きと、e3Rのe6への利きの解消が必須だ。前者は1手で解消できるのだが問題は後者で、普通に動かすと2手かかってしまう。そこで、Sc3!と未然に王手を回避しておき(Anticipatory check avoidance)、Rxd3!と白Rを取ってしまうのが作意となる。
b)はe6Bの動ける場所が2通りしかないという点でa)とは違っているのだが、Bf5ではメイトの邪魔になるためRc4!〜Bxd5!とするのは似通っている。
意味付けレベルで鑑賞すると完璧な対比ではないのだが、珍しい意味付けの着手を含む好作。
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